クロード・ベルナール・リヨン第一大学でバイオプロセス工学の博士課程にあるElliot Cowles氏らのチームが、大型のバイオプリント組織を灌流培養する基盤を、国際細胞・遺伝子治療学会ISCTの2026年大会(ダブリン)で発表した。内容はCytotherapy誌にも載り、GENが2026年7月29日に伝えた。条件を制御した培養とMRIによる監視を組み合わせて再現性を高め、薬剤試験や再生医療に使うことを狙う。
静置培養にとどまってきた小さな組織
バイオファブリケーションで作る組織の多くは小さく、静置培養で育てるため、規模を広げにくく、再現性も保ちにくいとされてきました。小さな組織なら拡散だけで養分と酸素が中心まで届きますが、大型になると培養液を流し込む灌流が要ります。チームはこの制約に対し、カスタムの3Dプリント部品と、小規模培養の条件を自動で制御するAmbr250バイオリアクターを組み合わせています。部品はオートクレーブへの耐性と漏れの有無を確かめたうえで、8 cm²の多孔質のバイオプリント組織に使われました。
培養液は毎分1.5 mLで組織に流し、酸素、温度、pHを制御しています。21日間の培養では、温度、溶存酸素、pHが幅広い酸素設定で安定したと報じられています。
MRIが示した設計とのずれ
高解像度MRIは組織の3次元構造を再構成し、組織の中の培養液の動きを追いました。流れは均一ではなく、CAD(コンピューター支援設計)で予測した経路とは別の道筋を通っていました。
もう一つのずれは酸素です。柔軟なチューブから酸素が入り込み、制御用の容器で測った濃度と、組織を入れた培養室に届く濃度が食い違いました。それでもチームは、間葉系の大型の構築物3つを灌流培養しています。
どちらのずれも、設計図や制御装置の表示値だけでは見えません。記事は、内部の流れを壊さずに詳しく観察できる点を、この基盤の特徴に挙げています。
※ 本ページは公開情報(Genetic Engineering and Biotechnology News報道)をもとにしたProglenth編集部による整理です。詳細・数値は一次情報もあわせてご確認ください。