受託製造企業ProBioが、カリフォルニア大学アーバイン校(UC Irvine)とGlyTR Therapeuticsが共同で進めるpan-cancer CAR-Tプログラムに、AAV製造の能力を提供すると発表した。このプログラムはFirst-in-Classと位置づけられており、ProBioのAAV製造技術がその実現を支える形となる。
AAV製造がCAR-T開発の「上流ボトルネック」を左右する
CAR-T療法の製造には、患者または健常者から採取したT細胞にキメラ抗原受容体(CAR)遺伝子を導入する工程が中心に据えられる。この遺伝子導入に用いられるのが、多くの場合レンチウイルスベクターまたはAAV(アデノ随伴ウイルス)だ。AAVはその安全性プロファイルや多様な血清型による組織指向性の調整しやすさから、in vivo型CAR-Tや特定のex vivo製造アプローチでも注目を集めている。しかしAAVの製造は、プラスミドの設計・品質管理から始まり、ヘルパー遺伝子の一過性発現あるいは安定産生株を用いた大量培養、クロマトグラフィーによる精製、そして空カプシドと実カプシドの分離まで、技術的難易度が高い工程の連続だ。十分な品質・量のウイルスベクターを調達できるかどうかが、プログラム全体のタイムラインを直接左右する。
アカデミア発プログラムと受託製造の連携
UCアーバインのような研究機関が主導するFirst-in-Classプログラムは、革新的なコンセプトを持ちながらも、GMP対応の製造インフラを自前で構築することが現実的でない場合が多い。こうした場合に専門CDMOへの委託が有力な選択肢となる。ProBioが提供するAAV製造能力がこのプログラムの進行を支えることで、アカデミア発の革新的細胞・遺伝子治療がより迅速に臨床段階へ移行できる可能性が高まる。ウイルスベクター製造の受託需要は今後も拡大が続くとみられており、製造能力を持つCDMOの存在感が一段と増す局面が続きそうだ。
※ 本ページは公開情報(PR Newswire報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。