Product Guide

無菌試験

無菌試験は、医薬品、バイオ医薬品、細胞加工製品、原材料、製造工程サンプルなどに、生きた微生物が存在しないことを確認するための試験です。微生物限度試験やバイオバーデン試験とは異なり「無菌であること」を確認する試験で、最終製品の出荷判定やGMP品質試験で重要になります。

無菌性確認出荷判定メンブレンフィルター法直接法

用途・特徴

無菌試験は、製品や工程サンプルに生きた微生物が混入していないことを確認するために使われます。試験方法としては、メンブレンフィルター法と直接法が代表的です。ろ過可能な液体ではメンブレンフィルター法、ろ過が難しいサンプルでは直接法が選択されます。

試験そのものは比較的古典的ですが、実際にはアイソレーター、閉鎖系無菌試験システム、培地、ポンプ、インキュベーター、環境モニタリング、受託試験サービスなど、多くの製品・サービスが関係します。

Point
  • 医薬品やバイオ医薬品の無菌性を確認する試験
  • メンブレンフィルター法と直接法が代表的
  • セルバンク、原材料、中間体、最終製品の品質確認に関係する
  • 製剤工程や充填後の出荷判定で重要
  • 偽陽性・偽陰性を避けるため、試験環境と操作管理が重要
  • GMP対応では、薬局方、バリデーション、文書管理が重要になる

使用方法

一般的には、試験対象サンプルを無菌的に採取し、メンブレンフィルター法または直接法で培地に接種して、一定期間培養します。

1サンプルを無菌的に採取する
2試験方法を選択する
3メンブレンフィルター法/直接法で処理する
4液体培地に接種する
5規定条件で培養する
6濁り・微生物増殖の有無を確認する
7無菌性を判定する
8品質試験・出荷判定に利用する
実際の条件は、サンプルの種類、ろ過可否、試験量、培地、培養温度、培養期間、GMP対応、試験環境、薬局方要件、受託試験の有無によって変わります。

メンブレンフィルター法と直接法の違いは?

無菌試験では、試料の性質に応じて試験法を選択します。

結論

ろ過可能な医薬品サンプルではメンブレンフィルター法が使われることが多く、細胞を含むサンプルやろ過が難しいサンプルでは直接法や専用法が検討されます。

方法

サンプルを直接培地に接種して培養する

サンプルをフィルターでろ過し、フィルターを培地で培養する

向くサンプル

ろ過が難しいサンプル、少量サンプル

ろ過可能な液体製剤、バッファ、工程液

強み

操作が比較的シンプル

阻害物質を洗浄で除きやすい

注意点

サンプル由来の抗菌性・阻害性に注意

フィルター、ポンプ、閉鎖系操作が必要

主な用途

細胞製品、粘性サンプル、一部の原材料

注射剤、バイオ医薬品、ろ過可能な工程液

主な試験方式

試験方式内容向く用途
メンブレンフィルター法サンプルをろ過し、フィルター上の微生物を培養する方法ろ過可能な液体製剤、工程液、注射剤
直接法サンプルを培地に直接接種して培養する方法ろ過が難しいサンプル、少量サンプル
閉鎖系無菌試験専用キャニスターやポンプを使い、閉鎖系で操作する方法GMP品質試験、最終製品試験
アイソレーター内試験アイソレーター環境で無菌試験を行う方法高い汚染防止が必要な試験
迅速無菌試験ATP、生物発光、自動微生物検出などを使う迅速法細胞治療、ATMP、工程短縮、迅速リリース検討
受託試験外部試験機関に委託して実施する方法GMP、薬局方対応、出荷判定、申請資料対応

使用される工程

無菌試験は、無菌性が求められる工程や製品で広く使われます。

セルバンク

MCB、WCB作製時の品質試験として使われる。

主な用途
  • MCB/WCB品質試験

シードトレイン

培養開始前後の汚染確認に関係する。

主な用途
  • 培養前後確認

本培養

工程中の微生物汚染確認、逸脱調査に関係する。

主な用途
  • 工程内確認
  • 逸脱調査

ハーベスト・清澄化

中間体や工程液の汚染確認に関係する。

主な用途
  • 中間体確認

下流精製

精製中間体、バッファ、工程液の確認に使われる。

主な用途
  • 中間体・バッファ確認

無菌ろ過

ろ過後の製品や工程液の無菌性確認に関係する。

主な用途
  • ろ過後確認

充填

充填後製品の出荷判定に使われる。

主な用途
  • 出荷判定

細胞治療製造

原料細胞、中間体、最終製品の安全性確認に使われる。

主な用途
  • 原料・最終製品確認

GMP製造

品質保証、出荷判定、規制対応試験として使われる。

主な用途
  • 出荷判定
  • 規制対応

使用されるモダリティー

無菌試験は、無菌性が求められる医薬品・細胞製品・バイオ医薬品で広く使われます。

抗体医薬
関連度
精製工程製剤工程充填後製品
無菌ろ過後、最終製品、工程液の品質確認に使われる。
ADC
関連度
抗体原薬コンジュゲーション後製剤
抗体部分および最終製剤の無菌性確認に関係する。
二重特異性抗体
関連度
製剤工程最終製品試験
抗体医薬と同様に使われる。
Fc融合・組換えタンパク質
関連度
精製製剤充填
バイオ医薬品の無菌性確認に使われる。
AAV
関連度
ウイルスベクター製造最終製品
ベクター製品の品質確認に使われる。
レンチウイルス
関連度
ウイルスベクター製造最終製品
製造中間体や最終製品の無菌性確認に使われる。
mRNA-LNP
関連度
原薬LNP製剤充填後製品
無菌ろ過や充填後の品質確認に関係する。
細胞治療
関連度
CAR-TT細胞NK細胞MSC
原料細胞、中間体、最終製品の無菌性確認に使われる。
iPS細胞・幹細胞由来製品
関連度
細胞加工分化最終製品
細胞製品の安全性確認に使われる。
ワクチン
関連度
原液製剤最終製品
無菌性確認、出荷判定に使われる。
低分子注射剤
関連度
無菌製剤充填後製品
無菌医薬品の出荷判定に使われる。

メーカー製品

受託試験サービス9
Eurofins BioPharma Product TestingSterility / Microbiology Testingバイオ医薬品、医薬品、ATMP、細胞基材向けの無菌試験・微生物試験。GMP品質試験として利用される。公式URL Eurofins BioPharma Product Testing KyotoMicrobiology / Biosafety Testing国内拠点でのバイオ医薬品安全性評価。無菌試験、マイコプラズマ試験などと組み合わせて検討される。公式URL Charles River LaboratoriesSterility Testing Servicesバイオ医薬品、医薬品、医療機器などの無菌試験サービス。迅速無菌試験にも対応する。公式URL STERIS Applied Sterilization TechnologiesSterility Testing ServicesUSP/EPまたはISO 11737に基づく無菌試験サービス。メンブレンフィルター法、直接法などに対応。公式URL SGSSterility / Microbiology Testing医薬品、バイオ医薬品、医療機器向けの無菌試験・微生物試験サービス。公式URL Merck / BioRelianceBioReliance Contract Testing Servicesバイオセーフティ試験、無菌試験、微生物試験、分析開発などの受託試験サービス。公式URL WuXi AppTecMicrobiology / Biosafety Testingバイオ医薬品・細胞治療向けの微生物試験、品質試験サービス。公式URL Nelson LabsSterility Testing医薬品、医療機器、バイオ医薬品関連の無菌試験・微生物試験サービス。公式URL Pace Analytical Life SciencesSterility / Microbiology Testing医薬品・バイオ医薬品向けの微生物試験、無菌試験サービス。公式URL

関連製品

関連記事

セルバンクとは?抗体医薬の製造に使う細胞を保存・管理する工程基礎知識・培養セルバンクとは?抗体医薬の製造に使う細胞を保存・管理する工程エンドトキシンとは?バイオ医薬品における内毒素管理とLAL試験基礎知識・分析エンドトキシンとは?バイオ医薬品における内毒素管理とLAL試験mRNA-LNPの製造工程とは?IVTから脂質ナノ粒子・無菌充填まで基礎知識・製造工程mRNA-LNPの製造工程とは?IVTから脂質ナノ粒子・無菌充填までシードトレインとは?セルバンクから本培養へつなぐ段階的な培養工程基礎知識・培養シードトレインとは?セルバンクから本培養へつなぐ段階的な培養工程ウイルスクリアランスとは?抗体医薬の精製でウイルス安全性を示す試験基礎知識・精製ウイルスクリアランスとは?抗体医薬の精製でウイルス安全性を示す試験なぜモノクローナル抗体はCHO細胞で作るのか?高発現だけでは説明できない理由基礎知識・培養なぜモノクローナル抗体はCHO細胞で作るのか?高発現だけでは説明できない理由