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クライオバイアル・凍結容器

クライオバイアルは、細胞や菌株を凍結保存するためのねじ口つき小型容器です。気相・液相の液体窒素(-196℃)やディープフリーザーでの保管に耐える材質・形状でつくられ、無菌・既知組成で内容物を長期に保護します。研究用のセルストックからMCB/WCBの実保管まで、凍結保存の最小単位として使われます。

セルバンク-196℃2Dバーコードトレーサビリティ

用途・特徴

クライオバイアルは、回収した細胞を凍結保存液とともに分注し、凍結・極低温保管するための容器です。多くはポリプロピレン製で、キャップにねじとOリング(またはシリコンガスケット)を備え、長期保管中の漏れや乾燥、クロスコンタミネーションを抑えます。ねじの方式には、ねじが管口の内側にある内ねじ(インターナルスレッド)と、キャップが管口を覆う外ねじ(エクスターナルスレッド)があります。

保管環境への適性が選定の起点になります。液相の液体窒素に直接浸けるとバイアル内に窒素が侵入し、解凍時に破裂する事故につながるため、液相浸漬は避け、気相保管や、外ねじ+シール処理での運用が推奨される場面が多くなります。バイアル底や側面の2Dバーコード(データマトリクス)は、検体IDとロット・由来・保管位置を紐づけ、セルバンクのトレーサビリティと自動ピッキングを支えます。

セルバンク用途では、材質規格(USP Class VI、動物由来成分フリー)、滅菌・無菌、ロット管理、CoAなどのドキュメント、自動分注・自動キャッパー対応が重要になります。研究用と、MCB/WCBや細胞治療の実保管とでは、要求レベルが大きく異なります。

Point
  • 細胞・菌株を凍結保存する最小単位の容器として使われる
  • 気相・液相の液体窒素(-196℃)やディープフリーザー保管に耐える
  • 内ねじ・外ねじがあり、シール性と保管環境で使い分ける
  • キャップのOリング/ガスケットで漏れ・乾燥・汚染を抑える
  • 2Dバーコードで検体ID・ロット・保管位置を紐づけられる
  • MCB/WCB作製時の細胞凍結・実保管に使われる
  • USP Class VI、動物由来成分フリー、無菌などの規格が選定要件になる
  • 自動分注・自動キャッパー・自動ストア対応の有無が運用に影響する

使用方法

基本的には、凍結保存液と混合した細胞懸濁液をクライオバイアルに分注し、ラベル・コードで識別したうえで制御凍結し、液体窒素環境へ移管して長期保管します。

1細胞を回収し、細胞数・生存率を確認する
2凍結保存液と混合し細胞濃度を調整する
3バイアルにラベル・2Dバーコードを割り当てる
4規定量を各バイアルへ分注する
5キャップを規定トルクで確実に締める
6プログラムフリーザー等で制御凍結する
7液体窒素タンクの気相へ移管・保管する
8保管位置・本数を在庫管理システムに記録する
9必要時に取り出し、急速解凍して使用する
実際の条件は、細胞種、凍結保存液、細胞濃度、分注量、ねじ方式、気相/液相の別、滅菌・GMP要件、自動化の有無、解凍後の使用目的によって変わります。液相浸漬は破裂・汚染リスクがあるため、容器の対応可否を確認してください。

クライオバイアル と 凍結バッグ(クライオバッグ)の違いは?

少量・多本数の保管に向くクライオバイアルと、投与用のまとまった容量を扱う凍結バッグは、本数・容量・無菌経路の違いで使い分けられます。

結論

抗体医薬のMCB/WCBや研究用セルストックはクライオバイアルでの小分け保管が中心で、細胞治療の投与用最終製品では凍結バッグが使われることが多く、原料・中間体ではバイアルとバッグが併用されます。

1検体あたりの容量

数十〜数百mL程度のまとまった容量

0.5〜5mL程度の少量

本数・分割

少数の大容量を保管

多数の小分けで本数を確保しやすい

充填・接続

チューブ溶着・無菌コネクタで閉鎖系を組みやすい

分注後にキャップで密封する

保管

専用カセットで気相保管

ラック・ボックスで高密度に保管

識別・自動化

ラベル・RFID等で管理

2Dバーコードで自動ピッキングと相性がよい

向く用途

細胞治療の最終製品、投与単位の凍結

セルバンク、研究用ストック、中間体の小分け保管

注意点

破袋、溶着部の管理、容量自由度

本数管理、液相浸漬時の破裂・汚染リスク

内ねじタイプと外ねじタイプの違い

項目内ねじ(インターナルスレッド)外ねじ(エクスターナルスレッド)
ねじ位置ねじが管口の内側にあり、キャップが栓のように挿入されるキャップが管口の外側全体を覆う
シールOリング/ガスケットで密封外周を覆い、取り扱い由来の汚染を抑えやすい
液体窒素適性気相保管向け(液相浸漬は侵入・破裂に注意)シール処理と併用で液相運用が検討されることがある
保管密度外径を抑えやすく高密度保管に向くキャップ径がやや大きくなる場合がある
向く場面高密度なセルバンク、自動保管汚染リスクを下げたい用途、機械式凍結

主なタイプ

タイプ内容向く用途
標準クライオバイアル(1〜2mL)ねじ口・自立底つきの汎用タイプ研究用セルストック、一般的な細胞凍結
大容量タイプ(4〜5mL)まとまった本数・量を保管できるタイプWCB分注、中間体保管
2Dバーコードタイプ底面に2Dコードを備え自動管理に対応バイオバンク、MCB/WCB、自動ストア
ラック封入・自動化対応タイプラック単位で供給され自動キャッパーに対応高スループットなセルバンク、検体管理
無菌・GMP対応タイプ無菌保証・規格・CoAを備えたタイプGMP製造、細胞治療、再生医療
動物由来成分フリー材質タイプUSP Class VI等の規格材質を用いたタイプバイオ医薬品、細胞治療、再生医療
低温セプタム・サンプル対応タイプ極低温向けの専用形状・封止を備えるタイプ長期バイオバンク、特殊検体保管

選定ポイント

材質ポリプロピレン、USP Class VI、動物由来成分フリーか
容量0.5/1.0/1.2/1.8/2.0/4.5/5.0mLなど用途に合うか
ねじ方式内ねじ/外ねじ、シール性、自社運用との相性
温度適性-196℃耐性、気相・液相のどちらに対応するか
液相適否液相浸漬の可否、破裂・窒素侵入対策の要否
シール部Oリング/ガスケットの有無、締めトルク管理
底形状自立(スターフット)、円錐底/丸底、回収しやすさ
コード2Dバーコード、1Dバーコード、ヒューマンリーダブルの有無
無菌・規格滅菌(ガンマ線)、非発熱性、非細胞毒性、CoA
自動化対応自動分注・自動キャッパー・自動ストアとの互換
識別・記録書き込みエリア、ラベル耐性、在庫管理連携
ドキュメントCoA、原料情報、規格証明、規制対応資料の有無

使用される工程

クライオバイアルは、細胞・菌株を凍結保存するさまざまな工程で使われます。

細胞株開発・クローン選抜

候補クローンや評価用細胞をバイアルで小分け保存する。

主な用途
  • 候補保存
  • バックアップ

MCB/WCB作製・保管

マスター/ワーキングセルバンクの分注・凍結・実保管に使われる。

主な用途
  • MCB/WCB分注
  • 気相保管

研究用セルストック

ラボのストック細胞や継代バックアップを保存する。

主な用途
  • ストック保存

プロセス開発

凍結条件、容器、解凍後回復性の比較検討に使われる。

主な用途
  • 条件比較

細胞治療製造

原料細胞や中間体の小分け凍結・保管に使われる。

主な用途
  • 中間体保管

再生医療等製品

iPS細胞・幹細胞・分化細胞のセルストック保存に使われる。

主な用途
  • 細胞基盤保存

微生物・株保存

大腸菌や酵母などの作業株・保存株を凍結保管する。

主な用途
  • 菌株保存

バイオバンク・検体管理

2Dバーコードで検体を管理し、長期保管・自動ピッキングする。

主な用途
  • 検体管理
  • 自動ストア

使用されるモダリティー

クライオバイアルは、細胞・菌株を扱う幅広いモダリティーで使われます。

抗体医薬
関連度
CHO細胞MCB/WCB
製造細胞バンクの分注・実保管に使われる。
細胞治療
関連度
CAR-TT細胞原料・中間体
原料細胞や中間体の小分け凍結保管に使われる。
iPS・幹細胞
関連度
iPS細胞マスターセル
細胞基盤やセルストックの保存に使われる。
遺伝子治療
関連度中〜高
HEK293プロデューサー細胞
ベクター製造細胞のセルバンク保管に使われる。
微生物発酵
関連度
大腸菌酵母作業株
発酵生産用の作業株・保存株の凍結保管に使われる。
ワクチン
関連度
細胞基材ウイルスシード
細胞基材やシードストックの保管で使われる。

メーカー製品

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