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Tフラスコ・培養プレート

Tフラスコ・培養プレートは、細胞を静置培養するための培養容器です。Tフラスコは、T25、T75、T175などの培養面積を持つフラスコ型の容器で、細胞の維持培養、融解後の回復培養、継代、初期拡大培養に使われます。培養プレートは、6ウェル、12ウェル、24ウェル、96ウェル、384ウェルなどのフォーマットがあり、細胞株開発、クローン選抜、スクリーニング、細胞ベースアッセイ、画像解析に使われます。

静置培養回復・継代・拡大クローン選抜細胞ベースアッセイ

用途・特徴

Tフラスコ・培養プレートは、細胞を一定の培養面積で維持・増殖・評価するために使われます。Tフラスコは、比較的少量から中程度の細胞を静置培養するために使いやすく、凍結細胞の融解後回復、継代培養、候補クローンの初期拡大に向いています。

培養プレートは、多検体処理や条件比較に向いており、単一細胞播種、クローン性確認、増殖観察、ELISA前処理、細胞ベースアッセイ、トランスフェクション条件検討、薬剤評価などに使われます。

Point
  • 細胞の静置培養に使う基本的な培養容器
  • Tフラスコは回復培養、継代、初期拡大に使いやすい
  • 培養プレートは多条件比較、単一細胞培養、スクリーニングに向く
  • 接着細胞では表面処理が重要
  • 浮遊細胞や3D培養では低接着・超低接着表面を使う場合がある
  • 96ウェルや384ウェルは自動分注、プレートリーダー、画像解析と相性がよい
  • シードトレイン、細胞株開発、細胞治療、品質評価を横断して使われる

使用方法

基本的には、細胞懸濁液をTフラスコまたは培養プレートに播種し、CO2インキュベーター内で培養します。

1培地を予温する
2細胞懸濁液を調製する
3必要な細胞数・播種密度を決める
4Tフラスコまたは培養プレートに細胞を播種する
5CO2インキュベーターに入れる
6細胞の接着、増殖、形態を確認する
7必要に応じて培地交換、継代、スケールアップを行う
8細胞数・生存率・産生量・表現型などを確認する
9次の培養容器や小型培養装置へ移行する
実際の条件は、細胞種、接着/浮遊、培地、播種密度、培養面積、ウェルフォーマット、表面処理、解析目的によって変わります。

Tフラスコと培養プレートの違いは?

Tフラスコと培養プレートは、どちらも静置培養に使われますが、向いている用途が異なります。

結論

Tフラスコは「細胞を増やす容器」、培養プレートは「条件を並べて評価する容器」と考えると整理しやすくなります。

主な目的

継代、維持培養、初期拡大

条件検討、スクリーニング、解析

培養面積

T25、T75、T175など

6、12、24、48、96、384ウェルなど

サンプル数

少〜中

中〜多

操作

手作業で扱いやすい

多検体処理に向く

解析

細胞回収、増殖確認

プレートリーダー、画像解析、顕微鏡観察

自動化

限定的

自動分注・自動観察と相性がよい

向く場面

融解後回復、継代、拡大

単一細胞播種、クローン選抜、アッセイ

シェイクフラスコとの違いは?

項目Tフラスコシェイクフラスコ
培養方式静置培養振とう培養
主な細胞接着細胞、静置培養、初期回復浮遊CHO、HEK293、微生物など
酸素供給培地表面からの拡散振とうによる気液混合
スケールアップ静置系・プレート系に接続小型バイオリアクターへ接続しやすい
主な用途回復培養、継代、クローン培養シードトレイン、浮遊細胞拡大
注意点培養面積、接着、コンフルエンス振とう速度、液量、酸素移動、せん断

接着培養と浮遊培養での使い分け

培養タイプ使い方注意点
接着細胞表面処理済みのフラスコ・プレートに播種する接着性、表面処理、コンフルエンス管理が重要
浮遊細胞低接着容器や通常容器で静置培養する場合がある細胞沈降、混合不足、酸素供給に注意
3D培養超低接着プレートやスフェロイドプレートを使うウェル形状、低接着処理、画像解析適性が重要
単一細胞培養96/384ウェルプレートに単一細胞を播種するウェル観察、蒸発、エッジ効果、クローン性確認が重要
細胞ベースアッセイ黒色・白色・透明プレートを使い分ける蛍光、発光、吸光、背景シグナルに注意

主なタイプ

タイプ内容向く用途
TフラスコT25、T75、T175などの静置培養容器継代、回復培養、初期拡大
マルチウェルプレート6、12、24、48、96、384ウェル条件検討、スクリーニング、単一細胞培養
接着細胞用表面処理品TC treated、CellBIND、Nunclon Deltaなど接着細胞、初代細胞、低接着性細胞
未処理プレート表面処理なし浮遊細胞、特殊コーティング
低接着・超低接着プレート細胞接着を抑える表面スフェロイド、浮遊細胞、3D培養
コラーゲン/ポリリジン処理品細胞接着を補助する表面初代細胞、神経細胞、接着しにくい細胞
黒色プレート蛍光測定の背景を抑える蛍光アッセイ、イメージング
白色プレート発光シグナルを高める発光アッセイ、ルシフェラーゼ
透明底プレート顕微鏡観察や画像解析に向くライブセルイメージング、高コンテンツ解析
自動化対応プレートSBS規格、バーコード、ロボット適性自動分注、HTS、クローン選抜

選定ポイント

細胞タイプ接着細胞、浮遊細胞、初代細胞、幹細胞、CHO、HEK293など
培養目的回復培養、継代、拡大、単一細胞培養、スクリーニング、アッセイ
培養面積T25、T75、T175、6ウェル、96ウェルなど
表面処理TC処理、低接着、コーティング、未処理のどれが必要か
キャップ構造ベントキャップ、プラグシール、フィルターキャップのどれか
ウェル形状平底、丸底、V底、U底、スフェロイド用など
光学特性透明、黒色、白色、透明底が必要か
蒸発対策エッジ効果、長期培養、プレートシールの必要性
自動化適性自動分注、ロボット搬送、バーコード、SBS規格対応
滅菌・品質滅菌済み、ノンパイロジェン、DNase/RNase freeなど
スケールアッププレートからフラスコ、フラスコからシェイクフラスコ・リアクターへ接続できるか
供給安定性ロット差、入手性、ケース単位、価格、代理店対応

使用される工程

Tフラスコ・培養プレートは、細胞を扱う多くの工程で横断的に使われます。

細胞株開発・クローン選抜

単一細胞播種、クローン増殖、スクリーニング、継代培養に使われる。

主な用途
  • クローン選抜

遺伝子導入・安定発現株作製

トランスフェクション後培養、選択培養、候補クローン維持に使われる。

主な用途
  • 安定発現株

単一細胞化・ウェル播種

96/384ウェルプレートで単一細胞培養を行う。

主な用途
  • 単一細胞

クローン性確認・増殖観察

プレート上でクローンの増殖や形態を観察する。

主な用途
  • クローン性

産生量スクリーニング

培養上清を回収し、ELISA、BLI、Protein A HPLCなどへつなぐ。

主な用途
  • 産生量比較

細胞状態・増殖評価

細胞数、生存率、形態、代謝、増殖曲線を確認する。

主な用途
  • 増殖評価

セルバンク

融解後回復、評価用培養、凍結前の細胞確認に使われる。

主な用途
  • 凍結前確認

シードトレイン

WCB融解後の回復培養、初期拡大培養に使われる。

主な用途
  • 初期拡大

融解・回復培養

解凍後の細胞をCO2インキュベーターで回復させる。

主な用途
  • 融解後回復

段階的な拡大培養

Tフラスコからシェイクフラスコや小型培養装置へ移行する。

主な用途
  • スケールアップ

細胞治療製造

原料細胞、MSC、iPS細胞、分化細胞の研究・開発培養に使われる。

主な用途
  • 原料細胞

品質評価・分析

細胞ベースアッセイ、毒性評価、薬効評価、バイオアッセイで使われる。

主な用途
  • 細胞アッセイ

使用されるモダリティー

Tフラスコ・培養プレートは、細胞を使うほぼすべてのモダリティーで使われます。

抗体医薬
関連度
CHO細胞細胞株開発クローン選抜
クローン培養、回復培養、初期拡大、スクリーニングに使われる。
ADC
関連度
抗体原薬用CHO細胞クローン選抜
抗体部分の細胞株開発や評価に使われる。
二重特異性抗体
関連度
CHO細胞複数鎖発現クローンスクリーニング
候補クローン培養や産生量評価で使われる。
Fc融合タンパク質・組換えタンパク質
関連度
CHOHEK293細胞株開発
産生細胞の培養・評価に使われる。
AAV
関連度
HEK293Sf9Producer Cell
接着HEK293の培養、トランスフェクション、評価で使われる。
レンチウイルス
関連度
HEK293TPackaging CellProducer Cell
ベクター製造用細胞の培養や評価で使われる。
プラスミドDNA
関連度低〜中
発現確認評価細胞
プラスミド製造本体よりも評価細胞培養で関係する。
mRNA-LNP・mRNA医薬
関連度中〜高
トランスフェクション評価細胞アッセイ
mRNAやLNPの細胞評価で使われる。
細胞治療
関連度
T細胞NK細胞MSC、iPS由来細胞
研究開発、条件検討、細胞評価で使われる。
iPS細胞・幹細胞由来製品
関連度
iPS細胞MSC、分化細胞オルガノイド
維持培養、分化、3D培養、品質確認で使われる。
遺伝子編集
関連度
CRISPR編集細胞単一細胞クローニング
編集後細胞の回復、クローン化、評価で使われる。
ワクチン
関連度中〜高
細胞基材ウイルス増殖評価細胞
細胞基材やウイルス増殖試験で使われる。
微生物発酵
関連度低〜中
細胞評価がある場合
微生物培養本体では通常使われない。
低分子医薬品
関連度中〜高
細胞アッセイ毒性評価薬効評価
評価系・スクリーニングで広く使われる。

メーカー製品

Tフラスコ・細胞培養フラスコ10
CorningCorning Cell Culture Flasks標準TC処理、CellBIND、Ultra-Low Attachmentなどの表面を選べる細胞培養フラスコ。接着細胞、浮遊細胞、低接着用途で使い分ける。公式URL CorningCorning CellBIND Cell Culture Flasks接着しにくい細胞や初代細胞などの接着性改善を目的とした表面処理フラスコ。公式URL CorningCorning Ultra-Low Attachment Flasks細胞接着を抑える超低接着表面のフラスコ。スフェロイド、浮遊培養、3D培養、細胞凝集体形成に使われる。公式URL Thermo Fisher Scientific / NuncNunc EasYFlask Cell Culture Flasks細胞培養処理済みのTフラスコ。25、75、175、225 cm²などのサイズ、ベントキャップやソリッドキャップを選べる。公式URL Thermo Fisher Scientific / NuncNunc Cell Culture Treated FlasksNunclon Delta表面処理を持つ細胞培養フラスコ。幅広い細胞の接着・増殖に使われる。公式URL Greiner Bio-OneCELLSTAR Cell Culture Flasks接着細胞の維持培養向けフラスコ。物理的な表面処理により細胞接着と増殖をサポートする。公式URL Greiner Bio-OneCELLSTAR Cell-Repellent Surface Flasks細胞接着を抑える表面処理を持つ培養容器。半接着性・接着性細胞の浮遊培養やスフェロイド用途に使われる。公式URL TPP Techno Plastic ProductsTissue Culture Flasks細胞培養用Tフラスコを展開。ベントキャップ、培養面積、細胞培養表面などを選択して使う。公式URL SarstedtCell Culture Flasks細胞培養用フラスコ、ディッシュ、プレートを展開。研究・細胞培養用途で使われる。公式URL VWR / AvantorVWR Cell Culture Flasks研究室向けの細胞培養フラスコ。一般的な維持培養、継代、初期拡大で使われる。公式URL
培養プレート・マルチウェルプレート10
CorningCorning Cell Culture Plates6、12、24、48、96、384ウェルなどの細胞培養プレート。接着細胞培養、スクリーニング、画像解析に使われる。公式URL CorningCorning CellBIND Cell Culture Plates接着しにくい細胞や初代細胞の接着を補助する表面処理プレート。公式URL Thermo Fisher Scientific / NuncNunc Cell Culture Plates多様なウェル数、色、表面処理を選べる細胞培養プレート。細胞ベースアッセイや培養評価に使われる。公式URL Thermo Fisher Scientific / NuncNunc Cell-Culture Treated Multidishes細胞培養処理済みマルチディッシュ。24ウェルなどのフォーマットで細胞培養・アッセイ開発に使われる。公式URL Greiner Bio-OneCELLSTAR Cell Culture Multiwell Plates6〜384ウェルなどの細胞培養プレートを展開。細胞培養、アッセイ、スクリーニングで使われる。公式URL Sumitomo Bakelite / S-BIOMultiWell Plates for Cell/Tissue Culture接着細胞向け表面処理、白色・黒色プレート、ノンパイロジェン、放射線滅菌などに対応する培養プレート。公式URL Falcon / CorningFalcon Cell Culture Plates細胞培養、アッセイ、顕微鏡観察に使われる培養プレート。公式URL TPP Techno Plastic ProductsTissue Culture Plates細胞培養用マルチウェルプレートを展開。研究・開発用途で使われる。公式URL SarstedtCell Culture Plates細胞培養用プレート。培養、アッセイ、スクリーニングで使われる。公式URL VWR / AvantorVWR Cell Culture Plates研究室向けの細胞培養プレート。一般的な培養・評価・アッセイで使われる。公式URL
関連装置・周辺製品10
Thermo Fisher ScientificCO2 IncubatorsTフラスコや培養プレートを一定温度・CO2濃度で培養するために使われる。公式URL EppendorfCellXpert CO2 IncubatorsTフラスコ・プレート培養に使われるCO2インキュベーター。細胞培養環境を安定化する。公式URL BioLife SolutionsThawSTAR CFT2凍結細胞を融解し、Tフラスコや培養プレートでの回復培養へつなぐ。公式URL Beckman Coulter Life SciencesVi-CELL BLU / Vi-CELL XRTフラスコやプレートで培養した細胞の細胞数・生存率確認に使われる。公式URL Logos BiosystemsLUNA-FX7 / LUNAシリーズ培養細胞の細胞数・生存率確認に使われる自動セルカウンター。公式URL SartoriusIncucyte Live-Cell Analysis SystemCO2インキュベーター内で培養プレートを観察し、細胞増殖・形態・蛍光シグナルを追跡する。公式URL Molecular DevicesImageXpress Systems培養プレート上の細胞を画像解析する高コンテントイメージング装置。公式URL Agilent BioTekCytation / Synergy Plate Readers細胞ベースアッセイ、発光、蛍光、吸光、イメージング測定に使われるプレートリーダー。公式URL TecanFluent / Freedom EVO細胞播種、培地交換、試薬添加、スクリーニング用プレート処理に使われる自動分注装置。公式URL HamiltonMicrolab STAR自動分注、細胞播種、プレート処理、スクリーニング前処理に使われる。公式URL

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