シングルユース技術(SUT)はバイオプロセス製造において、交差汚染リスクの低減や洗浄バリデーションの簡素化のみならず、従来型のステンレス製設備(SST)に比べて環境負荷が低いとも語られてきた。しかし、GENが報じた新たな研究によれば、SUTの環境影響はこれまで考えられていたよりも大きく、場合によってはSSTのほうが持続可能な選択肢になり得ることが示されたという。さらに最善の選択肢は、SUT・SSTを組み合わせたハイブリッド施設である可能性が高いとされている。
SUTの環境負荷を再評価する視点
シングルユース製品(バッグ、チューブ、フィルターなど)は使用のたびに廃棄されるため、製造・輸送・廃棄に伴うカーボンフットプリントや廃棄物量が積み重なる。SSTでは洗浄・滅菌に大量の水・エネルギーを消費するが、設備は繰り返し使用できる。どちらが優れているかは、製品種類・バッチ規模・稼働率・廃棄物処理方法など多くの変数によって変わる。このため単純な比較は難しく、施設設計や製造規模に応じた個別評価が重要になる。
ハイブリッド施設という現実解
バイオ医薬品製造施設の設計において、近年はSUTとSSTを工程に応じて使い分ける「ハイブリッドアプローチ」が現実的な解として注目されている。例えば上流の細胞培養工程ではシングルユースバイオリアクターを採用してフレキシビリティを高めつつ、大規模な緩衝液調製タンクや精製カラムはSSTを維持するといった設計がある。今回の研究が示す知見は、施設設計の意思決定において環境コストを定量的に組み込む必要性を改めて浮き彫りにする。バイオプロセス業界全体でサステナビリティへの関心が高まるなか、設備選定の判断基準はコストや利便性だけでなく、ライフサイクル全体での環境評価へと広がっていきそうだ。
※ 本ページは公開情報(GEN報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。