オーストラリアのウイルスベクター製造機関であるVVMF(Viral Vector Manufacturing Facility)と遺伝子治療開発企業Mirugenが、非独占の基本合意書(LoI)を7月14日に発表した。VVMFはMirugenの網膜色素変性症向けAAV遺伝子治療候補について、生産性・回収率・品質特性を評価する初期のパイロット試験を担う。両社は、先端医療医薬品(ATMP)の開発と製造を豪州国内で進める能力の強化につながる取り組みと位置づけている。
製造委託の前に行う評価試験
今回の合意は製造委託契約ではありません。VVMFが行うのは、Mirugenのリード候補の製造適性を見る初期のパイロット試験で、調べる項目は生産性、回収率、品質特性です。非独占なので、MirugenはほかのCDMOも検討でき、VVMFもほかの開発企業と組めます。評価の結果次第で開発を進める可能性がある、という位置づけです。
Mirugenの執行会長Charlotte Casebourne Stock氏は、この試験によって、立ち上がりつつある豪州の製造能力を技術的な基準に照らして評価できると述べています。VVMFのCEOであるStephen Thompson氏は、新しい治療法に向けた質の高いプロセス開発と製造の道筋を支えるものだと位置づけています。
Mirugenはメルボルンに本社を置く初期段階の企業で、網膜色素変性症のリード候補を、ヒトに初めて投与する試験(first-in-human試験)に向けて進めています。網膜色素変性症は、光を感じる視細胞が徐々に変性し、視力が失われていく遺伝性の疾患です。
発表に出ていない条件
シドニーを拠点とするVVMFは、自社を豪州で唯一のウイルスベクター専業CDMOと説明しています。金額、期間、試験の結果は、今回の発表に含まれていません。本格的な製造に進む条件も示されておらず、現時点で確かなのは、評価試験を行うという合意までです。
※ 本ページは公開情報(VVMF・Mirugenの共同発表、Australian Manufacturing報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。