製品ガイド ・ 電荷・糖鎖

LC-MS(液体クロマトグラフ質量分析)

LC-MSは、液体クロマトグラフィーで分離した成分をエレクトロスプレーイオン化(ESI)で気相イオンに変え、質量分析計で質量電荷比(m/z)を測定する手法です。

主な用途
インタクト質量・ペプチドマッピング・糖鎖プロファイル・MAM
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LC-MS(液体クロマトグラフ質量分析)(掲載内容の修正)

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掲載メーカー5社Thermo Fisher Scientific・Waters・SCIEX ほか
掲載製品20製品4つの種類に分けて掲載
使う工程10工程特性解析(キャラクタリゼーション)・構造確認・同一性・糖鎖・電荷修飾の同定
関連モダリティ7種抗体医薬・二重特異性抗体・ADC

要点

メーカーと製品

5社・20製品
質量分析計(Q-TOF / Orbitrap)8製品
Thermo Fisher ScientificOrbitrap Exploris 240高分解能Orbitrap質量分析計。変性/nativeのインタクト解析、サブユニットのトップ/ミドルダウン、ペプチドマッピングに対応する。公式サイト
Thermo Fisher ScientificOrbitrap Exploris 480高感度・高分解能のOrbitrap質量分析計。ペプチドマッピングやHCPなど深い特性解析に使われる。公式サイト
WatersXevo G3 QTofベンチトップ型のQ-TOF質量分析計。バイオ医薬の特性解析や定量、抽出物・浸出物分析などに使われる。公式サイト
WatersSYNAPT XSイオンモビリティを備えた研究グレードのQ-TOF。高度な構造解析やMSイメージングに使われる。公式サイト
SCIEXZenoTOF 7600 SystemEAD(電子活性化解離)を備えたQ-TOFシステム。配列カバレッジの高いペプチドマッピングや修飾部位の同定に使われる。公式サイト
SCIEXX500B QTOF Systemバイオ医薬向けベンチトップQ-TOF。インタクト質量、サブユニット、ペプチドマッピング、MAMワークフローに対応する。公式サイト
Agilent6545XT AdvanceBio LC/Q-TOFバイオ医薬の特性解析向けQ-TOF。インタクト質量、サブユニット、ペプチドマッピング、糖鎖解析に使われる。公式サイト
BrukertimsTOFイオンモビリティ(TIMS)を備えたQ-TOF。HCP解析の感度向上やトップダウン・ボトムアップの特性解析に使われる。公式サイト
残りの12製品を見る
バイオ医薬向け統合システム4製品
WatersBioAccord LC-MS System(ACQUITY RDa)コンパクトなTOF検出器を組み込んだ統合LC-MSシステム。インタクト質量、ペプチドマッピング/MAM、遊離N型糖鎖、オリゴ核酸の確認に対応する。公式サイト
Thermo Fisher ScientificVanquish / Orbitrap 統合ワークフローVanquish UHPLCとOrbitrapを組み合わせたバイオ医薬特性解析の統合ワークフロー。公式サイト
Agilent1290 Infinity II + 6545XT AdvanceBio システム高性能UHPLCとQ-TOFを組み合わせたペプチドマッピング/特性解析向け統合システム。公式サイト
SCIEXIntact Protein / MAM ソリューションX500BやZenoTOFを中心に、インタクト解析やMAMワークフローを構成するソリューション。公式サイト
その他2製品
WatersXevo MRT(Multi-Reflecting TOF)スキャン速度に依存せず>200k FWHMの分解能を達成する多重反射TOF。SEC-native MSと組み合わせADCのnative DAR・薬物分布を高分解能で解析できる。公式サイト
WatersSELECT SERIES MRTESI源を備えた最高クラスの多重反射TOF(>200k FWHM @ m/z 785)。インタクト・nativeを含む高難度バイオ医薬の精密質量計測に用いる研究向けプラットフォーム。公式サイト
データ解析ソフト6製品
Thermo Fisher ScientificBioPharma Finderインタクト質量、ペプチドマッピング、トップダウン、オリゴ核酸解析に対応するバイオ医薬特性解析ソフトウェア。公式サイト
Waterswaters_connect / UNIFIBioAccordなどの取得・処理・レポートを担うプラットフォーム。相対量の自動算出やMAMワークフローに対応する。公式サイト
SCIEXBiologics Explorer SoftwareZenoTOF等のデータからインタクト・サブユニット・ペプチドの特性解析を行うソフトウェア。公式サイト
SCIEXBioPharmaView SoftwareX500BなどでMAMを含む品質特性の定義・追跡・定量を行うソフトウェア。公式サイト
AgilentMassHunter BioConfirmペプチドマッピング、インタクト質量、PTMやグリコフォームの相対量表示に使われる解析ソフトウェア。公式サイト
BrukerBioPharma Compassインタクト・ドメイン・ペプチドの各レベルでMAMやグリコフォーム・ヘテロジェネイティの評価を行うソフトウェア。公式サイト

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用途・特徴

タンパク質医薬では、インタクト質量、サブユニット質量、ペプチドマッピング、糖鎖プロファイル、翻訳後修飾(PTM)の同定、宿主細胞タンパク質(HCP)のMS定量などに使われ、近年はこれらを一つの試験法に統合するMulti-Attribute Method(MAM)の基盤にもなっています。

LC-MSは、LCで複雑な混合物を分離し、ESIでイオン化したうえで質量分析計に導入して、各成分の正確な質量を測定する手法です。タンパク質はESIで多価イオン(多数の電荷状態)として検出されるため、得られた多価スペクトルをデコンボリューションして、実際の分子量(中性質量)に変換します。これにより、抗体や組換えタンパク質のインタクト質量、軽鎖・重鎖・Fc/Fabなどのサブユニット質量を直接確認できます。

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酵素消化(トリプシンなど)で得たペプチドをLC-MS/MSで測定するペプチドマッピングでは、配列の確認に加え、酸化、脱アミド、C末端Lys、N末端ピログルタミン酸といったPTM、糖鎖修飾の部位と相対量を評価できます。糖鎖はPNGase Fで遊離させた後に標識してプロファイルを取得することも、ペプチド上のグリコフォームとして観察することもあります。これらの属性を一つのペプチドマッピング法でまとめて測定・定量し、新規ピークの検出(new peak detection)まで含めて工程管理に使う運用がMAMです。

宿主細胞タンパク質(HCP)の評価では、ELISAを補完する形で、LC-MS/MSによる個々のHCP種の同定と定量(スパイクド標準ペプチドなどを用いた絶対・相対定量)が行われます。装置はQ-TOFやOrbitrapなどの高分解能質量分析計が主流で、用途によっては単四重極の小型システムも使われます。

使用方法

基本的には、測定目的に合わせて試料を調製(脱糖・還元・酵素消化など)し、LCで分離、ESIでイオン化したうえでMSまたはMS/MSスペクトルを取得し、デコンボリューションや配列照合を経て同定・定量し、結果をレポートにまとめます。

1測定目的(インタクト/サブユニット/ペプチドマッピング/糖鎖/HCP)を決める
2試料を調製する(脱糖・還元・アルキル化・酵素消化・脱塩など)
3LC(逆相・HILIC・SEC等)で成分を分離する
4ESIで気相イオン(多価イオン)を生成する
5MSで質量電荷比(m/z)を測定する
6MS/MSでフラグメントを取得し配列・修飾部位を確認する
7多価スペクトルをデコンボリューションし分子量に変換する
8データベース照合・理論質量との比較で同定する
9ピーク面積などから修飾・不純物・HCPを定量する
10結果をレポートにまとめ申請・工程管理に利用する
実際の条件は、測定目的、質量分析計の種類(Q-TOF/Orbitrap/単四重極)、分解能・質量精度、LCモード、試料調製、解析ソフト・MAM対応、CSV/GMP対応、スループットによって変わります。試料調製で生じる人為的な修飾(脱アミドや酸化など)と本来の品質特性の区別には注意が必要です。

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掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)