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小型バイオリアクター

小型バイオリアクターは、少量スケールで細胞培養や微生物培養を行いながら、pH、溶存酸素、温度、撹拌、ガス供給などを制御できる培養装置です。シェイクフラスコより制御性が高く、商用スケールの培養槽に近い条件を小スケールで再現しやすい点が特徴です。

pH/DO制御プロセス開発スケールダウン条件評価

用途・特徴

小型バイオリアクターは、候補クローンや培養条件を、制御された環境で評価するために使われます。

pH、DO、温度、撹拌、ガス流量、フィードなどを制御できるため、シェイクフラスコでは見えにくい培養特性を確認できます。ガラス製の撹拌槽型、シングルユース容器型、ロッキングモーション型、国内メーカーのカスタム対応装置などがあります。

Point
  • pH、DO、温度、撹拌などを制御しながら培養できる
  • 培地・フィード条件や培養プロファイルの検討に使われる
  • ガラス製、シングルユース、ロッキングモーション型などの形式がある
  • 国内メーカー品やカスタム対応装置も候補になる

使用方法

基本的には、培養容器、センサー、撹拌翼、ガス供給、制御条件を準備し、細胞を接種して培養します。

1ベッセル・容器を準備する
2センサー・条件を設定する
3培地を入れて平衡化する
4細胞数・生存率を確認する
5接種密度を調整し接種する
6pH/DO/撹拌を制御し培養
7定期的にサンプリングする
8代謝物・産生量を確認する
9候補クローン・条件を選ぶ
実際の条件は、培養容量、ベッセル形式、撹拌方式、通気方式、pH制御、DO制御、フィード方法、サンプリング頻度、シングルユース対応、スケールアップ戦略によって変わります。

シェイクフラスコとの違いは?

小型バイオリアクターとシェイクフラスコは、どちらも候補クローンの拡大培養に使われますが、制御性と得られるデータが異なります。

主な目的

候補クローンを簡便に増やす

培養条件を制御して候補クローンを評価する

制御項目

温度、CO2、振とう条件が中心

pH、DO、温度、撹拌、ガス、フィードを制御できる

本培養との近さ

限定的

より近い条件を再現しやすい

データ取得

オフライン測定が中心

オンラインデータや制御履歴を取得しやすい

強み

簡便で多数の候補を扱いやすい

プロセス開発やスケールアップにつなげやすい

注意点

pHやDOを直接制御しにくい

センサー管理、滅菌、設定、消耗品管理が必要

シェイクフラスコは「候補を増やすための簡便な培養」、小型バイオリアクターは「制御条件下で候補を評価するための培養」と考えるとわかりやすくなります。

装置タイプの違い

小型バイオリアクターには複数の方式があります。候補クローン評価、培地・フィード検討、スケールアップ検討など、目的に応じて使い分けます。

ベンチトップ撹拌槽型

ガラス容器や小型ベッセルを使い、撹拌翼、pH、DO、ガス、温度を制御する

本培養に近い条件での候補クローン評価、プロセス開発

シングルユース小型

滅菌済みのシングルユース容器やバッグを使う小型培養装置

洗浄・滅菌負荷の低減、スケールアップ検討、細胞培養

国内・カスタム対応系

国内メーカーが提供する小型・中型培養装置やカスタム対応システム

研究室の既存設備や用途に合わせた構成検討

ロッキングモーション型

バッグを揺らして波型の流れを作り、穏やかに混合・酸素供給する

シードトレイン、細胞増殖、ウイルスベクター、細胞治療関連培養

並列小型バイオリアクター

複数ベッセルを同時制御し、多条件を並行比較する

クローン選抜、培地・フィード検討、DoE、スクリーニング

使用される工程

小型バイオリアクターは、候補クローンの評価やプロセス開発で使われます。

細胞株開発・クローン選抜

有望クローンを制御条件下で評価します。

主な用途
  • 制御条件評価
  • 有望クローン確認
  • 性能比較

候補クローンの拡大培養

シェイクフラスコ後の候補を本培養に近い条件で培養します。

主な用途
  • 本培養近似
  • 候補拡大
  • 条件再現

産生量スクリーニング

抗体産生量や増殖性を小型培養槽で比較します。

主な用途
  • 産生量比較
  • 増殖性比較
  • 候補絞り込み

細胞状態・増殖評価

細胞密度、生存率、代謝状態、培養プロファイルを確認します。

主な用途
  • 細胞密度
  • 代謝状態
  • 培養プロファイル

シードトレイン

本培養へつなぐ前の段階的な拡大培養に使われます。

主な用途
  • 段階的拡大
  • 立ち上げ
  • 拡大管理

本培養条件検討

pH、DO、撹拌、フィード、温度シフトなどの検討に使われます。

主な用途
  • pH/DO検討
  • フィード検討
  • 温度シフト

プロセス開発

培養条件、スケールアップ、培地・フィード条件の検討に使われます。

主な用途
  • 条件検討
  • スケールアップ
  • 培地・フィード

ウイルスベクター製造

HEK293細胞やSf9細胞などの培養条件検討に使われます。

主な用途
  • HEK293培養
  • Sf9培養
  • 条件検討

細胞治療・再生医療

細胞拡大培養やスフェロイド培養などで使われる場合があります。

主な用途
  • 細胞拡大
  • スフェロイド培養
  • 条件検討

使用されるモダリティー

小型バイオリアクターは、細胞培養を使うモダリティーで広く使われます。

抗体医薬
関連度
CHOクローン評価培養条件検討本培養前検討
有望クローンの性能確認やプロセス開発に使われる。
二重特異性抗体
関連度
CHO細胞株培養条件検討
産生細胞の小型培養評価で使われる。
Fc融合・組換えタンパク質
関連度
CHOHEK293などの産生細胞
タンパク質産生条件の検討に使われる。
ウイルスベクター
関連度
HEK293Sf9昆虫細胞など
トランスフェクション、感染、培養条件検討に使われる。
ワクチン
関連度中〜高
細胞基材ウイルス増殖用細胞
細胞培養やウイルス増殖条件の検討に使われる。
細胞治療・再生医療
関連度中〜高
細胞拡大培養3D培養灌流培養
撹拌槽、ロッキング、特殊培養システムを使う。
iPS細胞・幹細胞由来製品
関連度
スフェロイドマイクロキャリア拡大培養
細胞ダメージや分化状態に注意して使われる。
エクソソーム・細胞外小胞
関連度
産生細胞の拡大培養培養条件検討
産生細胞の状態や培地条件の検討に使われる。
mRNA医薬・LNP
関連度低〜中
酵素・原材料製造細胞由来工程
mRNA合成本体では中心的ではない。
低分子医薬品
関連度低〜中
発酵細胞評価系
製造工程ではなく、発酵や細胞評価系で使われる場合がある。

メーカー製品

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