BioProcess Internationalに掲載された技術報告は、ハイスループットの小規模グロースバッチ培養とベイズ最適化(Bayesian optimization)を組み合わせた多サイクル型アプローチを紹介している。複数の培養パラメータを同時に変化させながら目的関数(収率・品質指標など)の最大化を統計的に探索するこの手法は、限られた実験リソースで効率的にプロセス開発を進めるための有力な戦略として注目されている。
なぜベイズ最適化か
バイオプロセスの開発では、培地組成・温度・pH・撹拌速度・フィード戦略など多数のパラメータが製品の力価や品質に複雑に影響する。古典的なOFAT法では変数の交互作用を捉えられず、実験数も膨大になる。実験計画法(DOE)はその改善策として普及してきたが、ベイズ最適化はさらに一歩進み、過去の実験結果から統計モデルを更新しながら次に試すべき条件を能動的に提案する「モデルベース最適化」の枠組みをとる。これにより探索効率が飛躍的に向上する。
ハイスループット培養との相乗効果
ベイズ最適化の性能は、1サイクルあたりに取得できる実験データ点数に依存する。ミリリットル〜数十ミリリットルスケールのハイスループット培養系(マイクロバイオリアクターや並列型撹拌槽)と組み合わせることで、1回のキャンペーンで多数の条件を同時評価でき、多サイクルの最適化ループを短期間で回すことが可能になる。このデータ駆動型の開発加速は、製品の市場投入時期短縮とコスト低減に直結するとして、バイオプロセス業界全体での導入が広がりつつある。
※ 本ページは公開情報(BioProcess International報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。