品質特性・分析

フローサイトメトリーによる細胞特性解析とは?

フローサイトメトリーは、細胞を1個ずつ蛍光標識で測定し、表現型・純度・マーカー発現を評価する手法です。CAR発現率、細胞のサブセット純度、iPS/幹細胞の多能性・分化マーカーなど、細胞治療の特性解析の中心になります。

フロー特性解析が要る理由
細胞集団の不均一性を単一細胞で捉える
同一性・純度・効力に直結する指標を測れる
ゲーティング・パネル設計で結果が変わる
分類
品質特性(分析)
主な手法
多色フローサイトメトリー / 細胞内染色フロー / セルソーティング / スペクトルフローサイトメトリー(フルスペクトル・unmixing) / 定量フローサイトメトリー(MESF/ABC標準化) / イメージングフローサイトメトリー
代表的な基準法
多色フローサイトメトリーによる表面/細胞内マーカー定量(CAR発現率・サブセット純度・生細胞率を含む)
主な管理パラメータ
CAR検出試薬の選択:Protein L(汎用だがκ鎖等に非特異)/ 標的抗原-Fc融合(例 CD19-Fc)/ 抗イディオタイプ抗体(例 抗FMC63、CD19 CARで高特異・低バックグラウンド) / 補償/アンミキシング:single-stain補償ビーズ、スペクトル型はreference control(unstained+single-stain) / ゲーティング戦略とFMO(fluorescence-minus-one)コントロールによる陽性/陰性閾値設定 / 生細胞率の死細胞排除色素:7-AAD / PI / 固定可能Viability Dye、+ doublet除去(FSC-H/FSC-A) / 補正ビーズ・標準ビーズによる日常QC(例 BD CS&T、MESF/標準粒子でMFI管理) / 取得イベント数(希少集団・低発現の検出感度を担保する十分なイベント・LLOQ設定)
関連分析
VCNと併せた導入評価 / 残存未分化細胞の評価 / 効力(ポテンシー)試験 / ベクターコピー数(VCN) / 残存未分化細胞

手法の比較 ― どの方法で測るか

手法原理何が分かる使い分け
多色フローサイトメトリー表面マーカーを多色蛍光で同時測定表現型・純度・CAR発現率・CD73/90/105特性解析の主力
細胞内染色フロー固定・透過後に細胞内分子を染色多能性マーカー・分化マーカーiPS/分化細胞の評価
セルソーティング目的細胞を分取純化・単一集団化サブセット分離
スペクトルフローサイトメトリー(フルスペクトル・unmixing)各蛍光色素の全発光スペクトルを取得し、参照スペクトルでアンミキシングして30色超を同時解析高次元の表現型(多能性・分化・サブセット・活性化マーカーを一括)既存表の多色フローを高色数化。自家蛍光分離やCAR-T/iPS製品の網羅的特性解析に有用
定量フローサイトメトリー(MESF/ABC標準化)標準ビーズ(MESF・抗体結合能ABC)で蛍光を分子数換算し、機器/日間で比較可能な絶対値に標準化抗原発現量・CAR密度の定量化、機器間互換性%(陽性率)に加え発現量の絶対定量を補い、規格の機器間移管・経時管理を支える
イメージングフローサイトメトリーフロー測定に各細胞の明視野/蛍光画像を組合せ、局在・形態・共発現を1細胞単位で評価マーカー局在(核/膜/細胞質)、内在化、細胞-細胞結合の有無細胞内染色フローを画像情報で補強。doublet/凝集の判別やシナプス・局在確認に有用