Touchlightが、同社の酵素合成DNAプラットフォームに関する週次アップデートを公開した。同社が開発する「doggybone DNA(dbDNA)」は、プラスミドDNAの代替として位置づけられる閉鎖線状DNA分子であり、大腸菌を使わない完全酵素的プロセスで製造される点が特徴だ。
プラスミドフリー製造が注目される背景
遺伝子治療やmRNA医薬品の製造において、プラスミドDNAは上流工程の重要な出発原料となる。従来のプラスミド製造は大腸菌発酵に依存しており、抗生物質耐性遺伝子の混入リスク、大腸菌由来のエンドトキシン除去工程の煩雑さ、スケールアップ時のシーケンス安定性といった課題が指摘されてきた。こうした背景から、大腸菌に頼らない代替DNA原料への関心が製造現場で高まっている。
酵素合成DNAはインビトロの酵素反応だけで生産されるため、菌体由来不純物が原理的に発生しない。また閉鎖線状構造は開放末端を持たないことから、細胞内での安定性が高いとされ、非ウイルストランスフェクションや一部のウイルスベクター製造向け鋳型としての適性が研究されている。mRNAのインビトロ転写(IVT)反応においても、プラスミドの線状化工程を省略できる可能性があり、製造プロセスの簡略化につながると期待される。
非ウイルスベクター需要が製造インフラを変える
CAR-T療法や体内投与型遺伝子治療の普及とともに、ウイルスベクター製造のボトルネックを回避する手段として非ウイルス系デリバリーへの関心が増している。エレクトロポレーションや脂質ナノ粒子(LNP)を用いた非ウイルス系システムでは、トランスフェクション用のDNA鋳型品質が細胞治療製品の収量と安全性に直結する。Touchlightのような酵素合成DNAプラットフォームは、こうしたニーズに応える製造インフラとして、CDMOとの連携も含めた実用化フェーズに入りつつある段階だ。
※ 本ページは公開情報(TipRanks報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。