純度・凝集体

SEC-HPLC(サイズ排除クロマトグラフィー)

SEC-HPLCは、分子の流体力学的サイズの違いで分離するサイズ排除クロマトグラフィーをHPLC/UPLCで行う分析手法です。抗体などの凝集体(HMW)、モノマー、断片(LMW)を保持時間で分け、UV検出のピーク面積から各成分の比率を算出します。原薬・製剤の純度評価や安定性試験の代表的な指標として、QC試験や工程開発で広く使われています。

凝集体(HMW)評価純度・モノマー含量保持時間・分離度安定性試験
分類
純度・凝集体
主な用途
凝集体(HMW)評価 / 純度・モノマー含量 / 保持時間・分離度 / 安定性試験
関連モダリティ
抗体医薬 / 二重特異性抗体 / ADC / Fc融合・組換えタンパク質 / ワクチン / mRNA-LNP
代表メーカー
Agilent・Waters・Tosoh Bioscience・Thermo Fisher Scientific ほか計9社
関連キーワード
凝集体分析 / 純度分析 / モノマー含量 / AUC / SEC-MALS / CE-SDS

用途・特徴

SEC-HPLCは、孔径が制御された多孔質粒子を充填したカラムに移動相を流し、分子を大きさの順に分離する手法です。大きい分子ほど粒子内部の孔に入りにくく早く溶出し、小さい分子ほど遅れて溶出します。これにより、凝集体(HMW)、モノマー、断片(LMW)を一度の測定で分けて確認できます。

検出は主にUV(280nm付近)で行い、得られたクロマトグラムのピークを積分して各成分の面積%を求めます。等張に近い塩濃度の移動相を一定流速で送液する分離モードのため、勾配をかけるイオン交換などと比べて操作はシンプルで、ランごとの再現性を取りやすいのが特徴です。

近年はBEH系などの小粒子カラムをUPLC装置で使う高速・高分離度の構成が増えており、絶対分子量を求めたい場合はMALS検出器を連結したSEC-MALSへ拡張できます。手法・カラム・装置・データ解析ソフトを組み合わせた製品群として運用されます。

Point
  • 凝集体(HMW)・モノマー・断片(LMW)をサイズで分けて定量できる
  • ピーク面積からモノマー含量や凝集体%を算出する
  • 安定性試験で凝集・断片化の経時変化を追跡しやすい
  • 等濃度溶離(アイソクラティック)で操作・再現性を取りやすい
  • 保持時間・分離度・理論段数などでシステム適合性を確認する
  • UV検出が基本で、絶対分子量はMALS連結(SEC-MALS)で補える
  • 移動相の塩濃度やpHで非特異吸着・分離挙動が変わる
  • 希釈や移動相条件で可逆的な凝集解離が起こる場合がある

使用方法

基本的には、目的に合うSECカラムと移動相を選び、システムを平衡化・適合性確認したうえでサンプルを注入し、クロマトグラムからHMW/モノマー/LMWを積分して比率を算出します。

1カラム孔径・粒子径と移動相を選定する
2移動相でカラムを平衡化する
3標準品でシステム適合性を確認する
4サンプルを規定濃度・量で注入する
5一定流速でクロマトグラムを取得する
6保持時間でHMW/モノマー/LMWを帰属する
7各ピークを積分する
8面積%(モノマー含量・凝集体%)を算出する
9判定基準と照合し合否を判断する
10カラム洗浄・保管と記録を行う
実際の条件は、対象分子のサイズ、カラムの孔径・粒子径、移動相のpH・塩濃度、流速、注入量・濃度、検出波長、装置の流路材質(非特異吸着)によって変わります。可逆的な凝集解離や非特異吸着が疑われる場合は、移動相条件や注入量を振って確認します。

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)