多重免疫染色(mIHC/mIF)

多重免疫染色(mIHC/mIF)・空間プロテオミクス

多重免疫染色(mIHC/mIF)は、1枚の組織切片で多数のタンパク質マーカーを同時に可視化し、細胞ごとの表現型とその空間的な位置関係まで解析する手法です。標的抗原の共発現、オン標的/オフ腫瘍リスク、免疫微小環境の評価に用いられ、抗体・ADC・CAR-T・免疫療法などモダリティを横断して探索・非臨床で使われます。

多重免疫染色mIF空間プロテオミクス抗原共発現免疫微小環境
分類
多重免疫染色(mIHC/mIF)
主な用途
多重免疫染色 / mIF / 空間プロテオミクス / 抗原共発現 / 免疫微小環境
代表メーカー
Akoya Biosciences・Lunaphore(Bio-Techne)・Standard BioTools・Miltenyi Biotec(4社)
関連キーワード
multiplex IHC / mIF / 多重免疫染色 / 空間プロテオミクス / 抗原共発現 / Akoya PhenoCycler

用途・特徴

多重免疫染色(mIHC/mIF)は、抗体を用いて1枚の組織切片上に複数のタンパク質マーカーを染め分け、蛍光や発色シグナルとして検出する手法・プラットフォームの総称です。染色サイクルを繰り返す方式や金属標識を用いる方式などがあり、通常のIHCが1〜数マーカーにとどまるところを、同一切片で多数のマーカーまで多重化できます。得られた画像から細胞ごとの表現型を分類し、その空間的な位置関係まで併せて読み取ります。

探索・非臨床では、標的抗原と他マーカーの共発現、腫瘍と正常組織での発現パターン(オン標的/オフ腫瘍リスク)、免疫細胞や間質の分布といった免疫微小環境を、組織構造を保ったまま評価できます。抗体・ADC・CAR-T・免疫療法などモダリティを問わず、標的の妥当性確認やバイオマーカー探索に横断的に用いられます。

Point
  • 1枚の切片で多数のタンパク質マーカーを同時に可視化し、細胞単位の表現型を分類できる
  • 細胞の位置情報を保ったまま、マーカーの共発現や細胞間の空間的関係を解析できる
  • シーケンシャル染色、金属標識イメージング、反復染色など複数の方式がある
  • 標的抗原の共発現や、オン標的/オフ腫瘍リスクの評価に使える
  • 免疫細胞・間質の分布から免疫微小環境(TME)を読み解け、抗体・ADC・CAR-T・免疫療法などモダリティ横断で使える
  • パネル設計、抗体の検証、切片の種類(FFPE/凍結)、画像解析パイプラインが結果を左右する点に注意

使用方法

基本的には、組織切片に複数の抗体を順次または同時に反応させ、シグナルを多重に検出したうえで、位置情報と対応づけて細胞ごとに解析します。

1組織切片を準備する(FFPE/凍結)
2パネルを設計し抗体を検証する
3複数の抗体で多重染色する(順次/同時)
4シグナルを多重に検出・イメージングする
5細胞を分割し表現型を分類する
6空間分布・共発現を定量解析する
実際の手順は、方式(シーケンシャル多重免疫蛍光・イメージングマスサイトメトリー・反復染色など)、パネル設計、切片の種類、抗体の検証状況、画像解析パイプラインによって変わります。