純度とは?抗体医薬における凝集体・断片の評価とSEC / CE-SDS分析
抗体医薬の純度は、塊(凝集体)とかけら(断片)がどれだけ混じっているかを示す数字です。
純度とは、目的抗体がモノマーとしてどれだけ存在し、凝集体や断片などの製品由来不純物がどれだけ含まれるかを見る分析です。
SEC-HPLCを中心に、CE-SDSなどを組み合わせ、サイズや分子量の観点から抗体の分子状態を評価します。
| 手法 | 原理 | 何が分かる | 使い分け |
|---|---|---|---|
| SEC-HPLC | サイズ排除でモノマー/凝集体/断片を分離 | HMW・モノマー・LMWの相対% | 純度の主力(ルーチン) |
| CE-SDS | SDS存在下でサイズ分離(電気泳動) | 主ピーク純度・断片(還元/非還元) | サイズ純度の別の方法での確認 |
| DLS | 動的光散乱で粒子径分布 | 凝集の早期検出・粒子径 | スクリーニング |
| AUC(沈降速度) | 超遠心で希釈非依存に分離 | 凝集体の絶対量(別の方法) | SECの別の方法での確認 |
| SEC-MALS(SEC+多角度光散乱) | SEC分離した各ピークの光散乱強度から絶対分子量を実測(カラム校正非依存) | モノマー/二量体/多量体・断片の絶対分子量と凝集体% | SEC-HPLCの別の方法での確認・分子量帰属(特性解析〜開発) |
原薬・製剤のモノマー純度(凝集体HMW/断片LMWの相対%)を求めるルーチンの主力基準法。USP <129>に分析手順とシステム適合性が規定され、再現性が高くロット出荷・安定性試験に広く用いられる。UPLC化(サブ2μm)で分解能とスループットも向上している。
典型的にモノマー(主ピーク)純度はSEC-HPLCで≥95〜99%、HMW(凝集体)は数%以下を規格化(製品・開発段階で個別設定)。CE-SDS非還元の主ピーク純度・還元のHC+LC合算%も併せて規格化する。許容基準そのものはICH Q6Bに従い製品ごとに開発データと臨床ロット実績から設定し、分析手順はUSP <129>/Ph.Eur.に準拠してバリデーション(ICH Q2(R2))する。安定性での増加許容はICH Q5C/Q1Aの枠組みで管理。固定の業界一律閾値は存在しない点に注意。
SEC-HPLCのサイズ純度は、原理の異なる手法で別の方法での確認するのが基準法水準。(1) AUC沈降速度法:希釈・固定相非依存に凝集体の絶対量を確認しSECの過小/過大評価を検証。(2) SEC-MALS:カラム校正に依らず各ピークの絶対分子量を実測し、モノマー/二量体/多量体や断片を分子量レベルで帰属。(3) CE-SDS(還元/非還元):SDS下のサイズ分離で断片・サブユニット・非グリコシル化体を補完。(4) DLS:凝集の早期スクリーニング。これらでHMWの量と本体を相互に裏取りする。