タンパク質電気泳動(SDS-PAGE)

タンパク質電気泳動(SDS-PAGE)

SDS-PAGE をはじめとするタンパク質電気泳動は、ウェスタンブロットや純度確認の前段として、目的タンパク質を分子量(サイズ)で分離する基本手技です。等電点電気泳動なら等電点(pI)で分けるなど、原理に応じた使い分けもできます。プレキャストゲル、泳動槽と電源、染色試薬、分子量マーカーまでを一つの流れとして揃えると、実験の再現性を保ちやすくなります。ここでは研究・非臨床の現場で入手しやすい代表的な製品を、用途ごとに整理しました。

SDS-PAGEプレキャストゲル電気泳動槽タンパク質染色分子量マーカー
分類
タンパク質電気泳動(SDS-PAGE)
主な用途
SDS-PAGE / プレキャストゲル / 電気泳動槽 / タンパク質染色 / 分子量マーカー
代表メーカー
Thermo Fisher Scientific・Bio-Rad・Cytiva(3社)
関連キーワード
ウェスタンブロット / 等電点電気泳動 IEF / ネイティブPAGE / クマシー染色 / 銀染色 / 二次元電気泳動

用途・特徴

プレキャストゲルは、自作ゲルの手間と品質のばらつきを避けたい場面で選ばれています。Thermo Fisher の NuPAGE / Bolt Bis-Tris 系は中性付近の pH で泳動でき、Bio-Rad の Mini-PROTEAN TGX は従来の Tris-glycine 系と互換性を保ちつつ長期保存に対応するなど、それぞれ設計思想が異なります。分離したい分子量域やランニングバッファーとの相性で選び分けるのが実務的です。

泳動槽と電源、染色、分子量マーカーは、ゲルと組み合わせて初めて一連のワークフローになります。ミニゲル用の縦型槽は各社が専用設計を持ち、電源は定電圧・定電流の切り替えや安全機構の有無で選択肢が分かれます。染色はクマシー系の簡便さと、SYPRO Ruby のような蛍光染色の高感度・広ダイナミックレンジのどちらを優先するかで変わります。

等電点電気泳動(IEF)やネイティブ泳動まで含めると、SDS で変性させずにタンパク質本来の状態を分離する選択肢も広がります。Cytiva の PhastGel IEF のように pH 範囲を指定したプレキャスト IEF ゲルもあり、二次元電気泳動や電荷アイソフォームの解析に向いています。目的に応じて変性・非変性を使い分けてください。

Point
  • NuPAGE / Bolt は Bis-Tris 系で中性付近の pH、MES または MOPS バッファーで分離域を切り替えられます
  • Mini-PROTEAN TGX は Tris-glycine 系と互換で、Laemmli 法に近い分離が得られ保存性も高めです
  • 泳動槽はミニゲル用の縦型が主流で、専用電源とセット構成の製品も選べます
  • クマシー系染色はメタノール・酢酸を使わない安全設計の製品があり、MS 解析とも両立します
  • SYPRO Ruby など蛍光染色は高感度と広いダイナミックレンジが強みです
  • プレステイン分子量マーカーは加熱・還元不要でそのままロードでき、泳動と転写の目安になります

使用方法

電気泳動の一般的な進め方を、製品選定の観点でまとめました。実際のプロトコルは各製品のマニュアルに従ってください。

1分離したい分子量域と変性・非変性を決めてゲルを選ぶ
2サンプルをバッファーで調製し、必要に応じ加熱・還元する
3ゲルを泳動槽にセットし、マーカーとサンプルをロードする
4電源で定電圧または定電流を設定して泳動する
5クマシーまたは蛍光染色でバンドを可視化する
6マーカーと照合して分子量を推定し記録する