BioProcess Internationalが掲載したアプリケーション事例によれば、インテンシファイド・フェドバッチ(IFB)と呼ばれるプロセス強化手法を用いることで、モノクローナル抗体の収量として21 g/Lという高い値が達成されたと報告された。標準的なフェドバッチ培養が通常3〜10 g/L程度の収量にとどまることが多いことを踏まえると、この数値はプロセス開発における重要な技術的マイルストーンとして注目される。
インテンシファイド・フェドバッチとは何か
IFBは、従来のフェドバッチ培養を起点として、細胞密度の向上と栄養供給の最適化を組み合わせたプロセス強化戦略の一つである。一般的には、培養開始時の高細胞密度接種(N-1灌流を活用した細胞シードの濃縮など)と、精密な栄養フィード管理を組み合わせることで、体積生産性を高める。完全な灌流培養への移行と比べて既存のバイオリアクター設備をそのまま活用しやすく、スケールアップや規制対応の面でも扱いやすい点が特長とされる。バイオリアクター内での細胞密度を高めることで、同一の設備規模でより多くの目的タンパク質を得られるため、製造コストの削減にも直結する。
バイオ医薬品製造における収量向上の意義
抗体医薬品の製造コストを左右する最大の要因の一つが、上流工程における体積収量である。収量が高いほど、同量の製品を製造するために必要なバイオリアクター稼働時間・設備規模・原材料を削減でき、商業製造における競争優位につながる。特にバイオシミラーや大量供給が求められるモダリティでは収量向上の経済的インパクトが大きく、IFBのようなプロセス強化手法への関心が高まっている。連続製造や灌流培養と組み合わせた発展的なアプローチも活発に研究されており、今後もBPIなど専門誌での関連報告が続くと予想される。
※ 本ページは公開情報(BioProcess International報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。