再生医療
再生医療は、細胞・組織・遺伝子を使って、損なわれた体の機能を取り戻す医療です。細胞そのものを投与する細胞治療を中心に、遺伝子治療や組織工学までを含みます。生きた細胞を扱うため、培養・分離・品質試験・凍結・製剤という製造(CMC)の工程は、抗体や低分子とはまったく別の組み立てになります。
日本の制度では、再生医療等製品は「細胞加工物」と「遺伝子治療用製品」に大きく分かれます。再生医療は単独のモダリティではなく、細胞治療(CAR-T・iPS由来細胞・MSCなど)と遺伝子治療(AAV・レンチウイルスなど)、さらに組織工学までをまたぐ上位の括りです。ジャンルによって扱う細胞も、必要な培地・試薬・資材も大きく違うため、ジャンルごとに工程と使う製品を分けて理解するのが近道になります。
専用ガイド再生医療 製品ガイド(ジャンル別)細胞治療・遺伝子治療・組織工学などジャンルごとに、何をする領域か・どんな工程で作るか・どんな装置/試薬/資材を使うかを一覧できます。この特集が束ねる領域
基準工程マップ
製造(CMC)の要点
自家 vs 他家
患者本人の細胞を使う自家(autologous)は1患者1ロットでスケールアウト、健常ドナーやiPS由来の細胞を使う他家(allogeneic)は均質な大量製造でスケールアップと、製造戦略が根本から異なります。
閉鎖系・自動化製造
無菌環境への依存を減らすため、採取〜加工〜充填を閉鎖系・自動化でつなぐ設計が主流。シングルユースとの組み合わせが鍵です。
ベクター製造
遺伝子治療では一過性トランスフェクションか安定産生株かでAAV/レンチを製造。空・実カプセル比や複製可能ウイルスの管理が品質の要点。
コールドチェーン・凍結保存
細胞中間体・最終製品の凍結保存(プログラムフリーザー・液体窒素)と低温輸送(コールドチェーン)が、生存率と効力を左右します。
細胞培養加工施設(CPC)
再生医療等製品の製造はCPC/GCTP基準に基づく施設・運用が前提。交差汚染防止と工程管理の作り込みが求められます。
関連する製品・装置
品質試験(再生医療に固有のCQA)
解説記事
規制・制度
再生医療等製品(医薬品医療機器等法)
細胞加工物・遺伝子治療用製品を「再生医療等製品」として独立に規定。品質・有効性・安全性の評価軸が医薬品・医療機器とは異なります。
条件・期限付承認
均質性が低く有効性の推定で早期承認し、市販後に有効性・安全性を検証する再生医療等製品特有の承認制度。
再生医療等安全性確保法
自由診療・臨床研究で用いる特定細胞加工物の製造・提供のリスク分類と手続き(第1〜3種)を規定。
CPC・GCTP基準
再生医療等製品の製造管理・品質管理(GCTP)と細胞培養加工施設(CPC)の構造・運用要件。