BioProcess Internationalに掲載された論考で、エムタンシン(DM1)を薬物成分とするバイオシミラーADCの精製工程にミックスドモードクロマトグラフィーを適用することで純度向上を達成した事例が報告された。ADC製造の下流工程において、精製技術の選択が製品品質を大きく左右することを改めて示す内容だ。
ADC精製が難しい理由
ADCの精製は、通常の抗体精製とは異なる複雑さを持つ。プロテインAアフィニティクロマトグラフィーで抗体骨格を捕捉できるものの、コンジュゲーション後には薬物抗体比(DAR)の異なる種、未反応のリンカー・薬物残留物、高分子量凝集体など多様な不純物が混在する。これらを一括して除去し、均質なDAR分布を持つ製品を得ることは容易ではない。
ミックスドモードクロマトの活用
ミックスドモードクロマトグラフィーは、イオン交換と疎水性相互作用など複数の分離モードを一つの固定相に組み合わせた樹脂を用いる手法だ。単一モードの樹脂では除去しきれない不純物に対して直交した選択性を発揮できるため、ADCのような多成分混合物の精製に適していると考えられている。バイオシミラーADCは先行品と同等の品質特性を実証する必要があり、精製工程の設計精度は開発の成否に直結する。今回の報告は、ミックスドモード樹脂がADC下流工程の選択肢として実用的な位置づけを持つことを示す事例として参照価値がある。
※ 本ページは公開情報(BioProcess International報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。