ウェスタンブロット(イムノブロット)
ウェスタンブロット(イムノブロット)
ウェスタンブロットは、電気泳動で分離したタンパク質を膜へ転写し、抗体で特異的に検出・定量する研究の定番手法です。撮像装置(化学発光・近赤外蛍光)、転写装置、膜、化学発光基質、二次抗体といった要素を組み合わせて1つのワークフローを組み立てます。ここでは各要素の代表的な実在製品を、日本でも入手しやすいものを中心に整理しました。
- 分類
- ウェスタンブロット(イムノブロット)
- 主な用途
- 撮像装置 / 転写装置 / PVDF膜 / 化学発光基質
- 代表メーカー
- Bio-Rad・LI-COR Biosciences・Cytiva・Thermo Fisher Scientific ほか計6社
- 関連キーワード
- イムノブロット / PVDF膜 / 化学発光基質 / 近赤外蛍光 / キャピラリー自動ウェスタン / 転写装置
用途・特徴
ウェスタンブロットの構成は大きく、転写・膜・検出試薬・撮像に分かれます。撮像装置は検出方式で選び方が変わります。化学発光(ECL)は感度と手軽さで定番、近赤外蛍光は広いダイナミックレンジと多重検出のしやすさから定量ウェスタンで重視されます。Bio-Rad ChemiDoc MPやThermo iBright、Cytiva ImageQuant 800、Azure 600は化学発光と蛍光の両方を扱え、LI-COR Odysseyは近赤外蛍光の定量に強みがあります。
転写と膜、検出試薬は結果の再現性に直結します。転写はBio-Rad Trans-Blot TurboやThermo iBlotのような迅速システムでタンクブロッティングより手早く進められ、膜はMerck MilliporeのImmobilon(PVDF)が広く使われています。検出試薬はThermo SuperSignalやCytiva ECLといった化学発光基質を、狙う感度に合わせて選ぶのが基本です。撮像方式・膜・基質・抗体の相性を意識して組み合わせると、扱いやすく再現性のある系になります。
Point
- 検出方式(化学発光/近赤外蛍光)で撮像装置の選び方が変わります
- 定量重視なら広いダイナミックレンジの近赤外蛍光が有力な選択肢です
- 迅速転写システムはタンクブロッティングより手早く処理できます
- PVDF膜(Immobilonなど)は再プローブにも耐える定番の転写膜です
- 化学発光基質は狙う感度に合わせてPico/Femtoなどを選び分けます
- 膜・基質・抗体・撮像方式の相性を意識すると再現性を確保しやすいです
使用方法
一般的なウェスタンブロットの流れは次のとおりです。装置や試薬はこの各ステップに対応づけて選ぶと、過不足なくそろえられます。
1SDS-PAGEでタンパク質を分子量ごとに分離する
2転写装置でゲルからPVDF/NC膜へ転写する
3ブロッキングで非特異的な吸着を抑える
4一次抗体・二次抗体で標的を特異的に標識する
5化学発光基質またはNIR蛍光で検出する
6撮像装置で記録し、バンドを定量・解析する
メーカー製品
Bio-RadChemiDoc MP Imaging System化学発光と多重蛍光(RGB・遠赤・近赤外)、Stain-Free技術まで対応する多機能撮像装置です。定量ウェスタンから一般的なゲル記録まで1台で担えます。公式URL
LI-COR BiosciencesOdyssey M Imaging System近赤外蛍光を軸に、広いダイナミックレンジで定量ウェスタンに強みを持つ撮像装置です。プレートリーダーやスライドスキャンなど複数用途も兼ねます。公式URL
CytivaAmersham ImageQuant 800化学発光・蛍光(IR含む)・比色検出に対応するコンパクトなCCD撮像システムです。近接したバンドも識別しやすく、定量に向いた高解像度画像を得られます。公式URL
Thermo Fisher ScientificiBright FL1500 Imaging System5つの撮像モードで化学発光・蛍光ウェスタンやゲルを記録できる撮像装置です。高解像度カメラと自動化機能で、掲載品質の画像を扱いやすくまとめます。公式URL
Bio-RadTrans-Blot Turbo Transfer Systemミニ/ミディゲルを最短3分で転写できる半乾式の高速転写装置です。1回あたり複数ゲルをまとめて処理でき、タンクブロッティングより手早く進められます。公式URL
Thermo Fisher ScientificiBlot 2 Gel Transfer Device液体バッファー不要で約7分の乾式転写を行うデバイスです。PVDF・ニトロセルロースの両膜に対応します(後継のiBlot 3へ移行が進んでいます)。公式URL
Merck (Millipore)Immobilon-P PVDF Membraneウェスタンブロットで広く使われる代表的なPVDF転写膜です。公称孔径0.45µmで、20kDaを超えるタンパク質の転写に向き、再プローブにも耐えます。公式URL
Thermo Fisher ScientificSuperSignal West Pico PLUS Chemiluminescent Substrateピコグラム〜フェムトグラム域の検出に向くHRP用の化学発光(ECL)基質です。標準的な検出から高感度用途まで扱いやすく、定番として広く使われています。公式URL
CytivaAmersham ECL Prime Western Blotting Detection Reagent低発現タンパク質にも向く高感度なECL検出試薬です。安定した長時間の発光が特長で、一次・二次抗体を希釈しつつ背景を抑えやすく設計されています。公式URL