掲載メーカー10社Cytiva・Tosoh Bioscience・Bio-Rad ほか
掲載製品21製品3つの種類に分けて掲載
使う工程10工程ポリッシュ精製・電荷異性体管理・凝集体除去
関連モダリティ7種抗体医薬・二重特異性抗体・ADC
要点
- 負電荷の官能基で正電荷タンパク質を結合する担体
- 強CEX(SO3-)は堅牢、弱CEX(カルボキシ)は選択性を狙える
- Protein A後段のポリッシュで凝集体・電荷異性体を分離する
- HCP・残存Protein A・DNAの低減に寄与する
メーカーと製品
10社・21製品メーカー製品特徴問い合わせ
プロセス用CEXレジン(強CEX:SO3-)9製品
CytivaCapto S ImpAct高DBCと凝集体除去を両立する強CEX。50µmアガロース基材+グラフトリガンドで抗体ポリッシュに使われる。公式サイト CytivaCapto SP ImpRes高分離向けの強CEX。電荷バリアントや近接成分の分離を狙うポリッシュで使われる。公式サイト CytivaSP Sepharose Fast Flow架橋6%アガロース+スルホプロピル基の高流量強CEX。実績豊富でCIP・サニタイズ手順が確立。公式サイト CytivaSOURCE 15Sポリスチレン/ジビニルベンゼン系の高分離強CEX。微量成分の高分離分取・分析に使われる。公式サイト Tosoh BioscienceTOYOPEARL GigaCap S-650高容量・高耐圧の強CEX。35〜75µmのグレードでIgGやmAbのポリッシュに使われる。公式サイト Tosoh BioscienceTOYOPEARL SP-650ポリメタクリレート基材のスルホプロピル強CEX。複数粒子径で容量と分離のバランスを選べる。公式サイト Bio-RadNuvia HR-S小粒子・高速物質移動の高分離強CEX。電荷バリアントなど近接成分の分離に向く。公式サイト Bio-RadNuvia SUNOsphere基材の超高容量強CEX。捕捉・ポリッシュの両方で使われる。公式サイト 残りの13製品を見る
三菱ケミカルDIAION(陽イオン交換樹脂)1946年から工業生産する国産イオン交換樹脂ダイヤイオンの陽イオン交換タイプ。医薬・食品の精製から超純水製造まで幅広く使われ、バイオ医薬精製向けの分離剤もそろえる。公式サイト プロセス用CEXレジン(高流量・テンタクル型)6製品
Bio-RadUNOsphere S親水性ポリマー基材の強CEX。高容量・低背圧で生産性を重視する用途に使われる。公式サイト Merck / MilliporeSigmaEshmuno CPXテンタクル構造の強CEX。bind/eluteでmAb凝集体の低減に設計された担体。公式サイト Merck / MilliporeSigmaFractogel EMD SO3-ポリメタクリレート+テンタクル技術の強CEX。塩基性・中性タンパク質や抗体精製、ウイルスクリアランスに使われる。公式サイト Purolite / EcolabPraesto SP (SP45 / SP65 / SP90)高架橋アガロースの強CEX。粒子径グレードでmAbや組換えタンパク質のポリッシュに使われる。公式サイト SartoriusCIEX Chromatography Resins / Membranes陽イオン交換のレジン・メンブレン製品群。捕捉・ポリッシュ用途で選定候補になる。公式サイト Cytiva / PallCMM HyperCel / S HyperCel高容量の陽イオン交換ソルベント担体。mAbや組換えタンパク質のポリッシュ候補。公式サイト プレパックカラム・スケールアップ・分析6製品
CytivaHiScreen / HiTrap / PreDictorCEX担体のプレパックカラムや96ウェルプレート。条件スクリーニングやスケールアップ検討に使われる。公式サイト CytivaÄKTA Chromatography Systemsラボ〜パイロットのクロマトグラフィーシステム。CEXの平衡化・溶出・グラジエント運転に使われる。公式サイト RepligenOPUS Pre-packed Columnsカスタムプレパックカラム。CEX含む各種レジンを充填し、開発〜GMPで使われる。公式サイト Tosoh BioscienceTOYOPEARL Process Columns / Bulk Mediaプロセススケールの充填・バルク担体供給。スケールアップ時の選定候補。公式サイト Bio-RadForesight / RoboColumn Prepacked Columns小型プレパックカラム。Nuvia/UNOsphere系のCEX条件スクリーニングに使われる。公式サイト Agilent / Thermo Fisher ScientificAnalytical IEX Columns (charge variant)電荷バリアント分析用の分析CEXカラム。工程の品質確認・CQA評価に使われる。公式サイト 詳しく見る
用途・特徴
抗体精製では、Protein Aの後段ポリッシュとして、電荷異性体・凝集体・HCP・残存Protein A・DNAなどの不純物を分離するために広く使われます。塩濃度やpHのグラジエントで目的物を溶出し、純度を仕上げる工程の中心部材です。
CEXは、目的タンパク質の等電点(pI)より低いpHで運転し、正電荷を帯びたタンパク質を負電荷の官能基へ結合させて使います。多くの抗体精製では、Protein A捕捉の後段ポリッシュとして、塩・pHグラジエント溶出で凝集体や電荷異性体を分離し、HCPや残存Protein A、DNAを低減します。bind/elute(結合溶出)が基本ですが、条件によってはフロースルーで不純物だけを吸着させる使い方もあります。
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強CEX(SO3-)は広いpH域でイオン化が安定し、堅牢な運転に向きます。弱CEX(カルボキシ)はpHでの荷電変化を利用した選択性が得られる一方、pH管理がより重要になります。担体性能は官能基だけでなく、ベースマトリックス(アガロース、ポリメタクリレートなど)、粒子径、細孔構造、グラフト(テンタクル)型リガンドの有無によって、動的結合容量(DBC)と分離能、圧力特性が変わります。
工程設計では、DBCと選択性に加えて、1mol/L NaOHでのCIP(アルカリ耐性)、圧力-流速特性、寿命(再使用サイクル数)、プレパックカラムやシングルユース展開の可否、供給安定性とセカンドソースを合わせて確認します。
基本的には、目的タンパク質のpIより低いpH・低導電率の条件でレジンへ結合させ、塩またはpHのグラジエントで溶出します。
3目的物をロードして官能基へ結合させる(bind/elute) 91mol/L NaOHなどでCIP・サニタイズする 実際の運転条件は、目的タンパク質のpI、ロード液の純度・導電率、官能基(強/弱)、担体のDBCと粒子径、溶出方式(塩/pHグラジエント)、スケール、GMP要件によって変わります。
CEX(bind/elute)と AEX(フロースルー)の違い
CEXとAEX(陰イオン交換)はどちらもイオン交換ですが、結合する電荷と典型的な運転モード、得意な不純物が異なります。
結論抗体の二段ポリッシュでは、CEX(bind/elute)で凝集体や電荷異性体を分離し、AEX(フロースルー)でDNA・HCP・ウイルスを除去する組み合わせが一般的です。順序や採用段数は、不純物プロファイルと目的物のpIに応じて設計します。
AEX(陰イオン交換)CEX(陽イオン交換)
得意な不純物
凝集体、電荷異性体、塩基性HCP、残存Protein A
CEXレジンの選定軸
官能基(強/弱)強CEX(SO3-)は広pHで堅牢、弱CEX(カルボキシ)はpH選択性。目的物のpIと不純物に合わせる
動的結合容量(DBC)運転流速での mg/mL を確認し、サイクル容量・ロード時間を設計する
粒子径・圧力粒子径(例:高分離35〜50µm、高流量80µm前後)と圧力-流速特性のバランスを見る
アルカリ耐性(CIP)1mol/L NaOHでのCIP可否と、繰り返し後の容量・性能の安定性
選択性・分離能凝集体・電荷異性体の分離能。グラフト(テンタクル)型かどうかも関係する
ベースマトリックスアガロース、ポリメタクリレート、合成ポリマーなどの種類と機械的強度
細孔構造対象分子量に対する細孔の適合(大きい分子ほど細孔の影響が出る)
塩濃度・導電率耐性ロード液の導電率と結合の関係、希釈やバッファー交換の要否
回収率・タンパク吸着溶出回収率、非特異吸着、テーリングの有無
寿命(再使用回数)CIP/サニタイズ後の使用可能サイクル数とランニングコスト
プレパック有無プレパックカラムやシングルユースカラムの提供有無
スケール展開ラボ→プロセススケールへ同一担体で展開できるか
供給・規制対応CoA、規制文書、E&L、変更管理、リードタイム、セカンドソース
ポリッシュでのCEXの使い方(bind/elute と flow-through)
| 運転モード | 考え方 | 向く場面 |
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| bind/elute(結合溶出) | 目的物を結合させ、塩・pHグラジエントで溶出して不純物と分離する | 凝集体・電荷異性体の分離、純度の仕上げ |
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| フロースルー | 目的物は素通りさせ、不純物だけを吸着させる | 塩基性不純物やHCPの一部を除去したい場合 |
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| ウィークパーティショニング | 弱く結合する条件で不純物を選択的に保持し、目的物の大半は通過させる | 回収率を保ちつつ不純物を低減したい場合 |
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| ステップ溶出 | 段階的に塩濃度を上げて目的物をまとめて溶出する | ロバストな生産運転、工程の簡略化 |
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| グラジエント溶出 | 塩またはpHを連続的に変化させて高分離で溶出する | 電荷異性体など近接成分の分離、開発・分析 |
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| 不純物 | CEXでの挙動 | 備考 |
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| 凝集体(HMW) | モノマーと結合・溶出挙動が異なり分離できる | bind/eluteのグラジエント溶出で分ける |
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| 電荷異性体(酸性・塩基性体) | 電荷差を利用して分離する | 弱CEXやpHグラジエントで分離能を高めやすい |
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| HCP(宿主細胞タンパク質) | 塩基性HCPなどを結合・分離して低減する | pH・導電率条件で除去効率が変わる |
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| 残存Protein A | Protein A溶出後に持ち込まれる成分を低減する | 後段CEXで分離されるケースが多い |
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| DNA・エンドトキシン | 一部は分離・低減されるがAEXが主役になりやすい | CEXは補助、フロースルーAEXと役割分担する |
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| 分解物・断片 | サイズ・電荷の違いで一部を分離する | 溶出条件で主ピークから切り分ける |
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CEXは、捕捉後の純度を仕上げるポリッシュ工程を中心に、プロセス開発からGMP製造まで幅広く使われます。
CEXは、Protein Aや捕捉工程の後段ポリッシュが必要なモダリティーで広く使われます。
抗体原薬ポリッシュ
コンジュゲート前の抗体原薬精製で使われる。
捕捉/ポリッシュ
pIに応じてbind/eluteまたはフロースルーで精製に使う。
抗原タンパク質精製
組換え抗原やサブユニットの精製で使われる。
精製/不純物分離
電荷差を利用したペプチドの精製で使われる。
掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)