品質特性・分析

力価・濃度とは?

力価・濃度とは、抗体医薬に「どれだけ含まれているか(量)」と「どれだけ機能するか(効き目)」を分けて評価する分析です。濃度は含量を、力価は生物活性を示し、同じ濃度でも構造変化や凝集によって力価が変わるため、両者を組み合わせて品質を確認します。

力価と濃度を分けて見る理由
量と効き目は必ずしも一致しない
構造変化・凝集・糖鎖差で力価が変わる
力価試験は細胞・標準品を使いばらつき管理が要る
分類
品質特性(分析)
主な手法
UV-Vis(A280) / Protein A-HPLC / ELISA / BLI / SPR / 細胞ベース相対力価バイオアッセイ(ADCCレポーター等) / スロープ分光(変動光路長 A280)
代表的な基準法
濃度: A280紫外吸光法(ε補正)/ 力価: 細胞ベース相対力価バイオアッセイ
主な管理パラメータ
A280: 配列由来吸光係数ε(mAbで概ねε0.1%=1.3–1.6)の妥当性、ブランク/バックグラウンド補正、A320散乱補正、光路長の検証 / スロープ分光: A対光路長の直線性(R²)、線形区間の選択 / ELISA/結合系: 参照標準・検量線(4PL)のフィット、希釈直線性、希釈係数 / 細胞ベース力価: 参照標準に対する用量反応曲線(4PL/5PL)、平行性(similarity)、EC50、アッセイレンジ、細胞継代・密度・E:T比、インキュベーション時間 / システム適合性/バリデーション基準(正確さ・精度・直線性)
関連分析
純度分析の仕込み量決定 / 電荷異性体との組合せ / 糖鎖差による力価変動の確認 / 純度 / 電荷異性体

手法の比較 ― どの方法で測るか

手法原理何が分かる使い分け
UV-Vis(A280)280nmの吸光から総タンパク濃度濃度(mg/mL)簡便・迅速な濃度測定
Protein A-HPLCアフィニティで抗体だけを定量抗体濃度(力価)培養上清の抗体濃度
ELISA抗原抗体反応で定量濃度・結合量多検体スクリーニング
BLI / SPRラベルフリーで結合を測定結合活性・濃度・速度論結合性・活性評価
細胞ベース相対力価バイオアッセイ(ADCCレポーター等)参照標準に対する用量反応(4PL/5PL)から作用機序ベースの生物活性を測定。例: FcγRIIIa V158/NFAT-RE-lucレポーターで発光を読む相対力価(%)・EC50力価(効き目)の出荷規格・基準法
スロープ分光(変動光路長 A280)複数光路長でA280を取得しA対光路長の傾きから濃度を算出(希釈レス)濃度(mg/mL、高濃度域も直線)高濃度製剤・IPCの濃度測定
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