Product Guide

プログラムフリーザー

プログラムフリーザーは、細胞や細胞製品を一定の冷却速度で凍結するための装置です。急冷しすぎると細胞内氷晶が、遅すぎると脱水ストレスが問題になるため、セルバンク作製や細胞治療製品の凍結では、凍結プロファイルを制御できるプログラムフリーザーが使われます。

制御凍結MCB/WCB凍結凍結プロファイル細胞治療

用途・特徴

プログラムフリーザーは、細胞を再現性よく凍結保存するために使われます。凍結速度、温度プロファイル、保持時間、終了温度などを制御し、生存率や解凍後の回復性を安定させることが目的です。

セルバンク用途では、選抜した細胞株をMCBやWCBとして凍結保存する際に使われます。細胞治療やiPS細胞では、製造中間体や最終製品の凍結にも関係します。

Point
  • 細胞を一定の冷却速度で凍結できる
  • MCB/WCB作製時の凍結保存に使われる
  • 凍結プロファイルを保存・再利用できる
  • 細胞の生存率や解凍後の回復性に関係する
  • GMP製造ではデータ記録、監査証跡、バリデーションが重要
  • 液体窒素式と液体窒素不要タイプがある

使用方法

基本的には、凍結対象の細胞を凍結保存液と混合し、バイアルやバッグに分注して、設定した凍結プロファイルで冷却します。

1細胞を回収し、細胞数・生存率を確認する
2凍結保存液と混合する
3クライオバイアル/バッグに分注する
4プログラムフリーザーにセットする
5凍結プロファイルを選択する
6一定速度で冷却する
7液体窒素保存タンクへ移管する
実際の条件は、細胞種、凍結保存液、DMSO濃度、容器形状、充填量、冷却速度、終了温度、GMP対応、バリデーション要件によって変わります。

簡易凍結容器との違いは?

簡易凍結容器や-80℃フリーザーとは、管理できる範囲が異なります。

結論

研究段階では簡易凍結容器で十分な場合もありますが、セルバンクやGMP製造では、凍結プロセスの再現性と記録性が重要になるため、プログラムフリーザーが選択されます。

冷却制御

容器設計に依存

温度プロファイルを制御できる

再現性

フリーザー環境に影響される

条件を記録・再現しやすい

データ記録

限定的

温度ログ、プロファイル記録が可能

GMP対応

限定的

IQ/OQ、監査証跡、記録管理に対応する機種がある

向く用途

初期研究、小規模保存

セルバンク、細胞治療、GMP製造

主な方式

方式内容向く用途
液体窒素式液体窒素を利用して冷却する方式大容量凍結、従来型セルバンク、細胞治療製品
液体窒素不要タイプ電気式・機械式冷却などで制御凍結する方式GMP製造、施設運用簡略化、クリーンルーム内運用
バイアル対応型クライオバイアルを多数凍結するタイプMCB/WCB作製、研究・開発
バッグ対応型クライオバッグや細胞治療用バッグを凍結するタイプ細胞治療、再生医療、臨床製造
小型卓上型少量サンプル向けのコンパクトタイプ研究、プロセス開発、小規模セルバンク
GMP対応型記録、監査証跡、権限管理、バリデーションに対応するタイプ治験製造、商用製造、品質保証

選定ポイント

対象容器クライオバイアル、クライオバッグ、カセットに対応するか
冷却方式液体窒素式か、液体窒素不要タイプか
温度制御冷却速度、終了温度、保持ステップを設定できるか
温度均一性サンプル間の凍結ばらつきが少ないか
データ記録温度ログ、レポート、CSV/PDF出力に対応するか
GMP対応21 CFR Part 11、監査証跡、ユーザー権限管理、IQ/OQ対応
スケールアップ研究用から製造用へ条件移管しやすいか

使用される工程

プログラムフリーザーは、細胞を凍結保存する工程で使われます。

細胞株開発・クローン選抜

候補クローンの一時保存や拡大前の保存に使われる。

主な用途
  • 候補保存

セルバンク

MCB、WCB作製時の制御凍結に使われる。

主な用途
  • MCB/WCB凍結

プロセス開発

凍結条件、保存液、解凍後回復性の検討に使われる。

主な用途
  • 条件検討

細胞治療製造

中間細胞、最終製品、原料細胞の凍結保存に使われる。

主な用途
  • 最終製品凍結

再生医療等製品

iPS細胞、分化細胞、幹細胞由来製品の凍結保存に使われる。

主な用途
  • 細胞製品凍結

GMP製造

製造用細胞、細胞製品、品質管理用サンプルの凍結に使われる。

主な用途
  • GMP凍結

使用されるモダリティー

プログラムフリーザーは、細胞を凍結保存するモダリティーで広く使われます。

抗体医薬
関連度
CHO細胞MCB/WCB
製造細胞株のセルバンク作製に使われる。
ADC
関連度
抗体原薬用CHO細胞
抗体部分の製造細胞バンクで使われる。
二重特異性抗体
関連度
CHO細胞セルバンク
基本的には抗体医薬と同様に使われる。
Fc融合・組換えタンパク質
関連度
CHOHEK293
製造細胞株の凍結保存に使われる。
AAV
関連度
HEK293Producer Cell
ウイルスベクター製造細胞のバンク化に使われる。
レンチウイルス
関連度
Packaging CellProducer Cell
ベクター製造細胞の凍結保存に使われる。
細胞治療
関連度
CAR-TT細胞NK細胞MSC
原料・中間・最終製品の凍結保存に使われる。
iPS細胞・幹細胞由来製品
関連度
iPS細胞分化細胞マスターセル
細胞基盤や製造中間体の凍結保存に使われる。
ワクチン
関連度中〜高
細胞基材ウイルスシード
細胞基材やシードストック保存で使われる。
mRNA医薬・LNP
関連度低〜中
評価細胞原材料細胞
mRNA合成本体よりも関連細胞管理で関係する。
低分子医薬品
関連度低〜中
細胞アッセイ評価細胞
製造工程よりも評価系の細胞保存で使われる。

メーカー製品

関連製品

関連記事

シードトレインとは?セルバンクから本培養へつなぐ段階的な培養工程基礎知識・培養シードトレインとは?セルバンクから本培養へつなぐ段階的な培養工程セルバンクとは?抗体医薬の製造に使う細胞を保存・管理する工程基礎知識・培養セルバンクとは?抗体医薬の製造に使う細胞を保存・管理する工程なぜモノクローナル抗体はCHO細胞で作るのか?高発現だけでは説明できない理由基礎知識・培養なぜモノクローナル抗体はCHO細胞で作るのか?高発現だけでは説明できない理由本培養とは?抗体医薬の産生量と品質を決める培養工程基礎知識・培養本培養とは?抗体医薬の産生量と品質を決める培養工程