DNAの塩基・リン酸脱保護と切り出し
アンモニア水やAMAで担体からの切り出しと保護基除去を同時に行い、粗オリゴを得る。
- AMAは65℃・10分目安
- 標準アンモニアは55℃で数時間
- 脱プリン等の副反応に注意
オリゴ脱保護試薬は、固相合成後のオリゴ核酸から塩基・リン酸の保護基を外し、担体から切り出すための塩基性試薬(アンモニア水・AMA)と、RNAの2'-水酸基保護基をフッ化物で除去する試薬(TEA·3HF等)の総称。脱保護条件は収率・副反応・修飾の安定性を左右し、保護基化学と一体で選定する。
固相合成で伸長させたオリゴ核酸は、塩基のアミノ基とリン酸ジエステルがアシル基やシアノエチル基などで保護されている。これらの除去(脱保護)と固相担体からの切り出しに、アンモニア水やAMA(アンモニア水と40%メチルアミン水の1:1混液)といった塩基性試薬を用いる。AMAは65℃・10分程度で切り出しと塩基脱保護を同時に完了でき、標準のアンモニア水(55℃・数時間〜一晩)より大幅に短時間で処理できる点が特長。ただしAMA使用時はdCの脱アミノ(トランスアミネーション)を避けるためAc保護dCアミダイトの併用が推奨される。
RNAでは塩基・リン酸の脱保護に加えて2'-水酸基の保護基除去が必要になる。2'-O-TBDMS保護では、フッ化物源であるTEA·3HF(トリエチルアミン三フッ化水素酸塩)やTBAF(フッ化テトラブチルアンモニウム)でSi-O結合を切断する。TEA·3HFはガラスを侵しにくくほぼ中性で、DMSO等の共溶媒中65℃で脱シリル化する手順が定着している。2'-O-TOM保護ではフッ化物処理の条件が異なり、保護基化学と脱保護試薬は一体で選ぶ。
選定軸は、保護基化学との整合・処理時間と温度・修飾核酸やラベルの安定性・スケールと安全性に整理できる。蛍光色素や塩基修飾を含む配列では、より穏和なAPAやK2CO3/メタノール、室温脱保護などの代替条件を検討する。脱保護は副反応(脱プリン、N-アシル残留、2'脱保護不全)と直結するため、試薬グレード・含水率・新鮮さの管理が品質に効く。GMP製造ではアンモニア・フッ化物の取り扱い安全性と廃液処理も含めて工程設計する。
固相合成後のDNA/RNAを脱保護・精製へ渡す基本フロー。試薬の選択は保護基化学と修飾の有無で決まる。
脱保護試薬は合成直後の後処理工程で使われ、配列・修飾・規模に応じて条件を変える。
アンモニア水やAMAで担体からの切り出しと保護基除去を同時に行い、粗オリゴを得る。
塩基脱保護後にTEA·3HFやTBAFで2'-O-TBDMSを除去し、完全長RNAを得る。
蛍光色素や塩基修飾を保つため、APAやK2CO3/メタノール、室温脱保護などを選ぶ。
アンモニア・フッ化物の取り扱い、廃液処理、試薬グレードとロット管理を工程設計に組み込む。
DNA/RNAいずれの合成でも必須で、特にRNA系では2'-脱保護まで含めて関連度が高い。