遺伝子治療企業のAffinia Therapeuticsは、AAVの収量を業界標準の10倍に高めたと主張している。主な要因はプラスミドの設計だという。Genetic Engineering & Biotechnology News(GEN)が2026年7月末に「Capsid Experts Hope to Slash the Cost of Gene Therapies」で取り上げた。題名は「カプシドの専門家」だが、中心にあるのはカプシドの改良ではなく、プラスミドの設計とそれによる収量の向上である。
同社は、これまでの仕事のうち最も効果が大きかったものの多くは、プラスミドとその設計にあると説明しています(発言は編集部訳)。収量が上がれば、AAVを500 Lではなく50 Lのバイオリアクターで造れるため、運転費が下がるという理屈です。GENの要約は、収量の向上をプラスミドの作り直しと細胞株の選択に結びつけています。
500 Lから50 Lへ
同社が2025年のASGCT(米国遺伝子細胞治療学会)で示した数字は、50 Lスケールで3×10¹⁵ vg/L超の収量と、90%超の充填(full)カプシドの濃縮でした。毒性試験や臨床試験用のロットを250 Lから50 Lに下げられたことを、同社は大きなコスト削減と位置づけています。製造は委託先のCDMOであるForge Biologicsに移しても再現したとされます。対象の開発品は、BAG3変異による拡張型心筋症を狙うAFTX-201です。
10倍という数字の読み方
10倍は同社の主張です。何を基準にした10倍なのか、第三者による検証があるのかは、確認できた範囲にありません。同社は約6社とライセンスを交渉していると語っており、導入側が自社のプラットフォームや細胞株で同じ収量を再現できるかが、次に問われます。AAVを数十万ドルではなく数千ドル台で造りたいという目標も要約に出てきますが、何あたりの金額かは確認できておらず、実証された数字でもありません。
※ 本ページは公開情報(GENの報道、Affinia Therapeuticsの過去の発表)をもとにしたProglenth編集部による整理です。GENの記事は要約の範囲で確認しており、数値はいずれも同社の主張です。