Standard Process Map低分子医薬

フロー合成製造 基準工程マップ

この基準工程マップは、低分子のフロー合成と分析を連続反応・インライン分析・後処理の順で整理しています。最適な手法は反応形式や滞留時間、PAT(工程分析技術)の作り込みで変わるため、各工程に代替・補完法も併記しています。

19工程5フェーズ

製法の条件で切り替える

◇の付いた5工程は、この条件で基準法が変わります。

全体像

工程名を押すと、その工程の説明へ移ります。工程を押すと、その場で詳しい説明が開きます。◇は条件で基準法が変わる工程です。

  1. 合成・反応4工程
    1. 01メイン反応・連続フロー反応(条件で分岐)
    2. 02連続水素化・気-液反応(条件で分岐)
    3. 03インラインPAT・反応モニタリング
    4. 04滞留時間分布/RTD評価
  2. 後処理・分離4工程
    1. 05インラインクエンチ・中和
    2. 06連続液-液抽出・相分離
    3. 07残留金属スカベンジング(条件で分岐)
    4. 08溶媒交換・濃縮
  3. 後処理・晶析1工程
    1. 09連続晶析
  4. 後処理・単離1工程
    1. 10固液分離・乾燥/単離
  5. 品質特性・分析9工程
    1. 11構造確認/同定
    2. 12含量・類縁物質試験
    3. 13キラル分離・光学純度試験(条件で分岐)
    4. 14変異原性不純物・ニトロソアミン管理
    5. 15残留溶媒試験
    6. 16多形・固体形態同定
    7. 17粒子径分布・PSD評価
    8. 18元素不純物分析(条件で分岐)
    9. 19水分・乾燥減量試験

製法の条件で切り替える

◇の付いた5工程は、この条件で基準法が変わります。

合成・反応(4工程)

工程1:メイン反応・連続フロー反応

◇ 分岐

細流路で混合と熱伝達を高め、発熱・高速反応の温度暴走を抑えつつラボ条件をそのまま量産へ移す工程。

基準法マイクロ/メソスケール連続フロー反応(プレート型フロー反応器による液-液反応)

バイオ触媒フロー(固定化酵素・充填層)では

水系緩衝液中の固定化酵素充填層(PBR)による連続バイオ変換(多くは補酵素・基質供給を伴う)

工程2:連続水素化・気-液反応

◇ 分岐

水素化など危険反応の系内滞留量を最小化し、発火性触媒を充填層に固定して安全に高温高圧化する工程。

基準法充填層(トリクルベッド)連続水素化

バイオ触媒フロー(固定化酵素・充填層)では

トリクルベッド接触水素化を廃し、固定化レダクターゼ/トランスアミナーゼによる連続酵素還元・還元的アミノ化で代替

工程3:インラインPAT・反応モニタリング

流れたまま赤外・ラマンで転化を監視し、ずれた瞬間に流速や温度を補正して作りながら品質保証する工程。

基準法インラインFTIR(ATRフローセル)による反応モニタリング

工程4:滞留時間分布/RTD評価

滞留時間分布で混合・逆混合・デッドボリュームを定量し、スケールアップと転化率予測の前提を得る工程。

基準法トレーサー注入による滞留時間分布測定(パルス/ステップ応答)

後処理・分離(4工程)

工程6:連続液-液抽出・相分離

膜の選択的濡れと差圧で乳化液も静置せず連続分離し、流れたまま洗浄・反応停止する相分離工程。

基準法メンブレン(膜)式連続液-液分離

工程7:残留金属スカベンジング

◇ 分岐

触媒由来の残留Pd等をICH Q3D元素不純物規格まで下げるため必須工程

基準法チオール/チオウレア官能基化シリカ充填カートリッジへの単流通スカベンジング

バイオ触媒フロー(固定化酵素・充填層)では

チオール系シリカでの金属スカベンジングに代えて、限外ろ過(UF)/吸着による残存タンパク質・酵素・補酵素の連続除去

工程8:溶媒交換・濃縮

薄膜蒸発で短時間低温に溶媒を入れ替え濃縮し、熱に弱いAPIを分解させず晶析適性を整える工程。

基準法連続薄膜蒸発による溶媒交換・濃縮

後処理・晶析(1工程)

後処理・単離(1工程)

工程10:固液分離・乾燥/単離

ろ過洗浄乾燥を連続で一貫処理し、母液不純物の除去と残留溶媒低減で純度と安全性を決める単離工程。

基準法連続ろ過・洗浄・乾燥(カルーセル型/連続フィルタードライヤ)

品質特性・分析(9工程)

工程11:構造確認/同定

NMRで原子連結性、HRMSで分子式を確定し、異性体取り違えを防いで目的APIを同定する規格試験。

基準法多核NMR(1H/13C、2D)+高分解能質量分析による構造確認

工程13:キラル分離・光学純度試験

◇ 分岐

キラルAPIで望まない鏡像体を規格内に管理するため放出試験に必須

基準法多糖系キラル固定相を用いた逆相/順相キラルHPLCによる鏡像体分離・定量

バイオ触媒フロー(固定化酵素・充填層)では

キラルHPLCは分割目的ではなく、酵素反応のee(多くは>99%)の確認・規格試験として実施

工程14:変異原性不純物・ニトロソアミン管理

変異原性不純物とニトロソアミンをTTC(1.5µg/日)以下にppb級質量分析で管理する規制最重点工程。

基準法LC-MS/MSまたはGC-MS/MSによる変異原性不純物の微量定量

工程15:残留溶媒試験

HS-GC-FIDで残留溶媒をクラス別許容限度内か定量し、毒性管理と乾燥工程の妥当性を裏付ける工程。

基準法ヘッドスペース-ガスクロマトグラフィ(HS-GC-FID)による残留溶媒試験

工程16:多形・固体形態同定

XRPDで多形・塩・水和物を指紋的に判定し、溶解性や安定性を左右する狙いの結晶形を確認する工程。

基準法X線粉末回折(XRPD)による多形・結晶化度の同定

工程17:粒子径分布・PSD評価

レーザー回折で粒子径分布を測り、溶解性・流動性・含量均一性を左右する晶析の粒度再現性を確認する工程。

基準法レーザー回折法による粒子径分布測定

工程18:元素不純物分析

◇ 分岐

ICP-MSでPd等の残留触媒・元素不純物をPDE基準の限度以下か高感度多元素同時定量する管理工程。

基準法ICP-MSによる元素不純物分析(ICH Q3D)

バイオ触媒フロー(固定化酵素・充填層)では

ICP-MS試験の主対象が、触媒金属(Pd/Rh/Fe等)から、ほぼ金属フリー経路の確認・酵素/緩衝液由来微量元素へ移行

公開情報にもとづく一般的な整理です。実際の構成は条件により異なります。

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