製品ガイド ・ 疎水性相互作用・混合モード

ミックスモードレジン(マルチモーダル)

ミックスモード(マルチモーダル)レジンは、イオン交換と疎水性相互作用など複数の保持機構を1本のリガンドに組み合わせたクロマトグラフィー担体です。

主な用途
マルチモーダル・凝集体除去・塩濃度耐性・ポリッシュ
メーカーの問い合わせ先を見る
掲載内容の修正

ミックスモードレジン(マルチモーダル)(掲載内容の修正)

編集部が内容を確かめて、掲載を直します。メーカーや受託企業には送りません。

製品一覧で比較する
掲載メーカー6社Cytiva・Tosoh Bioscience・Merck ほか
掲載製品10製品2つの種類に分けて掲載
使う工程8工程Protein A後のポリッシュ・凝集体(HMW/LMW)除去・フロースルー精製
関連モダリティ6種抗体医薬・二重特異性抗体・Fc融合・組換えタンパク質

要点

メーカーと製品

6社・10製品
プロセス用ミックスモードレジン(主要サプライヤー)5製品
CytivaCapto MMC塩耐性のマルチモーダル弱カチオン交換(CEX-HIC型)。高伝導度フィードに直接負荷でき、捕捉・ポリッシュに使われる。公式サイト
CytivaCapto adhereマルチモーダル強アニオン交換。Protein A後のフロースルーで凝集体・HCP・DNA・浸出Protein Aを低減する用途が中心。公式サイト
CytivaCapto Core 400 / 700不活性シェル+多機能コアのフロースルー型(コア充填)。大型分子は素通りし小分子不純物を内部で捕捉。ウイルス・大型分子向け。公式サイト
Tosoh BioscienceTOYOPEARL MX-Trp-650Mトリプトファンリガンドのマルチモーダルレジン。高伝導度(〜17 mS/cm)でも高DBCを維持し、凝集体/モノマー分離に使われる。0.5 mol/L NaOH CIP対応。公式サイト
MerckEshmuno HCX塩耐性のマルチモーダル(カチオン交換+疎水)レジン。難分離のmAb・ADC・融合タンパク質の直接捕捉/ポリッシュ向け。テンタクル構造。公式サイト
ヒドロキシアパタイト系・その他5製品
Bio-RadNuvia cPrime弱カチオン交換+疎水(CEX-HIC)型のマルチモーダル担体。幅広いpH・塩濃度で高回収の捕捉・ポリッシュに使われる。公式サイト
Bio-RadCHT Ceramic Hydroxyapatite(Type I/II・XT)リン酸基(金属親和)とカルシウム代謝性を併せ持つアパタイト系。凝集体・断片・変性体に特異な選択性を示す。公式サイト
Bio-RadCFT Ceramic Fluoroapatiteフルオロアパタイト系の剛性マクロポーラス担体。CHTと異なる選択性で難分離タンパク質の精製に使われる。公式サイト
SartoriusHEA HyperCel / PPA HyperCelヘキシルアミン/フェニルプロピルアミンのリガンドで静電+疎水の混合モード。塩耐性結合・低pH溶出が特徴のプロセス用担体。公式サイト
PurolitePraesto/プロセスクロマトグラフィー担体アガロース系プロセスクロマト担体のサプライヤー。混合モードを含む工程精製向けの担体ラインを展開。公式サイト

詳しく見る

用途・特徴

単一モードのIEX/HICでは分けにくい凝集体(HMW)、宿主細胞由来タンパク質(HCP)、浸出Protein Aなどに対し、別軸の選択性で精製を進められます。塩濃度耐性をもつものが多く、希釈・脱塩なしで直接負荷できる場面があるのも特徴です。

ミックスモードレジンのリガンドは、荷電基(カチオン交換またはアニオン交換)と疎水基、ときに水素結合・π-π相互作用などを同一分子内に持ちます。これにより、保持はpHとイオン強度の両方に依存し、単一モード担体とは異なる選択性が得られます。代表的にはカチオン交換+疎水のCEX-HIC型、アニオン交換+疎水のAEX型があり、抗体精製ではProtein A後のポリッシュ(中間〜最終精製)で凝集体やHCP、浸出Protein A、DNAの低減に使われます。

続きを読む

結合・溶出の設計自由度が広い一方、最適化すべきパラメータ(pH、伝導度、塩種、添加剤)が多く、方法開発に手間がかかります。塩濃度耐性のあるCEX-HIC型は高伝導度フィードに直接負荷でき、溶出は塩濃度勾配やpH勾配で行います。アニオン交換型のCapto adhereなどは、抗体を素通り(フロースルー)させながら酸性不純物・凝集体を捕捉する使い方が一般的です。

フロースルー専用設計として、ビーズ表面を不活性シェル、内部を多機能コアにした「コア充填」型レジン(Capto Core 400/700 など)があります。一定分子量カットオフ(例: 約700 kDa)より大きい目的物(ウイルス粒子・大型タンパク質集合体)は素通りし、小さい不純物だけが内部コアで多機能的に捕捉される、サイズ排除と多機能吸着を組み合わせた挙動を示します。

使用方法

ミックスモードは保持がpH・伝導度の双方に依存するため、結合条件と溶出条件をスクリーニングで決めるのが基本です。下記は抗体ポリッシュ(バインド/エルート)を想定した一般的な流れです。

1前工程プール(Protein A後等)の凝集体・HCP・伝導度を把握する
2結合pH・伝導度・塩種をスクリーニングで設計する
3カラム充填・平衡化(NaOHによるCIPで前処理)
4試料を負荷する(塩耐性型は希釈・脱塩なしで負荷可)
5洗浄で弱保持不純物を除去する
6塩濃度勾配またはpH勾配で目的物を溶出する
7溶出画分の凝集体・HCP・浸出Protein Aを分析する
8プール基準(純度・収率)でフラクションを設定する
9NaOHでCIP・再生し、サイクル間の性能を確認する
10DBC・ロバストネス・寿命を評価して条件を確定する
最適条件は分子種、前工程プールの組成、伝導度、目的とする不純物(HMW/HCP/浸出Protein A)によって変わります。塩種や添加剤(アルギニン等)で選択性が動くため、実フィードでのスクリーニングが前提になります。

関連製品

掲載情報の確認日:2026年7月(メーカー公開情報をもとに編集部が確認。最新・正確な仕様は各社公式をご確認ください)