融解・回復培養

解凍装置

解凍装置は、凍結保存された細胞、セルバンク、細胞治療製品、クライオバイアル、クライオバッグなどを、再現性よく短時間で解凍するための装置です。細胞は凍結保存中は代謝がほぼ停止していますが、解凍時には急激な温度変化、DMSO曝露、浸透圧変化、局所的な過熱や解凍ムラによってダメージを受けることがあります。WCBの融解、シードトレイン開始、細胞治療製品の使用前融解、iPS細胞や幹細胞の回復培養では、解凍条件の再現性が重要になります。

WCB融解細胞治療製品の解凍ドライ式回復培養
分類
融解・回復培養
主な用途
WCB融解 / 細胞治療製品の解凍 / ドライ式 / 回復培養
関連モダリティ
抗体医薬 / ADC / 二重特異性抗体 / Fc融合タンパク質・組換えタンパク質 / AAV / レンチウイルス / プラスミドDNA / 細胞治療 / iPS細胞・幹細胞由来製品 / ワクチン / mRNA-LNP / 低分子医薬品
代表メーカー
Cytiva・BioLife Solutions・WakenBtech / BioLife Solutions・STEMCELL Technologies / BioLife Solutions ほか計29社
関連キーワード
シードトレイン / セルバンク / MCB/WCB作製・保管受託 / プログラムフリーザー / 液体窒素保存タンク / 凍結保存液

用途・特徴

解凍装置は、凍結細胞を一定条件で解凍し、解凍後の細胞生存率、回復性、機能、工程再現性を安定させるために使われます。シードトレインでは、WCBを融解して回復培養へ進めます。このとき、解凍が遅すぎるとDMSO曝露時間が長くなり、細胞に悪影響を与えることがあります。一方で、解凍ムラや過熱が起きると、細胞回復性がばらつく可能性があります。

従来は37℃ウォーターバスを使って手作業で解凍することが多くありました。一方、近年はウォーターフリーのドライ式解凍装置、クライオバッグ対応の自動融解装置、細胞治療向けの標準化解凍システムなどが使われるようになっています。

Point
  • 凍結細胞や細胞製品を再現性よく解凍できる
  • WCB融解、シードトレイン開始、細胞治療製品の解凍に使われる
  • ウォーターバスよりも操作を標準化しやすい
  • ドライ式、バッグ対応型、バイアル対応型などがある
  • 解凍ムラや過熱、DMSO曝露時間の管理に関係する
  • GMP製造や細胞治療では記録性、清浄性、操作再現性が重要
  • プログラムフリーザー、液体窒素保存タンク、凍結保存液とセットで考える

使用方法

基本的には、液体窒素保存タンクや-80℃フリーザーから凍結サンプルを取り出し、解凍装置へセットして指定条件で融解します。

1凍結細胞を保管庫から取り出す
2サンプル情報を確認する
3クライオバイアルまたはクライオバッグを解凍装置にセットする
4解凍プログラムを選択する
5装置が温度・時間・接触状態を制御して融解する
6解凍完了後、すぐに次工程へ移す
7必要に応じて培地で希釈・洗浄する
8細胞数・生存率を確認する
9回復培養、シードトレイン、細胞加工、投与準備へ進める
実際の条件は、細胞種、凍結容器、凍結保存液、DMSO濃度、細胞濃度、解凍後の操作、GMP対応、細胞治療製品か研究用細胞かによって変わります。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)