製品ガイド ・ 疎水性相互作用・混合モード

疎水性相互作用レジン(HIC)

疎水性相互作用レジン(HIC)は、タンパク質表面の疎水性領域とリガンドの疎水性相互作用を利用して分離するクロマトグラフィー担体です。

主な用途
疎水性相互作用クロマトグラフィー・凝集体除去・ポリッシュ精製・高塩で結合・低塩で溶出
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疎水性相互作用レジン(HIC)(掲載内容の修正)

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掲載メーカー4社Cytiva・Tosoh Bioscience・Merck ほか
掲載製品10製品3つの種類に分けて掲載
使う工程7工程ポリッシュ精製・凝集体(HMW)除去・二重特異性抗体の誤対合分離
関連モダリティ5種抗体医薬・二重特異性抗体・ADC

要点

メーカーと製品

4社・10製品
アガロース系・大スケール担体3製品
CytivaCapto Phenyl ImpRes高分解能Phenyl HIC担体。小粒子で分離能と圧力特性を両立し、1M NaOHでのCIPに対応する中間・ポリッシュ向け。公式サイト
CytivaCapto Butyl ImpRes / Capto ButylButylリガンドの高分解能・大スケール対応担体。Phenylと異なる選択性で凝集体や関連物質の分離に使われる。公式サイト
CytivaPhenyl Sepharose High Performance / Fast FlowPhenyl Sepharoseの標準的HIC担体。HPは分離能重視、FFは流速・大スケール重視で広く使われる。公式サイト
メタクリレート系・ポリマー担体4製品
Tosoh BioscienceTOYOPEARL Phenyl-650 / Butyl-650メタクリレートポリマー基材のHIC担体。Phenylは汎用、Butylは別選択性で抗体精製の凝集体除去に使われる。公式サイト
Tosoh BioscienceTOYOPEARL Hexyl-650 / PPG-600より強疎水性のHexylと、別系統の選択性を持つPPG。弱疎水性分子の捕捉や塩低減を狙う場面で使われる。公式サイト
MerckFractogel EMD Phenylテンタクル構造のメタクリレート系Phenyl HIC担体。圧力安定性と選択性を備え、ポリッシュ工程で使われる。公式サイト
Bio-RadMacro-Prep HIC(t-Butyl / Methyl)/ Nuviaメタクリレート系HIC担体。Methyl・t-Butylの疎水性違いで、中間精製での宿主由来不純物の除去に使われる。公式サイト
ミックスモード・プレパック/システム3製品
MerckEshmuno HCX(ミックスモード)陽イオン交換と疎水性を併せ持つ高塩耐性のマルチモーダル担体。HICとは別に高塩条件での直接捕捉に使われる。公式サイト
CytivaHiScreen / HiTrap プレパックカラムCapto/Sepharose系HIC担体を充填したプレパックカラム。担体・塩条件のスクリーニングや小スケール検討に使われる。公式サイト
CytivaÄKTA クロマトグラフィーシステムHIC担体と組み合わせて結合・洗浄・溶出を制御するクロマトグラフィーシステム。プロセス開発から製造まで使われる。公式サイト

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用途・特徴

高塩条件で結合させ、塩濃度を下げて溶出するという、イオン交換とは逆向きの塩の使い方が特徴で、Protein A後のポリッシュ工程で凝集体や誤対合・断片の除去に使われます。

HICは、タンパク質表面に露出した疎水性領域と、Phenyl・Butyl・Hexyl・Octyl・PPGといった疎水性リガンドとの相互作用を分離原理とします。硫酸アンモニウムやクエン酸ナトリウムなど kosmotropic(塩析側)な塩を高濃度で添加すると疎水性相互作用が強まって担体に結合し、塩濃度を下げると溶出するため、塩濃度の操作で結合・溶出を制御します。

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イオン交換が荷電・pHで分けるのに対し、HICは疎水性の違いで分けるため、サイズや電荷が近く分離しにくい不純物にも別の選択性を与えられます。抗体プロセスではProtein A捕捉とイオン交換の後段に置き、凝集体(HMW)や誤対合体・断片、酸化体などを取り除くポリッシュ工程で使われます。

結合させるには高塩条件が必要なため、ロード前に塩を添加してサンプルを調整する前処理が前提になります。塩種・塩濃度はタンパク質の溶解性や活性、担体の疎水性の強さと合わせて設計し、結合過剰や析出を避けながら回収率と分離能のバランスを取ります。

使用方法

基本的には、サンプルに塩を添加して結合できる条件に調整し、高塩で平衡化した担体にロードして洗浄したあと、塩濃度を下げて目的物を溶出します。

1塩添加でサンプルを調整する
2担体を高塩バッファで平衡化する
3サンプルをロードして結合させる
4高塩条件で洗浄し弱吸着分を除く
5塩濃度を段階的・勾配で下げる
6目的物を溶出して分画する
7UV等でピーク・分画を確認する
8強吸着分をストリップする
9CIP(NaOH等)で洗浄する
10再平衡化して次サイクルへ
実際の条件は、官能基(リガンド)と疎水性の強さ、塩種・塩濃度、サンプルの疎水性・溶解性・粘度、流速・圧力、目的分子と除去対象(凝集体・誤対合・断片など)によって変わります。塩濃度が高すぎると析出や圧力上昇を、低すぎると結合不足を招くため事前のスクリーニングが重要です。

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掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)