分析機器の Agilent(アジレント) が、医薬品の品質管理(QC)現場向けに、「複数品質特性一括測定法(MAM/Multi-Attribute Method)」のソリューション を発表しました(2026年5月26日)。電気泳動やHPLCなど複数の従来試験で別々に測っていた品質の指標を、液体クロマトグラフ高分解能質量分析(LC/HRMS)の1手法にまとめて監視する ための、ソフト・装置・カラム・消耗品・標準品を一体化したパッケージだと メーカーは説明しています。第74回米国質量分析学会(ASMS 2026、サンディエゴ、5月31日〜6月4日)で展示されます。
「1手法でまとめて測る」を規制QCに持ち込む
MAMは、抗体の電荷の違いや糖鎖、酸化、凝集体といった重要品質特性(CQA)を、ペプチドに切り分けた質量分析で一括して見る手法です。ねらいは分かりやすい一方、データの完全性やバリデーション、バッチ出荷判定まで含めると規制下のQCに載せる壁が高い、というのがこれまでの実情でした。今回のソリューションは、その「運用上の壁」をパッケージ化で下げにいく位置づけだとメーカーは謳います。遺伝子治療や抗体薬物複合体(ADC)のように構造が複雑な医薬品ほど、測る項目が増えるため効きやすい構成です。
既存のデータ環境に乗せ、開発から製造へ橋渡し
特徴として挙げられているのが、既存のOpenLab CDS(クロマト/MSのデータ管理環境)にそのまま組み込める 点です。研究開発で確立したメソッドを、同じ環境のまま製造のQCへ移管しやすくし、教育の負荷やデータの取り回しを減らせるとしています(いずれもメーカー主張)。質量分析は宿主細胞タンパク質(HCP)のLC-MSのように、バイオ医薬の工程由来不純物の管理でも比重を増しており、LC-MSを核にした品質試験の生産性に直結するテーマです。