品質特性・分析

凝集体とは?

凝集体は、抗体分子が会合して生じる高分子量の製品由来不純物です。免疫原性や安定性のリスク指標となり、可溶性凝集体はSEC-HPLCやSEC-MALS、サブビジブル粒子はMFIや光遮蔽法(LO)など、サイズ域ごとに分析法を使い分けて評価します。

凝集体を見る理由
免疫原性リスクの指標になりうる
低pH・濃縮・界面などの工程ストレスを反映する
サイズ域ごとに適した分析法が異なる
分類
品質特性(分析)
主な手法
SEC-HPLC / CE-SDS(非還元) / DLS / AUC(沈降速度) / SEC-MALS(多角度光散乱検出SEC) / 光遮蔽法(LO, USP〈788〉/〈787〉) / フローイメージング顕微鏡(FIM/MFI)
代表的な基準法
SEC-HPLC(サイズ排除クロマトグラフィー)を主軸とし、サブビジブル域は光遮蔽法(LO, USP〈788〉/〈787〉)で補完
主な管理パラメータ
SEC移動相: リン酸ナトリウム/カリウム緩衝液(例 0.1〜0.2M リン酸塩, pH 6.7〜7.0)+ 塩(NaCl/KCl 0.1〜0.4M)でイオン強度調整→カラム表面との二次相互作用を抑制 / SEC流速・温度: 0.3〜1.0 mL/min(カラム内径依存)、カラム温度を一定管理(通常室温〜30℃)、注入量・ロード質量を一定化(過負荷で見かけのHMW増加) / 検出: UV 280nm主検出。低濃度HMWの定量には注入質量と希釈条件を固定。MALS併用時はdn/dc値を設定 / SEC系統適合性: 分解能(monomer/dimerのRs)、理論段数、ピーク対称性、標準品(既知凝集体/分子量マーカー)での再現性、検出限界・定量限界 / LO(光遮蔽): 測定容量、サンプル脱気/泡対策、希釈倍率、ブランク粒子数、≥10µm/≥25µmカウントのチャネル設定 / FIM/MFI: 流路サイズ、サンプリング効率、フローセル光路長、しきい値(ECD径)、シリコンオイル液滴・気泡とタンパク粒子の形態分別アルゴリズム
関連分析
純度評価の一部として / 力価低下との関係 / 電荷異性体との並行評価 / 純度 / 電荷異性体

手法の比較 ― どの方法で測るか

手法原理何が分かる使い分け
SEC-HPLCサイズ排除で可溶性凝集体を分離高分子量体(HMW)の相対%可溶性凝集体の主力
CE-SDS(非還元)SDS下でサイズ分離共有結合性のHMWSECの別の方法での確認
DLS動的光散乱で粒子径分布凝集の早期検出・粒子径スクリーニング・製剤検討
AUC(沈降速度)超遠心で希釈非依存に分離凝集体の絶対量・会合状態希釈非依存の別の方法
SEC-MALS(多角度光散乱検出SEC)SEC分離後にMALS+dRI/UVで各溶出画分の絶対分子量を直接測定。溶出位置から分子量を推定するSEC単独と異なり、カラム較正に依存しない凝集体(二量体/三量体/HMW)の絶対分子量と化学量論、コンフォメーション変化、カラム相互作用による誤差の検出既存表のSEC-HPLCを補完する別の方法での確認法。リリース法ではなく特性解析/メソッド検証で凝集体の同定に用いる
光遮蔽法(LO, USP〈788〉/〈787〉)レーザー光路を粒子が遮る影の大きさから粒径と数を計数。サブビジブル域(≥10/≥25µm)の規制リリース試験注射剤中のサブビジブル粒子数(≥10µm, ≥25µm)。SECが検出できないµm域の不溶性凝集体・粒子SECの分離域上限を超えるサイズ域をカバー。規制要求のあるリリース試験で必須
フローイメージング顕微鏡(FIM/MFI)マイクロ流路を通る粒子を連続撮像し、サイズ・数・形態を画像で取得。半透明タンパク粒子もLOより高感度に検出1〜100µmの粒子計数と形態分類(タンパク凝集体 vs シリコン液滴/気泡)。2〜10µm域の免疫原性リスク指標LOの屈折率による計数漏れを補い、粒子の起源識別を可能にする。〈787〉が併用を推奨
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