Piezo Therapeuticsは、同社のプラスミドDNA(pDNA)を用いた治療薬を初めてヒトの皮膚老化を対象とした臨床試験へ進めた。非ウイルス性の遺伝子デリバリー手段として注目されるpDNAが、実際の臨床段階に踏み込んだことで、その製造・品質管理プロセスのあり方が改めて問われる局面となっている。
プラスミドDNA製造の難しさ
プラスミドDNAは、遺伝子治療やmRNAワクチンの鋳型としても使われる多用途な原材料だ。大腸菌を用いた発酵によって生産されるが、スーパーコイル型・オープンサークル型・直鎖型など複数のアイソフォームが混在するため、高品質な製品を得るには精密な精製工程が必要となる。特に治療用途では残留宿主DNAや内毒素(エンドトキシン)の除去が厳格に求められ、スケールアップ時に品質を安定させることが製造上の大きな課題として知られている。
非ウイルス型デリバリーが製造に示す新たな要求
ウイルスベクターを使わない非ウイルス性デリバリー系──脂質ナノ粒子(LNP)やポリマー型キャリアなど──は、製造コストや免疫原性の観点からウイルスベクターに比べて利点があるとされる。一方で、pDNA自体の規格設定(スーパーコイル純度、サイズ、配列同一性)やLNPとの封入効率の再現性など、製造プロセスの標準化はいまだ発展途上にある。今回のように皮膚への局所投与を想定したpDNA製剤の場合、凍結乾燥や製剤化条件の最適化も追加的な製造課題となりうる。業界全体として、pDNA製造のキャパシティ構築やGMP対応のCDMOへの委託需要が増しており、製造側の整備が臨床開発の速度を左右する状況は今後も続くとみられる。
※ 本ページは公開情報(AllSci報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。