Standard Process Map低分子医薬

化学合成原薬製造 基準工程マップ

この基準工程マップは、低分子原薬の化学合成と分析を、反応→後処理・晶析→精製→品質特性解析の工程順に整理しています。最適な手法は合成ルートや結晶多形などの条件で変わるため、各工程に代替・補完法も併記しています。

20工程4フェーズ

製法の条件で切り替える

◇の付いた5工程は、この条件で基準法が変わります。

全体像

工程名を押すと、その工程の説明へ移ります。工程を押すと、その場で詳しい説明が開きます。◇は条件で基準法が変わる工程です。

  1. 合成・反応3工程
    1. 01受入試験・原料同定(条件で分岐)
    2. 02インプロセスコントロール
    3. 03中間体の単離・IPC(条件で分岐)
  2. 後処理・晶析4工程
    1. 04抽出・分液・水洗
    2. 05脱色・清澄ろ過/カーボン処理
    3. 06晶析・多形コントロール(条件で分岐)
    4. 07ろ過・乾燥/ろ過乾燥機・ANFD
  3. 製剤・充填2工程
    1. 08微粉化/ジェットミル・ミリング
    2. 09最終ブレンド・均質化
  4. 品質特性・分析11工程
    1. 10構造確認/NMR・MS
    2. 11含量・類縁物質/HPLC定量
    3. 12ニトロソアミン超微量分析
    4. 13残留溶媒/ヘッドスペースGC
    5. 14元素不純物/ICP-MS(条件で分岐)
    6. 15キラル純度/キラルHPLC(条件で分岐)
    7. 16結晶多形/粉末X線回折・XRPD
    8. 17熱分析・水分/DSC・TGA・KF
    9. 18水分定量/カールフィッシャー
    10. 19粒度分布/レーザー回折
    11. 20微生物限度・エンドトキシン

製法の条件で切り替える

◇の付いた5工程は、この条件で基準法が変わります。

合成・反応(3工程)

工程1:受入試験・原料同定

◇ 分岐

出発物質の純度が全合成の質を決め、初段の不純物は後工程まで引きずる。

基準法FT-IR(赤外分光)による同定+HPLCによる純度確認

ラセミ合成+光学分割(ジアステレオマー塩晶析)では

分割剤が重要原料に追加

工程3:中間体の単離・IPC

◇ 分岐

多段合成では中間体を都度単離・規格適合させ不純物を持ち越さないため

基準法中間体の晶析・濾過による単離とインプロセスコントロール(HPLC/GCによる純度・含量・不純物確認)

ラセミ合成+光学分割(ジアステレオマー塩晶析)では

ラセミ中間体に分割剤を加えてジアステレオマー塩を形成し、溶解度差により目的塩を優先晶析・分別再結晶(必要に応じ複数回)して光学濃縮

後処理・晶析(4工程)

工程4:抽出・分液・水洗

塩・触媒・水溶性不純物を相分離で粗く除き、後段の晶析負荷を軽くする一次精製。

基準法液液抽出・分液・洗浄(水洗・酸/塩基洗浄)

工程6:晶析・多形コントロール

◇ 分岐

精製と固体形決定を同時に担い、多形・塩で溶解性・安定性・製造性が決まる最重要工程。

基準法制御晶析(冷却/貧溶媒/反応晶析)+シード添加・PAT監視

ラセミ合成+光学分割(ジアステレオマー塩晶析)では

多形・固体形の制御晶析に加え、ジアステレオマー塩の溶解度差を利用した分別再結晶を実施

製剤・充填(2工程)

工程8:微粉化/ジェットミル・ミリング

粒度が溶解性と製剤性に直結。低溶解性薬は微粉化で表面積を稼ぎ狙った分布に揃える。

基準法ジェットミル(気流式微粉砕)による微粉化

工程9:最終ブレンド・均質化

微粉化後の複数ロットを混合し含量・粒度均一な最終原薬バッチにするため

基準法ビン(コンテナ)ブレンダー/タンブルブレンダーによる最終原薬の均質化混合

品質特性・分析(11工程)

工程10:構造確認/NMR・MS

保持時間では構造を保証できず、分光・質量で目的分子であることを最終証明する。

基準法NMR(1H/13C、必要に応じ19F/31P)+質量分析による構造確認

工程14:元素不純物/ICP-MS

◇ 分岐

微量でも毒性となる金属触媒残渣を許容量内に管理し、除去十分性を最終確認する。

基準法ICP-MS(マイクロ波酸分解前処理)による元素定量

ラセミ合成+光学分割(ジアステレオマー塩晶析)では

貴金属触媒残渣の管理対象が外れる

工程15:キラル純度/キラルHPLC

◇ 分岐

望まない鏡像体は効果と安全性を変えるため、分離定量し不斉合成の成否を保証する。

基準法キラルHPLC(キラル固定相、CSP)による鏡像体分離・定量

ラセミ合成+光学分割(ジアステレオマー塩晶析)では

キラルHPLC(キラル固定相CSPによる鏡像体分離・ee定量)

工程16:結晶多形/粉末X線回折・XRPD

多形差で溶解性・安定性・吸収が変わるため、狙った多形での一貫製造をロットごと確認。

基準法粉末X線回折(XRPD)による多形同定

工程17:熱分析・水分/DSC・TGA・KF

熱挙動で多形安定性と水和・溶媒和を、水分量で安定性と含量計算への影響を把握する。

基準法DSC+TGA(熱分析)+カールフィッシャー滴定(水分)

工程18:水分定量/カールフィッシャー

原薬の含水率を規格管理し水和状態・吸湿性・安定性を担保するため

基準法電量滴定式カールフィッシャー法(微量水分の絶対定量、必要に応じ加熱気化オーブン併用)

工程19:粒度分布/レーザー回折

粒度ばらつきが溶解性・流動性・製剤均一性に効くため重要品質特性として管理する。

基準法レーザー回折法による粒度分布測定(Dv10/Dv50/Dv90)

公開情報にもとづく一般的な整理です。実際の構成は条件により異なります。

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