分析機器を手がける Waters が、質量分析の新システム3機種を第74回米国質量分析学会(ASMS 2026)で発表しました。報道によると2026年6月末に公表されたもので、抗体・タンパク質から遺伝子医薬まで、大型で不均一なモダリティの解析を狙ったラインアップとされています。
3機種の位置づけ
公式・報道情報によると、3機種はそれぞれ役割が分かれています。
- Xevo MRT P10:ベンチトップ型の高分解能Q-TOFで、プロテオミクス・リピドミクス・メタボロミクスなどの多オミクス探索を高スループットに担う機種です。
- Cyclic IMS P20:多重通過のイオンモビリティを用い、分子を形状で分離してタンパク質のフォールディングや会合状態を解析する構造解析向けの機種です。
- Xevo CDMS:電荷検出質量分析(charge-detection MS)により、無傷のウイルスベクターや巨大なタンパク質複合体といった超高分子量の対象を扱う機種です。
遺伝子医薬・大型モダリティへの適用
Waters の説明では、Xevo CDMS は従来の質量分析では分離が難しかった無傷のウイルスベクターや巨大複合体を、一晩の測定ではなく約10分で特性解析できるとされています。これは、AAVなどの遺伝子医薬や大型タンパク質の評価を想定したものです。3機種は「多オミクス探索 → 構造解析 → メガダルトン級の解析」という流れでつながるワークフローとして位置づけられています。
位置づけ
抗体・ADCに加えて、遺伝子・核酸・細胞といった大型で構造が複雑なモダリティが増えるなかで、質量分析には「無傷のまま重さと構造を測る」能力が求められる場面が増えています。今回のラインアップは、探索から構造・超高分子量の解析までを段階的にカバーし、複雑化するモダリティの特性解析に対応することを狙ったものといえます。
※ 本ページはメーカー公式・報道情報をもとにした紹介です。仕様・性能・適用範囲の詳細は公式情報をご確認ください。