組織交差反応性(TCR)試験・IHC
組織交差反応性(TCR)試験・IHC
組織交差反応性(TCR)試験は、抗体医薬が意図した標的以外の組織にも結合していないかをヒト正常組織パネルへの免疫染色で確認する安全性評価です。FDA・EMAが生物製剤で期待する非臨床パッケージの一部で、IND/CTA提出の裏づけになります。ここでは受託試験(GLP TCR)と、IHCに使う自動染色装置・試薬・組織アレイをまとめます。
- 分類
- 組織交差反応性(TCR)試験・IHC
- 主な用途
- TCR受託 / GLP / IHC自動染色 / 一次抗体 / 正常組織アレイ
- 代表メーカー
- Charles River Laboratories・Labcorp・StageBio・Propath ほか計9社
- 関連キーワード
- tissue cross-reactivity / TCR study / 免疫組織化学 / オフターゲット結合 / ヒト正常組織パネル / GLP
用途・特徴
TCR試験は、まず非GLPで免疫染色の方法を確立・検証し、次にヒト正常組織パネルに対して試験抗体とアイソタイプ対照を複数希釈・複数ドナーで染色してオフターゲット結合を評価します。FDAの「Points to Consider」に沿って最低33臓器を3検体ずつ見るのが一般的で、病理医による所見の解釈と規制当局への説明までが受託範囲に含まれます。
装置・試薬側では、Leica BONDやVentana BenchMark、Dako Omnisといった全自動染色装置が方法開発から本試験の染色まで再現性を支えます。検出系(EnVision FLEXなど)や検証済み一次抗体、そしてFDAガイドラインに沿った正常多臓器アレイを組み合わせることで、標的発現の確認とオフターゲット評価を進められます。
Point
- ヒト正常組織パネル(最低33臓器・各3ドナー)でオフターゲット結合を評価する
- 非GLPの方法確立・検証を経てGLP本試験に進む二段構えが標準的
- GLP本試験は全自動染色でプロトコルを固定し再現性を担保する
- 病理医(ECVP等)が所見を解釈し規制当局対応まで支援する受託先が多い
- 自動染色装置・検出系・検証済み一次抗体・正常組織アレイが装置/試薬側の主要要素
- FDA・EMAが生物製剤の非臨床で期待し、IND/CTAの裏づけになる
使用方法
TCR試験を計画するときの一般的な流れです。受託と内製のどちらでも、方法確立から本試験・解釈までの段取りは共通します。
1標的発現データと試験抗体の要件を整理する
2非GLPで免疫染色の方法を確立・最適化する
3限定パネルで方法を検証しスクリーニングする
4ヒト正常組織パネルでGLP本試験を実施する
5アイソタイプ対照・複数希釈で染色を評価する
6病理医が所見を解釈し報告書にまとめる
メーカー製品
Charles River LaboratoriesTissue Cross-Reactivity Studies抗体医薬のTCR試験を方法開発・最適化・適格性確認からGLP本試験まで受託します。ECVP認定病理医が結果を解釈し、規制当局対応も支援します。公式URL
LabcorpTissue Cross-Reactivity (TCR) Studies英国GLP監査プログラム下のHarrogate/Huntingdon拠点でTCR試験を実施します。FDA・EMA要件に沿ったヒト凍結組織や主要毒性モデル動物組織を保有します。公式URL
StageBioTissue Cross-Reactivity(TCR)/IHC・ISH・IFサービス米国・ドイツのGLP/GCLP拠点でヒト正常組織パネルを用いたTCR試験を実施します。非GLPの方法確立から自動染色によるGLP本試験まで一貫して対応します。公式URL
PropathTherapeutic Antibody Tissue Cross-Reactivity StudiesFDAガイダンスに沿い、最低33種のヒト臓器を3検体・3希釈で評価するTCR試験を受託します。非GLPの方法検証スクリーンからGLP本試験まで対応します。公式URL
Leica BiosystemsBOND RX 全自動リサーチステイナー(IHC/ISH)研究専用(RUO)の全自動染色装置で、IHC・ISH・FISHやマルチプレックス染色に対応します。TCRの方法開発・スクリーニングで使われる代表的なプラットフォームです。公式URL
Roche DiagnosticsVENTANA BenchMark ULTRA IHC/ISH システム焼き付けから脱パラフィン・前処理・染色まで全自動で行うIHC/ISH装置です。30枚の独立スライド駆動と豊富なプロトコルで再現性の高い染色を得られます。公式URL
Agilent TechnologiesDako Omnis 全自動IHC/ISH染色システムDynamic Gap染色技術と温湿度制御でIHC・IF・ISHを高スループットに自動化します。EnVision FLEX検出系と組み合わせ、良好な形態の染色を得られます。公式URL
Agilent TechnologiesIHC用一次抗体・EnVision FLEX検出システムFFPE組織向けの検証済み一次抗体(FLEX RTU)とEnVision FLEX高感度検出系を提供します。TCRやIHCの標的染色に用いる定番試薬群です。公式URL
Cell Signaling TechnologyIHC検証済み一次抗体(recombinant monoclonal)FFPE組織でIHC検証した700超のリコンビナントモノクローナル抗体を提供します。ウエスタンブロットや細胞ペレットによる特異性確認を経ています。公式URL
TissueArray.ComFDAガイドライン準拠 ヒト正常多臓器組織アレイ(FDA331/FDA999系)抗体交差反応性試験のFDAガイドラインに沿った正常多臓器アレイを提供します。33種の臓器を各3検体(3ドナー)で並べたFDA999系や、33コアのFDA331系などが選べます。公式URL