バイオプロセスにおける培地処方設計をAIで加速するプラットフォームが注目を集めている。Technology Networksが報じたこの動向によれば、機械学習を活用したデータ駆動型のアプローチによって、細胞培養培地の最適化プロセスを従来より大幅に短縮できるという。
培地開発の「試行錯誤」をデータで超える
細胞培養培地の処方最適化は、バイオ医薬品の上流工程における根本的な課題の一つだ。培地成分は数十〜百種類以上に及ぶことがあり、それぞれの濃度バランスが細胞の増殖速度、生存率、目的タンパク質の発現量と品質に複雑に影響する。従来のOne-Factor-At-A-Time(OFAT)法やDoE(実験計画法)だけでは、探索空間が広大すぎて実験回数が膨大になりがちだった。
AIプラットフォームは、過去の実験データや文献情報を学習し、次に試すべき処方を予測・提案することで実験回数を絞り込む。ベイズ最適化や深層学習を応用したアプローチが近年急速に実用化されており、培地メーカーやバイオテク企業、CDMOでの導入事例が増えている。
製造への波及効果
培地処方の最適化が早期に完了することは、プロセス開発全体のタイムラインを短縮するだけでなく、製造コストの削減にも直結する。特にCAR-T細胞や幹細胞培養など、培地コストが製造コストの大きな割合を占めるモダリティでは、その効果が顕著になる。AIによる培地設計は、既存の実験インフラを活かしたままデータの価値を最大化する手法として、バイオプロセス業界全体で採用が加速しそうだ。
※ 本ページは公開情報(Technology Networks報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。