スペインのサン・セバスティアンを拠点とするレンチウイルスベクター専業CDMO、VIVEbiotechが、ノルウェーのZelluna Immunotherapyが固形がん向けに開発するTCR-NK細胞療法に、GMPグレードのレンチウイルスベクターを供給している。両社は2018年から続く協業を、2026年4月29日に発表した。VIVEbiotechが担うのは細胞に遺伝子を運ぶベクターの製造で、NK細胞製剤そのものの製造ではない。
供給するのは細胞ではなくベクター
ZellunaのTCR-NK療法は、NK細胞にT細胞受容体(TCR)を遺伝子導入し、腫瘍抗原を狙わせる「既製品(off-the-shelf)」型の同種細胞療法です。対象の固形がんは、治療の選択肢が限られ、医療上の必要が満たされていない領域です。リード候補のZI-MA4-1は腫瘍抗原MAGE-A4を標的とし、2026年の臨床入りを予定しています。
両社は、1回のバッチで数百回分の用量をつくって凍結保存し、すぐ使える形にできれば大きな変化をもたらすと説明しています。それを支えるのが、初代細胞に効率よく遺伝子を入れられる、性能の高いベクターです。スペイン語版の発表では、ZellunaのCTOであるEmilie Gauthy氏が、VIVEbiotechの仕事がZI-MA4-1の開発に必要なベクターの実現を助けたと述べています。
同種療法向けベクターの難しさ
The Medicine Makerの7月号は、VIVEbiotechのCEOであるJon Alberdi氏のインタビューを載せました。同氏が挙げた課題は、純度、品質の一貫性、スケールアップ、ベクターの徹底した特性解析です。性能の高いベクターなら、より少ない量で効率よく遺伝子導入できるとも述べています。
製造量や費用、臨床成績の数字は、発表にもインタビューにも出ていません。公表されている実績は、協業が8年続いていることと、VIVEbiotechが米国、欧州、アジア、豪州で55社超を支援してきたことです。
※ 本ページは公開情報(VIVEbiotech・Zellunaの発表、The Medicine Makerのインタビュー)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。