製品ガイド ・ 電荷・糖鎖

HILIC(糖鎖プロファイル分析)

HILIC(Hydrophilic Interaction Chromatography、親水性相互作用クロマトグラフィー)は、抗体や糖タンパク質からPNGase Fで遊離させ蛍光標識したN型グリカンを、アミドカラムで親水性に応じて分離する糖鎖プロファイル分析です。

主な用途
N型グリカン・G0F/G1F/G2F・2-AB/RapiFluor-MS・相対%プロファイル
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HILIC(糖鎖プロファイル分析)(掲載内容の修正)

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掲載メーカー5社Waters・Agilent・Thermo Fisher Scientific ほか
掲載製品14製品3つの種類に分けて掲載
使う工程8工程特性解析(グリカンマッピング)・原薬リリース試験・工程開発・条件最適化
関連モダリティ5種抗体医薬・二重特異性抗体・Fc融合・組換えタンパク質

要点

メーカーと製品

5社・14製品
HILICアミドカラム5製品
WatersACQUITY Premier Glycan BEH Amide Column放出・蛍光標識N型グリカンのHILIC分離用アミドカラム。2-AB/2-AA/RapiFluor-MS標識糖鎖の高分離プロファイルに使われる。公式サイト
AgilentAdvanceBio Glycan Mapping ColumnHILICによる糖鎖マッピング用カラム。2.7µm(低圧・高分解能)と1.8µm(最高分解能)があり、FLR/MS検出に対応する。公式サイト
Thermo Fisher ScientificAccucore 150-Amide-HILIC HPLC Columnコアシェル粒子のアミドHILICカラム。親水性生体分子・標識N型グリカンのHILIC分離に使われる。公式サイト
Thermo Fisher ScientificGlycanPac AXH-1 ColumnWAX/HILIC混合モードのシリカ系カラム。荷電・中性グリカンを電荷・サイズ・極性で同時分離する。公式サイト
Tosoh BioscienceTSKgel Amide-80カルバモイル基結合シリカのHILIC標準カラム。還元糖と反応しにくく、グリカンのHILIC/HILIC-MS分離に広く使われる。公式サイト
前処理・標識キット(PNGase F遊離・蛍光標識)5製品
WatersGlycoWorks RapiFluor-MS N-Glycan Kit脱グリコシル化・RapiFluor-MS標識・クリーンアップを統合したN型グリカン前処理キット。迅速かつ高いMS感度を得る。公式サイト
AgilentAdvanceBio Gly-X N-Glycan Prep(InstantPC/2-AB)遊離〜標識を1時間以内で行うN型グリカン前処理キット。InstantPC・2-AB・APTSなど複数色素に対応する。公式サイト
Thermo Fisher ScientificGlycanAssure 標識・分析ワークフローN型グリカンの遊離・蛍光標識から分析までを支援するキット・試薬群。FLR/MS/CEのワークフローに対応する。公式サイト
残りの6製品を見る
LudgerLudgerTag 2-AB Glycan Labelling Kit還元アミノ化による2-AB蛍光標識キット。PNGase F遊離・クリーンアップを含むバンドル構成も提供する。公式サイト
LudgerN-Glycan Release & Labelling ModulePNGase F遊離・標識・クリーンアップをまとめたN型グリカン分析ワークフロー用モジュール。公式サイト
標準品・GU校正・解析4製品
Ludger2-AB標識グリカン標準(NA2/A2等)NA2(A2G2)やA2(A2G2S2)などの2-AB標識グリカン標準。ピーク帰属やシステム適合性に使われる。公式サイト
WatersGlycan Performance Test Standard(デキストラン等)GU値校正用のデキストランラダーなど、HILIC糖鎖分析のシステム適合性・帰属に使う標準。公式サイト
AgilentAdvanceBio グリカン分析ソフトウェア・標準GU値ベースのピーク帰属やグリカンライブラリ照合を支援する解析ソフト・標準品群。公式サイト
Thermo Fisher ScientificChromeleon CDS(糖鎖データ解析)クロマトデータシステム。HILIC糖鎖クロマトのピーク積分・相対%算出・GU校正・電子記録管理に使われる。公式サイト

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用途・特徴

2-ABやRapiFluor-MSで標識し、蛍光(FLR)またはMSで検出して、G0F・G1F・G2F・高マンノース(Man5など)・シアリル種・アフコシル化体などの相対%を求めます。グリコフォームの分布は抗体のADCC活性や半減期、安定性に関わるため、特性解析・工程開発・ロット一貫性評価・比較性の重要品質特性(CQA)として運用します。

HILICは、移動相中の有機溶媒(主にアセトニトリル)の比率を高くした条件で、固定相表面の水和層と糖鎖の親水性基との相互作用を利用して保持・分離するモードです。糖鎖は親水性が高いほど強く保持されるため、シアル酸やガラクトース、マンノースの数が多い構造ほど遅く溶出し、おおむね糖の数や極性の順にピークが並びます。固定相にはアミド系(amide/glycan BEH amideなど)のカラムが広く使われ、検出はFLR(蛍光)またはMSで行います。

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分析の前処理として、まずPNGase FでN型グリカンをタンパク質骨格から酵素的に遊離し、還元末端を蛍光標識します。標識試薬は古くから使われる2-AB(2-aminobenzamide、還元アミノ化)と、より迅速でMS感度の高いRapiFluor-MSやInstantPCなどがあり、目的(FLRのみか、FLR-MSでの構造同定も行うか)に応じて選びます。標識後はクリーンアップで余剰試薬を除き、HILICアミドカラムに注入してグラジエント溶出します。

得られたクロマトグラムの各ピークを積分し、主要グリコフォーム(G0F・G1F・G2F・高マンノース・シアリル種・アフコシル化体など)の相対面積%を算出します。FLRは定量性・再現性に優れ規格試験に向き、MSはグルコースユニット(GU値)と併せた構造同定に役立ちます。インタクト/サブユニットLC-MSが分子全体のグリコフォーム分布を見るのに対し、HILIC(放出糖鎖)は個々のグリカン構造を高分離で定量する相補的な手法で、エキソグリコシダーゼ消化と組み合わせれば構造帰属の確度を上げられます。

使用方法

試料からN型グリカンを酵素遊離し、蛍光標識・クリーンアップを経てHILICアミドカラムでグラジエント分離し、FLR/MSで検出してピークを積分します。

1試料を変性・還元し、PNGase FでN型グリカンを遊離する
2遊離グリカンを回収し、塩・タンパク質を除去する
32-ABまたはRapiFluor-MS/InstantPCで還元末端を蛍光標識する
4クリーンアップ(HILIC-SPE等)で余剰標識試薬を除く
5HILICアミドカラムに注入し、アセトニトリル系で平衡化する
6有機溶媒比を下げる逆グラジエントで親水性順に溶出する
7FLR(蛍光)またはMSでクロマトグラムを取得する
8デキストラン標準でGU値に校正し、ピークを帰属する
9各ピークを積分し、主要グリコフォームの相対%を算出する
10システム適合性を確認し、規格・基準と照合して判定する
実際の条件は、対象分子、標識試薬(2-AB/RapiFluor-MS/InstantPC等)、アミドカラムの粒子径・形状、移動相(ギ酸アンモニウム濃度・pH・アセトニトリル比)、グラジエント、カラム温度、検出方式(FLR/MS)、GU校正・標準品、解析ソフト、試験法バリデーションの有無によって変わります。シアリル種は調製・保管中の脱シアリル化に注意が必要です。

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掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)