製品ガイド ・ フロースルー精製

メンブレンクロマトグラフィー(クロマト膜)

メンブレンクロマトグラフィー(クロマト膜)は、官能基を結合させた多孔質膜に溶液を通し、分子を吸着・分離するクロマトグラフィーです。

主な用途
フロースルー精製・対流輸送・不純物除去・シングルユース
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メンブレンクロマトグラフィー(クロマト膜)(掲載内容の修正)

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掲載メーカー6社Sartorius・Merck / MilliporeSigma・Cytiva / Pall ほか
掲載製品15製品3つの種類に分けて掲載
使う工程11工程フロースルーポリッシュ・DNA・核酸除去・ウイルスクリアランス
関連モダリティ7種抗体医薬・Fc融合・組換えタンパク質・二重特異性抗体

要点

メーカーと製品

6社・15製品
イオン交換・塩耐性メンブレン(Q/S/STIC)6製品
SartoriusSartobind Q四級アミン(Q)を膜内部表面に結合した強AEX膜。サイズ排除が小さく、DNA・HCP・ウイルス・エンドトキシン・浸出Protein Aの高速フロースルー除去に使われる。公式サイト
SartoriusSartobind STIC PA一級アミン(PA)の塩耐性弱AEX膜。高導電率でも負電荷不純物を保持し、希釈なしのHCP・DNA・ウイルス除去ができる。公式サイト
Merck / MilliporeSigmaNatriFlo HD-Q / Natrix Q高密度の四級アミンを多孔質スキャフォールド内に直接重合した強AEX膜。高負荷・塩耐性のFTポリッシュ向けシングルユース膜。公式サイト
Cytiva / PallMustang Q / Mustang S0.8µm膜にペンダント四級アミンを持つAEXメンブレン(Sは強CEX)。16層プリーツ構造でDNA・プラスミド・ウイルスなど大分子の高容量除去に使われる。公式サイト
CytivaReadyToProcess Adsorber Q / SmAbや大分子のポリッシュ向けシングルユースAEX/CEX膜。96ウェルから製造スケールまで同系列で展開でき、ReadyMate接続に対応。公式サイト
Purilogics (Donaldson)Purexa NAEX / MQ高DBCの弱AEX膜(NAEX)と、高速・高塩でのマルチモーダルAEX膜(MQ)。100 CV/min級の高速FTでの不純物除去に使われる。公式サイト
アフィニティ・疎水メンブレン(Protein A/Phenyl)4製品
SartoriusSartobind Rapid A対流輸送による高速Protein Aアフィニティ膜。短滞留・高流速で抗体を捕捉し、ラボの迅速キャプチャや高サイクル運転に使われる。公式サイト
SartoriusSartobind Phenylフェニル基をセルロース膜に結合した疎水性相互作用(HIC)膜。凝集体(HMW)など疎水性不純物の高速除去・ポリッシュに使われる。公式サイト
残りの7製品を見る
Purilogics (Donaldson)Purexa PrA抗体捕捉向けのProtein Aアフィニティ膜。レジンより高速の捕捉運転を狙うシングルユースの選択肢。公式サイト
SartoriusMembrane Chromatography(製品群)Sartobindシリーズのメンブレンクロマト製品全体。Q/S/STIC/Phenyl/Rapid Aやナノ〜カプセル〜カセットの形態を比較・選定できる。公式サイト
対流性モノリス・スケールアップ・接続5製品
Sartorius BIA SeparationsCIMmultus(QA / DEAE / OH 等)対流性モノリスカラム。AAV・ウイルス・VLP・pDNA・mRNAなど大分子の捕捉・空カプシド分離・分析に使われる。公式サイト
SartoriusMonolithic Chromatography(製品群)対流性モノリスのプロセス・分析向け製品群。遺伝子治療・ワクチン・核酸の大分子精製の選定候補になる。公式サイト
Cytiva / PallMustang Q XT Capsules5mL〜5Lの拡張性を持つMustang Qカプセル群。ラボ検討から製造スケールまで同系列でFT運転を展開できる。公式サイト
CytivaReadyToProcess Adsorber 96-well / Capsules96ウェル形式のスクリーニングから製造スケールカプセルまでの膜製品。条件スクリーニングとスケールアップ検討に使われる。公式サイト
SartoriusSartobind Nano / Capsule / Cassetteナノ(数mL)〜カプセル〜カセットの膜フォーマット群。条件検討から製造へ同一化学でスケールアップできる。公式サイト

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用途・特徴

レジン充填カラムが細孔内拡散に依存するのに対し、膜は対流輸送(コンベクティブフロー)で結合サイトに分子を運ぶため、流速を上げても結合容量が落ちにくく、短い滞留時間で運転できます。抗体精製では、捕捉後のDNA・HCP・ウイルス・エンドトキシンを吸着除去するフロースルー段で、シングルユースのQ膜が広く使われます。

メンブレンクロマトグラフィーは、Q(四級アミン)やS(スルホン酸)などの官能基を内部表面に結合させた多孔質膜を分離媒体として使います。最大の特徴は、物質移動が細孔内拡散ではなく対流輸送に支配される点です。レジンでは結合サイトの大半が粒子内の細孔にあり、分子がそこへ届くまでの拡散が律速になりますが、膜では流れそのものが分子を結合サイトへ運ぶため、流速を上げても動的結合容量(DBC)がほとんど低下しません。これにより、高流速・短滞留時間での運転が可能になり、処理時間とバッファー消費を大きく圧縮できます。

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細孔径が大きく(一般に数µm)サイズ排除の影響が小さいため、DNA・ウイルス・VLPなどの大きな分子を充填レジンより高い容量で結合できます。抗体精製では、目的物のpIより高いpH・低導電率に調整し、抗体を素通りさせながらDNA・酸性HCP・ウイルス・エンドトキシンを吸着除去するフロースルー(FT)モードが中心です。Q膜はこの不純物除去ポリッシュの標準的な選択肢で、近年は塩耐性を高めたSTIC(Salt Tolerant Interaction Chromatography)膜やマルチモーダル膜により、希釈なしの高導電率ロードでもHCP除去ができる製品が増えています。

膜はカートリッジ・カプセル・カセットなどのシングルユース形態で供給されることが多く、カラム充填・CIP・再充填や保管・バリデーションの負荷を軽減できます。一方で、装置(ハウジング・配管)の死容積に対して膜のベッド容積が小さいと希釈や分離能の点で不利になるため、装置設計と膜容積のバランスが重要です。用途に応じて、Q/S(イオン交換)に加え、Phenyl(疎水性相互作用)やProtein A(アフィニティ)の膜、ウイルス・遺伝子治療向けの対流性モノリスまで選択肢が広がっています。

使用方法

フロースルーでは、ロード液のpH・導電率を目的物のpIより高pH・低導電率に調整し、抗体を通過させながら負電荷不純物を膜に吸着させます。高流速で短時間に処理できるのが膜の利点です。

1膜カプセルを装置へ接続し気泡を抜く
2ロード液のpH・導電率をフロースルー条件に調整する
3平衡化バッファーで膜を平衡化する
4目的物を高流速でロードし不純物を吸着させる(FT)
5目的物のフロースルー画分を回収する
6DNA・HCP・ウイルス・エンドトキシン除去率を確認する
7bind/eluteの場合は塩グラジエントで溶出する
8クロマトグラムで分画・回収する
9高塩・高pHでストリップし強吸着分を外す
10使い捨てまたは再使用条件で次サイクルへ進む
実際の運転条件は、目的物のpI、ロード液の純度・導電率、官能基(Q/S/STIC/Phenyl/Protein A)、膜のDBCとベッド容積、運転モード(FT/bind/elute)、装置の死容積、シングルユースか再使用か、GMP要件によって変わります。

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掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)