ウイルスベクターの受託開発製造(CDMO)を手がけるMatica Biotechnologyが、米テキサスのVaxDomeと提携したと発表しました。VaxDomeの「抗原非依存(antigen-agnostic)」の抗ウイルス・ワクチン融合体候補を、臨床試験へ進めるための製造・分析を担う内容です。Matica Bioは、工程開発(プロセス開発)・分析法開発と、非GMPおよびcGMPの治験用材料の製造を、テキサス州College Stationの専用施設で実行するとしています。
ウイルスベクターCDMOの役割
ウイルスベクター(遺伝子やワクチン抗原を細胞に運ぶウイルス)を使う医薬は、製造の難易度と品質管理の要求が高く、専用の設備・ノウハウを持つCDMOに委託されることが多い領域です。開発企業が自前で工場を持たずに、工程開発から治験薬のGMP製造までを外部に委ねることで、初期の設備投資を抑えつつ臨床入りを急げます。今回のように、開発初期の段階からCDMOが工程・分析の設計に入る形は、後工程での手戻りを減らす狙いもあります。CDMOの位置づけは 受託製造(CDMO/CMO)とは? もあわせて参照してください。
「抗原非依存」という考え方
一般的なワクチンは、特定の病原体の抗原を狙って免疫を立ち上げます。VaxDomeが掲げる抗原非依存の考え方は、変異の速い病原体に対して、特定の抗原配列に頼らず広く効くことを目指すものとされます。報道によれば、選んだインフルエンザ株を、鼻腔から投与する安全な抗原非依存の抗ウイルス/ワクチン融合体(zIFV)に転換する独自基盤を核にしているとされます。こうしたプラットフォーム型のアプローチは、素早く変わる脅威への備えとして注目されますが、有効性・安全性は今後の臨床で確かめられていく段階です。