米国のAAV特化型CDMOであるForge BiologicsがAAV製造プラットフォームの前進を報告し、アジア太平洋(APAC)地域の遺伝子治療市場への拡張を目指す方針を示した。同社は独自のAAV製造基盤を活用したCDMO事業を展開しており、グローバルな受託製造ネットワーク構築に向けた動きを加速させている。
AAV製造CDMOに求められる能力とは
アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた遺伝子治療は、希少疾患から神経疾患まで幅広い適応で開発が進んでいる。しかし、AAVの製造はHEK293細胞やBaculovirus/Sf9系などの複数のプラットフォームが存在し、一過性トランスフェクションと安定産生株のどちらを選ぶかによって生産性や品質プロファイルが大きく異なる。また、全カプシドに対して実際に遺伝子を内包した「フルカプシド比」の改善や、精製工程での収率確保が商業化に向けた共通の技術課題となっている。こうした難易度の高い製造を自社で内製できる創薬企業は少なく、専門CDMOへの依存度が高まっている。
APACへの展開が持つ戦略的意義
APAC地域では日本・韓国・オーストラリアなどを中心に遺伝子治療の臨床開発が急増しており、地域内での製造能力確保が課題となっている。現状ではベクター製造能力の多くが北米・欧州に集中しており、APAC拠点のCDMO不足がボトルネックになるケースもある。地理的に近い製造拠点を確保することは、輸送コスト・規制対応・サプライチェーンのリスク分散の観点から戦略的に重要であり、グローバルなAAV CDMOがAPAC展開を志向する動きは今後も続くと見られる。Forge BiologicsのAPACへの目配りは、こうした需要の地殻変動を先取りするものと言えるだろう。
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