品質特性・分析

残留溶媒試験(GC)とは?

残留溶媒は、低分子原薬などの製造で使った有機溶媒が製品中に残ったものです。安全性の観点からICH Q3Cで分類・限度が定められ、主にヘッドスペースガスクロマトグラフィー(GC)で揮発性溶媒を定量します。

残留溶媒を管理する理由
有機溶媒の残留は安全性リスク(ICH Q3C)
クラス別に許容限度が定められている
工程・乾燥条件で残留量が変わる
分類
品質特性(分析)
主な手法
ヘッドスペースGC / GC-MS / GC-FID 液体直接注入 / 二カラム確認法(G43→G16) / ヘッドスペースGC-MS
代表的な基準法
静的ヘッドスペースGC-FID(USP <467> Procedure A/Ph. Eur. 2.4.24 System A)
主な管理パラメータ
ヘッドスペース平衡化条件:USP <467> Procedure Aは平衡化温度80℃・平衡化時間60分(水溶性品の標準条件) / GCオーブン昇温:40℃(20分)→10℃/分→240℃(20分)。キャリアガス窒素またはヘリウム、検出器はFID / 希釈媒体:水溶性品は水、水不溶性品はDMSOまたはDMF(試料1 mLを溶解後、水5 mLを加えてバイアルへ) / 二段階確認:Procedure A(G43)で限度超過の疑い→Procedure B(G16)で別選択性により確認、Procedure C(標準添加/外標)で定量 / 検量:限度濃度に対する希薄標準(Class 1標準液・Class 2 Mixture A/B標準液)でのS/N・分離・直線性確認 / 検出/定量限界:各溶媒のLOD/LOQが対象のICH Q3C限度を十分に下回ることを確認
関連分析
類縁物質・不純物 / 同一性確認 / 純度との関係 / 純度

手法の比較 ― どの方法で測るか

手法原理何が分かる使い分け
ヘッドスペースGC加熱で気化させGCで分離・定量揮発性溶媒の残留量(ppm)残留溶媒定量の主力
GC-MS質量分析で同定・定量溶媒の同定・微量定量同定・低濃度確認
GC-FID 液体直接注入試料溶液を注入口に直接導入し溶媒を分離・定量高沸点・極性溶媒(DMSO・DMF・NMP等)の残留量ヘッドスペース移行が悪い高沸点溶媒の定量を補完
二カラム確認法(G43→G16)選択性の異なる2相で共溶出を切り分け確認限度超過の真偽判定・誤同定の排除USP <467> Procedure A/Bの公定確認手順
ヘッドスペースGC-MS平衡化気相を質量分析で同定・定量溶媒の同定(共溶出分離)・微量確認FIDでの帰属不能ピークの同定と低濃度確認
この分析を記事で詳しく読む解説記事へ →