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凍結保存液

凍結保存液は、細胞を凍結保存する際に、凍結・融解によるダメージを抑えるために使われる保存液です。DMSOなどの凍結保護剤を含み、氷晶形成や浸透圧変化、脱水ストレスから細胞を守り、低温環境で保存しやすい状態にします。

凍結保護DMSO血清フリー細胞治療

用途・特徴

凍結保存液は、細胞の凍結保存時に生存率や解凍後の回復性を維持するために使われます。一般的にはDMSOを含む保存液が広く使われ、GMP製造や細胞治療用途では、血清フリー、動物由来成分フリー、既知組成、GMPグレードなどが選定ポイントになります。

セルバンク用途では、凍結前の細胞状態、DMSO濃度、冷却速度、保存容器、液体窒素保存条件が、解凍後の生存率や立ち上がりに影響します。

Point
  • 細胞を凍結・融解ダメージから守るために使われる
  • MCB/WCB作製時の細胞凍結に使われる
  • DMSO含有タイプ、DMSOフリータイプがある
  • 血清フリー、動物由来成分フリー、既知組成タイプが選ばれることがある
  • 細胞治療・再生医療ではGMPグレードや原料規格が重要
  • 解凍後の生存率、回復性、機能維持が重要な評価項目になる

使用方法

基本的には、回収した細胞を適切な濃度に調整し、凍結保存液と混合したうえで、クライオバイアルやクライオバッグに分注します。

1細胞を回収し、細胞数・生存率を確認する
2必要な細胞濃度に調整する
3凍結保存液と混合する
4クライオバイアル/バッグに分注する
5プログラムフリーザー等で凍結する
6液体窒素保存タンクへ移管する
7必要時に解凍して使用する
実際の条件は、細胞種、DMSO濃度、血清有無、保存液組成、細胞濃度、凍結速度、容器形状、GMP対応、解凍後の使用目的によって変わります。

DMSO含有タイプとDMSOフリータイプの違いは?

DMSOを含むタイプが広く使われますが、細胞治療や投与用細胞ではDMSO量や毒性が課題になることがあります。

結論

抗体医薬のMCB/WCBではDMSO含有タイプが使われることが多い一方、細胞治療や再生医療では、DMSO濃度の低減やDMSOフリー処方が検討されることがあります。

主な目的

凍結時の氷晶形成や浸透圧ストレスを抑える

DMSO曝露を避ける、または低減する

実績

幅広い細胞で使用実績が多い

細胞種・用途ごとの確認が必要

向く用途

セルバンク、研究用細胞、一般的な細胞凍結

細胞治療、DMSO感受性細胞、投与製品

注意点

DMSO毒性、作業時間、解凍後除去に注意

凍結保護性能、細胞機能維持の確認が必要

血清含有タイプと血清フリータイプの違い

項目血清含有タイプ血清フリー・動物由来成分フリー
主な構成培地、血清、DMSOなど既知組成成分、DMSO、保護成分など
強み研究用途で扱いやすいロット差や外来性因子リスクを抑えやすい
注意点血清ロット差、動物由来成分、規制対応細胞種ごとの適合性確認が必要
向く用途研究、初期検討セルバンク、GMP製造、細胞治療、再生医療

主なタイプ

タイプ内容向く用途
DMSO 10%タイプ10% DMSOを含む標準的な凍結保存液多くの哺乳類細胞、セルバンク
DMSO低濃度タイプ2〜5%程度などDMSO濃度を抑えたタイプDMSO感受性細胞、細胞治療
DMSOフリータイプDMSOを含まない凍結保存液投与用細胞、DMSO回避が必要な用途
血清フリータイプ血清を含まない凍結液セルバンク、GMP製造、細胞治療
動物由来成分フリータイプ動物由来成分を含まないタイプバイオ医薬品、再生医療、細胞治療
GMPグレードタイプ原料・製造管理、品質証明を意識したタイプ治験製造、商用製造
細胞種特化タイプT細胞、MSC、iPS細胞などに最適化されたタイプ細胞治療、再生医療、幹細胞

選定ポイント

細胞種CHO、HEK293、T細胞、MSC、iPS細胞などに適合するか
DMSO濃度10%、5%、2%、DMSOフリーなど
動物由来成分動物由来成分フリー、xeno-free、chemically definedか
GMP対応GMPグレード、製造管理、原料情報、CoAの有無
解凍後生存率融解直後の生存率、24時間後回復性
細胞機能産生能、分化能、増殖能、効力に影響しないか
ドキュメントCoA、原料情報、TSE/BSE、USP/EP情報、安定性情報の有無

使用される工程

凍結保存液は、細胞を保存する工程で使われます。

細胞株開発・クローン選抜

候補クローンや評価用細胞の凍結保存に使われる。

主な用途
  • 候補保存

セルバンク

MCB、WCB、研究用セルバンクの作製に使われる。

主な用途
  • MCB/WCB作製

プロセス開発

凍結条件、解凍後回復性、保存液比較に使われる。

主な用途
  • 保存液比較

細胞治療製造

原料細胞、中間細胞、最終製品の凍結保存に使われる。

主な用途
  • 製品凍結

再生医療等製品

iPS細胞、幹細胞、分化細胞の凍結保存に使われる。

主な用途
  • 細胞製品凍結

GMP製造

製造用細胞、品質管理用サンプルの凍結に使われる。

主な用途
  • GMP凍結

使用されるモダリティー

凍結保存液は、細胞を扱うモダリティーで広く使われます。

抗体医薬
関連度
CHO細胞MCB/WCB
製造細胞株の凍結保存に使われる。
ADC
関連度
抗体原薬用CHO細胞
抗体部分の製造細胞バンクで使われる。
二重特異性抗体
関連度
CHO細胞セルバンク
基本的には抗体医薬と同様に使われる。
Fc融合・組換えタンパク質
関連度
CHOHEK293
製造細胞株の保存に使われる。
AAV
関連度
HEK293Producer Cell
ウイルスベクター製造細胞の凍結保存に使われる。
レンチウイルス
関連度
Packaging CellProducer Cell
ベクター製造細胞の凍結保存に使われる。
細胞治療
関連度
CAR-TT細胞NK細胞MSC
原料・中間・最終製品の凍結保存に使われる。
iPS細胞・幹細胞由来製品
関連度
iPS細胞分化細胞マスターセル
細胞基盤や製造中間体の凍結保存に使われる。
ワクチン
関連度中〜高
細胞基材ウイルスシード
細胞基材やシードストック保存で使われる。
プラスミドDNA
関連度
大腸菌セルバンク
プラスミド製造用菌株の凍結保存に関係する。
低分子医薬品
関連度低〜中
細胞アッセイ評価細胞
製造工程よりも評価系の細胞保存で使われる。

メーカー製品

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