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オリゴ核酸/siRNA 純度・組成分析

オリゴ核酸/siRNA 純度・組成分析は、合成・精製したオリゴ核酸の全長純度・不純物プロファイル・正確質量・修飾の組成を、IP-RP-HPLC、LC-MS、CEなどで評価する特性解析である。抗体や低分子と違い、n-1/n+1や脱保護不全、脱プリン、ホスホロチオエートのジアステレオマーといった配列固有の不純物を分離・同定する点が選定の核心で、モダリティごとに最適な手法・条件が大きく異なる。

IP-RP-HPLCLC-MS(正確質量)CE/CGEn-1/n+1・修飾不純物

用途・特徴

オリゴ核酸の純度・組成分析が他モダリティと根本的に異なるのは、不純物が「配列に固有」だからである。抗体の電荷異性体や凝集体、低分子の合成不純物とは違い、オリゴでは1塩基短い/長いn-1・n+1、キャッピング不全に由来する欠失体、脱プリン体、ホスホロチオエート(PS)骨格の多数のジアステレオマー、RNAなら2'脱保護不全などが主たる不純物になる。これらは質量差がわずかで高度に近縁なため、分離はイオンペア逆相(IP-RP)が第一選択になり、強塩基性条件や高温で配列差を出す条件設計が必要になる。タンパク質分析の常識(中性pH・SEC/IEX)はそのまま使えない。

選定軸は、(1)全長純度の定量に重きを置くか不純物の同定まで必要か、(2)分離手法(IP-RP-HPLC/UPLC・CE/CGE・AEX)、(3)質量分析の併用と分解能、(4)対象モダリティの修飾・骨格に整理できる。純度の日常QCはUV検出のIP-RP-HPLCやCGEで足りるが、不純物の構造帰属には正確質量のLC-MS(高分解能)が要る。PS骨格やLNA/2'-MOE、GalNAcコンジュゲートのような修飾が増えるほどイオンペア試薬・移動相・カラム温度の最適化が効き、汎用メソッドの流用は通用しない。

注意点として、IP-RP-MSではイオンペア試薬がイオン化を抑制し多価マイナスイオンを読むため、HFIP/DIPEAなど揮発性で低濃度の系を選ぶ。塩や金属の付加(Na/K アダクト)はPSオリゴで特に質量スペクトルを乱すため脱塩・キレートが重要。siRNAやmRNAではセンス/アンチセンス鎖やキャップ構造を別々に評価する設計が要る。誇張なく言えば、純度の「数値」は手法・検出・積分条件に依存するので、メソッドと判定基準をモダリティごとに固定して比較することが現場では不可欠である。

Point
  • n-1/n+1・欠失体・脱プリン体・PSジアステレオマーなど配列固有の不純物を分離する
  • 近縁不純物の分離にはイオンペア逆相(IP-RP)が第一選択で条件設計が要る
  • 全長純度の定量はUV検出のIP-RP-HPLC/UPLCやCGE、不純物同定は高分解能LC-MSで行う
  • IP-RP-MSではHFIP/DIPEAなど揮発性イオンペア試薬とデコンボリューションが前提
  • PS骨格やLNA/2'-MOE、GalNAcコンジュゲートでは移動相・カラム温度の最適化が効く
  • 純度値は手法・検出・積分条件依存のため判定基準をモダリティ別に固定する

使用方法

合成・精製後のオリゴを脱塩し、純度はIP-RP-HPLC/CGEで定量、不純物はLC-MSで帰属するのが基本フロー。修飾・骨格・モダリティで手法と条件を選ぶ。

1対象モダリティの修飾・骨格を確認し手法を選定
2粗/精製オリゴを脱塩・キレートしアダクトを抑制
3IP-RP-HPLC/UPLCまたはCGEで全長純度を定量
4高分解能LC-MSで正確質量と不純物を帰属
5n-1/n+1・欠失体・修飾不純物のプロファイルを評価
6判定基準と照合しロット間で純度・組成を比較
実際の条件は、配列・修飾(PS/2'-OMe/2'-F/LNA/MOE/GalNAc)・鎖長・検出方式(UV/MS)・イオンペア試薬・カラム温度・GMP/試験法バリデーションの有無で変わる。siRNAは二本鎖と各鎖、mRNAはキャップ・ポリA・全長性を別評価する設計が必要。

使用される工程

純度・組成分析は、合成直後の品質確認から精製後リリース、安定性・規格試験まで、開発から製造の各段で使われる。

合成後の純度・不純物QC

粗/精製オリゴの全長純度とn-1/n+1・欠失体をIP-RP-HPLCやCGEで日常的に確認する。

主な用途
  • 全長純度の定量
  • n-1/n+1の分離
  • 精製条件の最適化に反映

正確質量による同定

高分解能LC-MSで正確質量を取り、欠失体・付加体・修飾不純物を構造帰属する。

主な用途
  • デコンボリューション
  • アダクト管理
  • 修飾の確認

二本鎖・コンジュゲートの組成評価

siRNAのセンス/アンチセンス比やアニール率、GalNAc等コンジュゲートの組成を評価する。

主な用途
  • 鎖比・アニール率
  • コンジュゲート確認
  • 変性/非変性条件

GMP・規格試験での品質保証

リリース・安定性試験の純度規格に用い、メソッドと判定基準を固定して比較する。

主な用途
  • 試験法バリデーション
  • 規格・判定基準
  • ロット間再現性

使用されるモダリティー

核酸医薬(siRNA・ASO)で関連度が最も高く、mRNAやガイドRNAでも全長性・組成評価に使う。抗体や低分子では選定基準が全く異なるため、ほぼ別領域の手法になる。

siRNA
関連度
全長純度・各鎖純度PSジアステレオマー二本鎖アニール率
二本鎖と各鎖を別評価し、2'-OMe/2'-F・PS・GalNAcコンジュゲートの組成と不純物をIP-RP-MS/CEで解析する。
アンチセンス核酸(ASO)
関連度
全長純度欠失体・脱保護不全PS/LNA・2'-MOE修飾
PS骨格とLNA/2'-MOE修飾を含むため、近縁不純物の分離とMS帰属に最適化したIP-RP条件が要る。
CRISPRガイドRNA(sgRNA)
関連度中〜高
全長性2'脱保護不全末端修飾の確認
化学合成sgRNAでは全長純度と2'脱保護・末端修飾(2'-OMe/PS)をHPLC/MSで評価する。
mRNA(キャップ・ポリA含む)
関連度
IVT鋳型/プライマー純度合成オリゴ成分のQC
mRNA本体はLC/CEで別途評価するが、合成プライマーやキャップ関連オリゴの純度・組成確認に使う。
アプタマー
関連度
全長純度2'-F/2'-OMe修飾
2'修飾を多用するため、修飾組成と全長純度をIP-RP-HPLC/MSで確認する。
抗体・組換えタンパク質
関連度低〜中
対象外(選定基準が異なる)
電荷異性体・凝集・糖鎖が評価軸となり、SEC/IEX/ペプチドマッピングが主で、本カテゴリの手法はほぼ使われない。

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