Product Guide

BLI(バイオレイヤー干渉法)

BLIは、センサー表面で起こる分子間相互作用をラベルフリーでリアルタイムに測定する方法です。センサーをサンプルに浸して測定する方式で、流路を使うSPRと比べて比較的シンプルに多検体測定を行いやすい点が特徴です。

ラベルフリー抗体濃度測定多検体測定エピトープビニング

用途・特徴

BLIは、抗体やタンパク質の結合をリアルタイムで測定するために使われます。

抗体濃度の測定、抗原との結合確認、親和性評価、結合速度解析、エピトープビニング、Fc受容体やProtein A/Gとの相互作用確認などに使われます。

Point
  • 培養上清など比較的複雑なサンプルにも使いやすい
  • 抗体濃度測定やエピトープビニングにも使われる
  • SPRより流路管理が少なく、多検体測定に向く場合がある

使用方法

基本的には、BLI用センサーに抗原や抗体を固定化し、サンプル中の相手分子との結合・解離を測定します。

1センサーを水和する
2ベースラインを取得する
3抗原または抗体を固定化する
4洗浄・ブロッキングを行う
5サンプルにセンサーを浸す
6結合シグナルを測定する
7バッファで解離を測定する
8速度論・親和性を解析する
9再生条件を確認する
細胞株開発では、抗ヒトIgGセンサーやProtein A/Gセンサーなどを使い、培養上清中のIgG濃度をスクリーニングする用途があります。実際の条件は、センサー種類、固定化方法、サンプル濃度、バッファ組成、温度、測定時間、再生条件によって変わります。

SPRとの違いは?

BLIとSPRは、どちらもラベルフリーで分子間相互作用を測定する方法です。大きな違いは、測定方式とサンプルの流し方です。

主な原理

センサーチップ表面の屈折率変化を測定する

センサー先端の干渉パターン変化を測定する

サンプル供給

流路を使ってサンプルを流す

センサーをウェル中のサンプルに浸す

流路管理

流路の管理が必要

比較的少ない

スループット

高感度・高精度な相互作用解析に強い

多検体測定に向く機種がある

サンプル適性

精製サンプルでの詳細解析に向く

培養上清など複雑なサンプルにも使いやすい

主な用途

親和性解析、速度論解析、低分子・抗体相互作用解析

濃度測定、結合確認、スクリーニング、エピトープビニング

BLIは「多検体を比較的扱いやすいラベルフリー測定」、SPRは「高精度な相互作用解析に強いラベルフリー測定」と考えるとわかりやすくなります。

使用される工程

BLIは、抗体やタンパク質の結合評価・定量で使われます。

細胞株開発・クローン選抜

培養上清中のIgG濃度や抗原結合性を確認します。

主な用途
  • IgG濃度確認
  • 抗原結合性確認
  • 候補比較

産生量スクリーニング

高産生クローンの絞り込みに使われます。

主な用途
  • 高産生クローン選抜
  • 濃度比較
  • 候補の絞り込み

抗体スクリーニング

抗原結合、親和性、エピトープビニングに使われます。

主な用途
  • 抗原結合
  • 親和性評価
  • エピトープビニング

精製工程

精製前後の抗体量や結合性の確認に使われます。

主な用途
  • 精製前後の比較
  • 抗体量確認
  • 結合性確認

品質評価・分析

結合活性、力価、分子間相互作用評価に使われます。

主な用途
  • 結合活性
  • 力価
  • 相互作用評価

創薬研究

抗体・タンパク質・受容体リガンド相互作用の評価に使われます。

主な用途
  • 相互作用評価
  • リガンド評価
  • 候補解析

使用されるモダリティー

BLIは、抗体やタンパク質の相互作用評価が重要なモダリティーで使われます。

抗体医薬
関連度
抗原結合産生量確認エピトープビニング
抗体候補のスクリーニングや結合評価に使われる。
二重特異性抗体
関連度
2標的結合結合順序評価
複数標的への結合確認に使われる。
Fc融合・組換えタンパク質
関連度
受容体結合リガンド結合濃度測定
タンパク質間相互作用の評価に使われる。
ワクチン
関連度中〜高
抗原抗体反応免疫応答評価
抗原や抗体応答の結合評価に使われる。
ウイルスベクター
関連度
カプシド抗体受容体結合品質関連評価
結合評価の一部で使われる。
細胞治療・再生医療
関連度
分泌タンパク質抗体様分子結合評価
製品そのものより評価系で使われる。
mRNA医薬・LNP
関連度
発現タンパク質の結合確認抗原評価
mRNAから発現したタンパク質の機能確認に使われる。
低分子医薬品
関連度低〜中
一部の低分子相互作用解析
SPRの方が使われやすい場合がある。

メーカー製品

関連記事

細胞株開発とは?抗体医薬に使う産生細胞株をどう構築・評価するか基礎知識・培養細胞株開発とは?抗体医薬に使う産生細胞株をどう構築・評価するかLC-MSによるHCP分析 ― ELISAでは見えない残留タンパク質を捉える応用・分析LC-MSによるHCP分析 ― ELISAでは見えない残留タンパク質を捉える力価・濃度とは?抗体医薬における含量・生物活性の評価基礎知識・分析力価・濃度とは?抗体医薬における含量・生物活性の評価HCPとは?抗体医薬に残る宿主細胞由来タンパク質とELISA分析基礎知識・分析HCPとは?抗体医薬に残る宿主細胞由来タンパク質とELISA分析Protein A精製とは?抗体精製における役割・流れ・よくある課題基礎知識・精製Protein A精製とは?抗体精製における役割・流れ・よくある課題製品由来不純物と工程由来不純物の違いとは?抗体医薬の品質評価で見るべき不純物を整理する基礎知識・分析製品由来不純物と工程由来不純物の違いとは?抗体医薬の品質評価で見るべき不純物を整理する