核酸電気泳動・ゲル撮像

核酸電気泳動・ゲル撮像

核酸電気泳動は、DNAやRNAをアガロース・ポリアクリルアミドゲルで分離し、撮像・定量する分子生物学の基盤工程です。クローニングの確認からNGSライブラリのQCまで用途が広く、泳動槽と電源、ゲル撮像装置、そして品質評価用の自動電気泳動という三つの層で機器を選びます。ここでは研究・非臨床の現場で実際に使われている代表ベンダーの製品を、用途別に整理して並べます。

核酸電気泳動ゲル撮像自動電気泳動DNA/RNA QC研究・非臨床
分類
核酸電気泳動・ゲル撮像
主な用途
核酸電気泳動 / ゲル撮像 / 自動電気泳動 / DNA/RNA QC / 研究・非臨床
代表メーカー
Bio-Rad・Thermo Fisher Scientific・Cleaver Scientific・Analytik Jena ほか計7社
関連キーワード
アガロースゲル電気泳動 / ポリアクリルアミド電気泳動 / ゲルドキュメンテーション / トランスイルミネーター / NGSライブラリQC / RNA完全性 RIN

用途・特徴

まず土台となるのが泳動槽と電源です。アガロースゲルを水平で泳動する「サブマリン型」の槽が定番で、Bio-RadのSub-Cell/Mini-Sub Cellシリーズ、ThermoのOwl水平システム、Cleaver ScientificのmultiSUBなどが広く使われています。ゲルサイズ(ミニからワイド)で分離能とスループットが変わるため、扱うサンプル数とバンドを分けたい範囲から選ぶと迷いにくいです。電源はOwl系ならInvitrogen PowerEaseなど、槽と組み合わせて用意します。

次に撮像と定量です。臭化エチジウムやSYBR系色素で染めたバンドを、トランスイルミネーター上でカメラ撮影し、ソフトウェアでバンド強度を数値化します。Bio-Rad GelDoc Go、Analytik Jena/UVP GelStudio、Azure、SyngeneのG:BOXが代表格で、UV・青色励起・可視の切り替えや、蛍光・化学発光の兼用機など構成の幅があります。ウェスタンブロット撮像まで兼ねたい場合は上位機を選ぶ形になります。

クローニングやNGSライブラリのQCでは、手作業のゲルより再現性と省サンプルに優れた自動電気泳動が向きます。Agilent TapeStation(ScreenTape方式)、Fragment Analyzer(並列キャピラリCE)、2100 Bioanalyzer(マイクロ流体)が代表例です。断片サイズ、濃度、RNAの完全性(RIN/RINe相当)を少量サンプルで短時間に評価でき、ライブラリ調製の前後チェックに組み込みやすい機器群です。

Point
  • 泳動槽はゲルサイズ(ミニ〜ワイド)でスループットと分離範囲が決まる
  • 撮像装置はUV/青色励起/可視の対応と、蛍光・化学発光の兼用可否で選ぶ
  • 定量はソフトウェアのバンド解析・分子量マーカー処理の使い勝手が効く
  • NGSライブラリQCやRNA完全性評価には自動電気泳動が省サンプルで再現性が高い
  • TapeStationはScreenTape、Fragment Analyzerは並列キャピラリCEと方式が異なる
  • 2100 Bioanalyzerは新規本体販売終了だが試薬・保守が継続しており、導入時は供給状況を確認を

使用方法

泳動槽での分離から自動QCまで、核酸電気泳動の機器を選ぶときの検討手順です。

1対象核酸(DNA/RNA)とサイズ範囲、想定サンプル数を整理する
2ゲルサイズと槽(ミニ〜ワイド)・対応電源を選ぶ
3染色色素に合う励起(UV/青色)とゲル撮像装置を決める
4バンド定量・分子量マーカー解析のソフト使い勝手を確認する
5NGSライブラリQCやRNA完全性評価に自動電気泳動が要るか判断する
6TapeStation/Fragment Analyzer/Bioanalyzer等を方式・スループットで比較する
7試薬・消耗品コストと保守・供給状況を確認して導入する