中国の大手原薬メーカーである浙江華海製薬(Zhejiang Huahai Pharmaceutical)が、FDAの製造施設への指摘(citations)に直面するなか、恒瑞医薬(Hengrui)出身で元FDA関係者のプロフィールを持つ人物を新たな最高品質責任者(CQO)として採用したことが明らかになった。製造コンプライアンスの回復を最優先課題として位置づけている。
中国CDMO・原薬メーカーと米FDA規制の摩擦
中国の製薬・原薬製造企業にとって、FDAの輸入警告(Import Alert)や Warning Letter、あるいは製造査察での指摘はビジネスの根幹に関わるリスクだ。米国市場に原薬(API)や製剤を輸出するためには、FDAのcGMP(現行適正製造規範)への適合が不可欠であり、査察での指摘が解消されるまで製品の輸入が滞る事態にもなりかねない。
製造施設のコンプライアンス問題は、規制当局との継続的な対話と社内の品質システム改革の両輪で対応する必要がある。元FDA職員や規制経験者をCQOとして招くのは、規制当局の視点を製造品質管理に直接反映させる手法として有効とされ、欧米製薬企業でも広く採用されてきた戦略だ。
製造品質管理体制の再構築が急務
華海製薬はバルサルタン中の発がん性不純物(NDMA)問題で2018年に大規模なリコールを経験した経緯がある。製造品質の問題はサプライチェーン全体のリスクにつながるため、CMO・CDMOを選定する製薬企業にとっても原薬調達先の品質体制監視は重要な課題だ。今回のCQO交代は、FDAとの関係修復と製造品質システムの抜本的な見直しを対外的に示すシグナルとして読み取れる。
※ 本ページは公開情報(FiercePharma報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。