ベントフィルター(通気・排気用 疎水性0.2µm)

ベントフィルター

ベントフィルターは、タンクやバイオリアクターの通気・排気で出入りする空気を疎水性0.2µm膜で除菌し、容器内の無菌性と圧力バランスを保つフィルターである。疎水性PTFEが水を通さず気体だけを透過させるため、凝縮水でも目詰まりしにくい。充填・抜液や温度変化による陽圧・陰圧を無菌エアでまかない、選定では通気流量・ろ過面積・滅菌方法・凝縮水対策が要点となる。

タンク通気/排気疎水性PTFE無菌エア凝縮水対策水侵入試験
分類
ベントフィルター(通気・排気用 疎水性0.2µm)
主な用途
タンク通気/排気 / 疎水性PTFE / 無菌エア / 凝縮水対策 / 水侵入試験
関連モダリティ
抗体医薬 / 微生物発酵 / ワクチン / 細胞・遺伝子治療 / mRNA-LNP / ADC
代表メーカー
Sartorius・Merck / MilliporeSigma・Cytiva / Pall・Cytiva / Whatman ほか計11社
関連キーワード
無菌ろ過 / 疎水性PTFE / 水侵入試験 / 滅菌フィルター / シングルユースバイオリアクター / SIP/CIP

用途・特徴

ベントフィルターは、疎水性PTFEメンブレンが水を通さず気体だけを透過する性質を利用し、タンクやバイオリアクターの呼吸(充填・抜液や温度変化に伴う陽圧・陰圧)で出入りする空気を0.2µmで除菌するフィルターです。疎水性のため水蒸気の凝縮水で膜面が濡れても気体流路が確保され、目詰まり(ブロッキング)を起こしにくいのが液用親水膜との決定的な違いです。

選定軸は、膜材質(疎水性PTFEが標準)と孔径0.2µm除菌グレード、必要な空気流量とタンク径に見合うろ過面積、運用温度、滅菌方法(SIP/オートクレーブ対応カートリッジかガンマ滅菌シングルユースカプセルか)です。SIPを行う場合は耐熱温度と繰り返し滅菌回数、ハウジング材質、結露水のドレン経路を確認します。完全性は水侵入試験(WIT)または気泡点で検証できる製品を選びます。

工程上の注意は凝縮水対策が中心です。低温のタンクと温かい外気の温度差で膜面に結露が生じると、疎水膜でも局所的に通気抵抗が上がり、抜液時に陰圧(タンク変形)、充填時に陽圧(ろ過不良)を招きます。ヒータージャケット付きハウジングや傾斜取り付けによるドレン確保、上流のSIP蒸気の排出経路設計が要点です。供給側の無菌エアと排気側で同一型番を使い分ける運用も一般的です。

Point
  • 疎水性PTFE 0.2µmで水を通さず気体だけを除菌透過させる
  • タンク・バイオリアクターの陽圧/陰圧の呼吸を無菌エアでまかなう
  • 凝縮水(結露)でも目詰まりしにくい疎水膜設計が前提
  • 選定軸は膜材質・孔径・通気流量・ろ過面積・滅菌方法
  • 完全性は水侵入試験(WIT)または気泡点で確認する
  • 供給(吸気)側と排気側で同種フィルターを使い分ける構成が一般的

使用方法

基本的には、タンク・リアクターの通気/排気ポートに疎水性ベントフィルターを取り付け、呼吸する空気を0.2µmで除菌します。SIPまたはガンマ滅菌で準備し、水侵入試験で健全性を確認します。

1対象タンク容量・抜液速度から必要な通気流量と圧力範囲を確認する
2膜材質(疎水性PTFE)・孔径0.2µm・ろ過面積を選定する
3形式(SIP対応カートリッジ/ガンマ滅菌カプセル)と滅菌方法を決める
4ヒータージャケットや傾斜取付で凝縮水のドレン経路を確保する
5SIPまたはオートクレーブ/ガンマ滅菌でフィルターを準備する
6水侵入試験(WIT)で膜の健全性を確認し運用する
実際の運用は、タンク容量と抜液/充填速度、許容圧力範囲、運用温度と結露条件、滅菌方法(SIPかガンマ滅菌シングルユースか)、ヒーター付ハウジングの要否、GMP上の完全性試験要件によって変わります。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)