バイオ医薬品の開発・品質管理において、タンパク質間の相互作用をリアルタイムで計測するBLI(バイオレイヤー干渉法)は欠かせない分析手段だ。BioProcess Internationalに掲載された報告では、AIを用いて設計されたNovobodyをベースとするバイオセンサーが、Hisタグ付きタンパク質の高性能BLI分析に適用できることが示された。
NovobodyとAI設計が切り開く新しいバイオセンサー設計
Novobodyとは、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体(ナノボディ)を人工的に最適化した結合分子の一種で、小サイズかつ高い安定性が特徴だ。AIを使った分子設計では、従来の実験的スクリーニングに比べて膨大な配列空間を短期間で探索できるため、目的の標的に最適化されたバインダーを効率的に得ることができる。今回報告されたバイオセンサーはHisタグタンパク質に対して高い親和性と特異性を持つよう設計されており、BLI測定における偽陽性や非特異的結合のリスクを低減することが期待される。
BLI分析のボトルネックとバイオプロセスへの意味
BLIはプレートやチップ上にリガンドを固定し、分析物との結合・解離をリアルタイムで光学的に計測する手法だ。Hisタグは組換えタンパク質の精製・固定に広く使われているが、既存のHis検出試薬は安定性や再現性に課題が残る場合がある。バイオ医薬品の上流プロセス開発では、抗体やフュージョンタンパク質の結合キネティクスを正確に把握することが製剤設計やQCの根幹となるため、こうした高精度センサーの登場はプロセス開発の加速に直結する。AIによるバイオセンサー設計は、試薬の創製コストとリードタイムを大幅に短縮できる可能性があり、将来的にはタグや標的種に応じたカスタムセンサーのオンデマンド設計も視野に入る。Novobodyの低分子量・高熱安定性はチップへの固定や保存条件面でも利点が大きく、GMP環境での利用拡大も期待されている。
※ 本ページは公開情報(BioProcess International報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。