細胞療法製品の製造において、製品中の微粒子(パーティキュレート)を評価・管理することは重要な品質課題のひとつだ。しかし規制当局からの明確なガイダンスが不十分な現状では、製造業者はそれぞれが創意工夫を凝らして対応を模索しているとGENは伝えている。プロセスシミュレーションを用いたリスク評価、製造工程中での微粒子発生の最小化、そして製品特性に合った試験法の選定が有効なアプローチとして挙げられている。
なぜ細胞療法で微粒子管理が難しいのか
従来の低分子医薬品や組換えタンパク質製品に対しては、注射剤中の不溶性微粒子に関する基準(例:USP <787>/<788>)が整備されている。しかし細胞療法製品では、製品そのものが細胞(生きた生物学的粒子)であるため、従来の光遮蔽法などの微粒子計数法をそのまま適用することが難しい。細胞自体がシグナルとして検出されてしまうため、異物粒子と区別する技術的な工夫が必要になる。また、最終製品の容量が小さく貴重であるため、破壊試験を多用することも難しい。
製造工程設計から品質を作り込む
こうした課題に対して業界がとるアプローチは、試験段階での検出に頼るだけでなく、製造プロセス全体を通じて微粒子の発生源を制御するという考え方だ。充填容器の選定、接続部材の材質、凍結保存プロセス、解凍手順などが粒子発生に影響するため、プロセス設計段階からの作り込みが重要となる。規制当局がガイダンスを整備する前に、製造側が科学的根拠に基づいた自社基準を構築し、当局との対話を積み重ねていくことが現実的な道筋となっている。細胞療法製造の品質管理は、まさに規制と製造実務が共同で標準を作り上げていく局面にある。
※ 本ページは公開情報(GEN報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。